特集
妖怪の伝承地
遠野の河童、鞍馬と大山の天狗、肝付町の一反木綿、金田一温泉の座敷わらし。妖怪の言い伝えが残る土地ごとに、町や寺社がその話をどう紹介しているか、いつの記録に出てくるか、今そこで何が見られて、どう行くかを書いています。
妖怪ごとの伝承地(北から)
2026.09.24 時点。言い伝えと記録は、各記事の出典(自治体・観光協会・寺社・博物館の公式)で確かめたものだけを載せています。
| 妖怪 | 言い伝えが残る土地 | 記録と紹介 | 今行ける場所 |
|---|---|---|---|
| 座敷わらし 記事を読む | 岩手県二戸市の金田一温泉 | 宿の緑風荘は、言い伝えの由来を南北朝時代の亀麿にさかのぼると紹介 | 緑風荘と敷地内の亀麿神社(IGRいわて銀河鉄道の金田一温泉駅) |
| 河童(カッパ) 記事を読む | 岩手県遠野市土淵町のカッパ淵、兵庫県福崎町 | 柳田國男『遠野物語』(1910年)。遠野のカッパ捕獲許可証は2004年に発行が始まった | カッパ淵(遠野駅から約5km)、福崎町の妖怪ベンチ23基 |
| 九尾の狐 記事を読む | 栃木県那須町の那須湯本温泉街(殺生石) | 那須町は、物語が初めて文献に出るのを文安2年(1445年)の「下学集」と紹介。殺生石は2014年に名勝に指定され、2022年3月に割れているのが見つかった | 殺生石、那須温泉神社、鹿の湯(JR黒磯駅・那須塩原駅からバス) |
| 王子の狐 記事を読む | 東京都北区王子 | 歌川広重「名所江戸百景 王子装束ゑの木大晦日の狐火」。狐の行列は1993年から続く | 装束稲荷神社と王子稲荷神社(JR王子駅)、大晦日の狐の行列 |
| 酒呑童子 記事を読む | 京都府福知山市大江町の大江山、新潟県燕市 | 福知山市は、酒呑童子を描いた最古の作品を南北朝時代の「香取本大江山絵詞」(逸翁美術館所蔵・重要文化財)と紹介 | 日本の鬼の交流博物館(京都丹後鉄道の大江駅から市バス、平日のみ)、燕市の国上寺と酒呑童子神社 |
| 天狗 記事を読む | 京都市左京区の鞍馬山、鳥取県大山町の大山 | 源義経が天狗に兵法を学んだと伝わる鞍馬寺の僧正ガ谷。鞍馬寺は宝亀元年(770年)の創建、大山寺は養老2年(718年)の開山と伝わる | 鞍馬寺(叡山電車の鞍馬駅)、大山寺 |
| 耳なし芳一ほか、小泉八雲の怪談 記事を読む | 山口県下関市、島根県松江市、鳥取県日野町 | 小泉八雲『怪談』。日野町の龍王滝の話は『怪談』ではなく『骨董』に入っている | 赤間神宮(下関)、小泉八雲記念館(松江)、龍王滝(日野町) |
| 児啼爺(こなきじじい)ほか、山城町の妖怪 記事を読む | 徳島県三好市山城町、香川県の小豆島 | 2008年に世界妖怪協会が山城町を「怪遺産」に認定 | JR大歩危駅の児啼爺の像、道の駅大歩危の妖怪屋敷と石の博物館、小豆島の妖怪美術館 |
| 牛鬼 記事を読む | 愛媛県宇和島市など南予の祭り(高知県側を含め約150か所) | 愛媛県歴史文化博物館は、いちばん古い史料を1784年(天明4年)の亀甲家文書とし、加藤清正の伝説は史実ではないとしている | うわじま牛鬼まつり(例年7月22〜24日)、愛媛県歴史文化博物館(西予市)の常設展示(JR宇和島駅) |
| 一反木綿 記事を読む | 鹿児島県肝付町(旧高山町)の波見・高山地区 | 「高山郷土誌」と野村伝四「大隅肝属郡方言集」に記述。柳田國男は「妖怪名彙(四)」(1938年)で取り上げた | 四十九所神社と城山、権現山(町内に鉄道は無く、鹿屋からバス) |
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10件を表示
一反木綿の伝承地:鹿児島県肝付町波見・高山地区と柳田國男の記録、行き方
一反木綿は鹿児島県肝付町(旧高山町)が発祥とされる妖怪です。波見や高山の地区に言い伝えが残り、柳田國男は1938年発表の「妖怪名彙(四)」で取り上げています。鹿児島空港からは鹿屋乗換、鹿児島市方面からは鴨池・垂水フェリー(乗船40分)で向かいます。
写真:権現山(鹿児島県肝付町波見)
写真: Sanjo(Public domain、Wikimedia Commons)
九尾の狐伝説と殺生石:栃木県那須町、割れた石と黒磯・那須塩原からの行き方
殺生石は九尾の狐が化身したと伝わる那須町の史跡で、2014年に名勝「おくのほそ道の風景地」の一つに指定されました。2022年3月に割れているのが確認され、那須町観光協会は九尾の狐を供養する慰霊祭を営みました。JR黒磯駅・那須塩原駅からのバスの行き方もまとめました。
写真:2022年3月に割れているのが確認された殺生石(2022年5月撮影)
