大晦日の夜、東京都北区の装束稲荷神社に狐の面や装束を身につけた人たちが集まり、深夜0時に行列で王子稲荷神社へ向かいます。「王子 狐の行列」という名で、1993年(平成5年)から地元の実行委員会が続けている行事です。装束稲荷神社(北区王子2-30-13)と王子稲荷神社(北区岸町1-12-26)は、どちらも王子駅の近くにありますが、別の神社です。
2026年(第34回)は令和8年大晦日の開催が予定されていますが、2026年9月24日の時点で、集合時間や行列のコースなど詳しい内容は公式サイトに発表されていません。
1. 早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日 | 12月31日(行列は深夜0時出発) |
| 会場 | 装束稲荷神社(北区王子2-30-13)→ 王子稲荷神社(北区岸町1-12-26) |
| 2026年(第34回) | 令和8年大晦日に開催予定。詳しい日程は2026年9月24日時点で未発表 |
| 最寄り駅 | JR王子駅、東京メトロ南北線王子駅、都電荒川線(東京さくらトラム)王子駅前 |
| 装束稲荷神社まで | 北区観光公式サイトは徒歩4分、GO TOKYOは徒歩6〜7分 |
| 主催 | 「装束ゑの木 王子狐の行列」実行委員会 |
日程・時間は各公式サイトの2026年9月時点の案内によります。
2. 大晦日に狐が集まったという言い伝えと、広重の浮世絵
北区観光公式サイトの装束稲荷神社のページによると、このあたりは昔、田畑ばかりの寂しい場所でした。その中に榎があり、「装束榎」と呼ばれていたといいます。大晦日になると関東一円の狐たちがこの榎のもとに集まって装束を整え、近くの王子稲荷神社へ初詣をしたという言い伝えがあり、歌川広重の浮世絵にも描かれていると同サイトは紹介しています。王子稲荷神社のページも、大晦日に稲荷の使いである狐が榎の下で身なりを整え、この神社に初詣をするという同じ言い伝えを伝えています。
この言い伝えを描いた浮世絵が、歌川広重「名所江戸百景 王子装束ゑの木大晦日の狐火」です。榎そのものは現存せず、北区観光公式サイトによれば、跡地には装束稲荷神社と装束榎の碑が残っています。

3. 地元の実行委員会が始めた「王子狐の行列」
王子狐の行列の公式サイトによると、行列が始まったのは平成5年大晦日です。この地を護る者同士が、広重の浮世絵にならって揃って王子稲荷神社に初詣をしたのが最初で、「ささやかな行列でした」と同サイトは振り返っています。以来、地元の人たちがこの風習を守り続け、平成11年度には地域づくり団体自治大臣表彰を受けました。
GO TOKYOによると、当日は約300人の参加者が日本の伝統的な衣装を着て狐のお面をつけ、「狐火」を表す黄色い提灯を持ち、装束稲荷神社から王子稲荷神社まで歩きます。王子稲荷神社のページは、この行事の時間を12月31日23:00〜翌0:30としており、北区観光公式サイトの行事一覧は行列そのものが深夜0時に出発すると案内しています。装束稲荷神社では大晦日限定の御朱印が授与され、周辺の商店では狐面が売られるとGO TOKYOは伝えています。

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運営する実行委員会は、行事を支えるボランティアを毎年募集しています(2026年5月12日付のお知らせ)。同じお知らせの一覧には、行列に参加する人向けの「王子流 狐のメイク」という記事もあり、下地として顔全体を白く塗り、額から鼻の頭にかけて2本のオレンジの線を描くという手順を紹介しています。案内チラシ(A3判2つ折り)は王子の各所で配布中で、最新版は2025年12月5日付で公式サイトに掲載されています。
第33回(2025年大晦日)は無事終了しています。GO TOKYOのページは2026年1月5日更新で、開催日を2025年12月31日〜2026年1月1日と記したうえで「※2025年のイベントは終了しました」と注記したまま、第33回開催時点の内容が残っています。
4. 装束稲荷神社と王子稲荷神社、住所も役割も違う二つの神社
装束稲荷神社(北区王子2-30-13)は、狐たちが装束を整えたと伝わる榎のそばに祀られた神社で、行列の出発地点にあたります。

王子稲荷神社(北区岸町1-12-26)は、関東稲荷総社の格式を持ち、江戸時代から庶民に親しまれてきたと北区観光公式サイトは紹介しています。国認定重要美術品の「額面著色鬼女図」と、谷文晁が描いた龍図を所蔵し、絵馬は1月1日〜3日と2月の午の日の10:00〜16:00に公開されます。境内にある「狐の穴跡」は、落語「王子の狐」の舞台にもなっている場所です。
境内では毎年2月の午の日、10:00〜18:00に「凧市」が開かれます。北区観光公式サイトによると、たびたび大火に見舞われた江戸の庶民が「凧は風を切る」として火事除けの縁起をかついだのが始まりで、神社からは「火防けの凧守」が授与されるほか、境内には凧屋の店も出るといいます。境内にはトイレがあり、サクラ・モミジ・ツバキ・アジサイが植えられていると北区観光公式サイトは案内しています。

5. 王子駅から歩く:JR・東京メトロ南北線・都電
王子駅にはJR京浜東北線、東京メトロ南北線、都電荒川線(東京さくらトラム)の3路線が乗り入れます。東京都交通局の都電停留場ページは、「王子駅前」停留場(SA-16)の近隣情報に王子稲荷神社と装束稲荷を挙げ、乗り換え先として東京メトロ南北線 王子駅(N16)も案内しています。同じ近隣情報には、飛鳥山公園、飛鳥山博物館、紙の博物館、北とぴあ、渋沢史料館、名主の滝公園も並んでおり、大晦日以外の日に王子を歩くときの目印になります。
装束稲荷神社までの徒歩時間は、情報源によって数字が異なります。北区観光公式サイトの「王子狐の行列」のページは、JR王子駅北口・東京メトロ南北線王子駅から徒歩4分としています。一方、GO TOKYOのイベントページは、東京メトロ南北線から徒歩6分、JR京浜東北線から徒歩7分と案内しています。どちらも公式の案内なので、余裕を持って歩くほうが確実です。王子稲荷神社までの徒歩分数は、今回確かめた公式ページには記載がなく未確認です。
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6. 編集部の考え
装束稲荷神社から王子稲荷神社までの徒歩分数が、北区観光公式サイトとGO TOKYOで食い違っています。地元の実行委員会が運営する行事だからか、2026年分(第34回)の日程も、9月の時点ではまだ「令和8年大晦日に開催予定」としか分かりません。出かける予定を立てるなら、12月に入ってから公式サイトのお知らせを確かめるのが確実だと思います。装束稲荷神社が行列の出発地点、王子稲荷神社が参詣先という順路だけは、複数の公式サイトで共通しています。