写真: Miyuki Meinaka(CC BY-SA 4.0、Wikimedia Commons より)
王子の狐の行列:大晦日の狐火の言い伝えと装束稲荷・王子稲荷への行き方
大晦日の夜、東京都北区の装束稲荷神社に狐の面をつけた人たちが集まり、深夜0時に行列で王子稲荷神社へ向かいます。1993年から地元の実行委員会が続ける「王子狐の行列」で、歌川広重の浮世絵にならった行事です。2026年(第34回)は令和8年大晦日に開催予定ですが、詳しい日程は2026年9月24日の時点で未発表です。
写真:歌川広重「名所江戸百景 王子装束ゑの木大晦日の狐火」(安政4年〈1857年〉)
歌川広重(Public domain、国立国会図書館デジタルコレクション所蔵、Wikimedia Commons)
酒呑童子ゆかりの地:大江山・日本の鬼の交流博物館と、新潟に残る生まれの言い伝え
酒呑童子の退治の話が残る大江山(京都府福知山市)には日本の鬼の交流博物館があり、入館料330円、開館9:00〜17:00です。大江駅からの市バスは平日だけの運行で、土日祝日は運休します。新潟県燕市の国上寺と酒呑童子神社には、酒呑童子の生まれにまつわる言い伝えが残ります。
写真:鬼嶽稲荷神社(大江山)
写真: Yukinobu Kurata(倉田幸暢)(CC0、Wikimedia Commonsの元ページ)
牛鬼はどこで見られる:うわじま牛鬼まつりと愛媛県歴史文化博物館、宇和島への行き方
牛鬼はうわじま牛鬼まつり(例年7月22〜24日)の主役で、全長5〜6メートルの山車です。2027年の日程はまだ発表されていません。祭りの日以外は愛媛県歴史文化博物館(西予市)に牛鬼が常設展示され、鳥山石燕が描いた妖怪の牛鬼とは形が違います。松山駅からは特急宇和海で宇和島駅へ向かいます。
写真:和霊神社(宇和島市)の拝殿にある牛鬼の頭部
写真: Reggaeman(CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons)
座敷わらし伝説の金田一温泉「緑風荘」の由来、亀麿神社、駅からの行き方
岩手県二戸市の金田一温泉にある宿「緑風荘」には、座敷わらし「亀麿」の言い伝えが残ります。南北朝時代の由来、2009年の火災と2016年の営業再開、敷地内の亀麿神社、柳田國男『遠野物語』との違い、最寄りはIGRいわて銀河鉄道の金田一温泉駅です。日帰り入浴は大人500円です。
写真:金田一温泉の玄関口、IGRいわて銀河鉄道 金田一温泉駅
写真: Yasu(CC BY-SA 3.0、Wikimedia Commons の元ページ)
妖怪美術館とYOKAI EXPO、三好市山城町と小豆島をつなぐ境界の妖怪
三好市山城町は2008年に世界妖怪協会から「怪遺産」に認定され、小豆島の妖怪美術館とは2026年夏のPOPUPストアや2027年2月21日のYOKAI EXPO 2027でつながっています。道の駅大歩危の妖怪屋敷は入館料800円。行き方と料金を公式情報でまとめました。
写真:吉野川の渓谷に建つ道の駅大歩危(妖怪屋敷と石の博物館)
写真: 先従隗始(CC0、Wikimedia Commons)
河童の伝説が残る遠野のカッパ淵と福崎町:柳田國男がつなぐ二つの町
遠野市のカッパ捕獲許可証は通常版220円で、2004年4月に発行が始まりました。福崎町の妖怪ベンチは23基。二つの町をつなぐのは、福崎生まれで1910年に『遠野物語』を書いた柳田國男です。カッパ淵の場所とアクセス、柳田國男生家の入館料もまとめました。
写真:カッパ伝説の残る遠野・カッパ淵
写真: 663highland(CC BY 2.5、Wikimedia Commons より)
小泉八雲 怪談の舞台:耳なし芳一の赤間神宮から幽霊滝の龍王滝まで
小泉八雲記念館(松江市)の年間来館者数は令和6年の86千人から令和7年に143千人へ増えました。龍王滝の伝説は『怪談』ではなく『骨董』所収です。
写真:赤間神宮の水天門(耳なし芳一堂のある境内の入口)
写真: nnh(Public domain、Wikimedia Commons)
天狗の伝説が残る鞍馬寺と大山寺:僧正ガ谷と開山の由来、鞍馬への行き方
鞍馬寺は宝亀元年(770年)の創建で、源義経が天狗に兵法を学んだと伝わる僧正ガ谷が境内にあります。大山寺は養老二年(718年)の開山と伝わり、周辺は大山隠岐国立公園(昭和11年指定)の区域です。両寺の拝観料・時間と鞍馬までの行き方を、寺と環境省の公式情報で確かめました。
写真:鞍馬寺境内から望む鞍馬山系の山並み
写真: Daderot(CC0、Wikimedia Commons)
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