GREEN×EXPO 2027の会場は、横浜税関が保税展示場として許可した保税地域です。海外から会場に持ち込む展示品は、税関に申告して承認を受ければ、関税や消費税を納めないまま会場で展示できます。
早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度の名前 | 保税展示場(関税法第62条の2) |
| 許可を出した機関 | 横浜税関(本関) |
| 許可期間 | 2026年3月1日〜2028年3月31日 |
| 対象の会場 | 横浜市旭区上川井町・瀬谷区瀬谷町などの博覧会区域 |
| 蔵置できる貨物 | 展示用外国貨物(建築資材・内装資材・展示品・展示用具・放送用機材等) |
| 会期後の扱い | 原則、外国への積戻し(再輸出) |
許可期間・所在地・蔵置貨物は、横浜税関が公開する保税地域一覧表(令和8年4月1日現在)によります。
1. 保税展示場とは、関税を保留したまま展示できる保税地域
外国から届いた貨物は、輸入の許可を受ける前は「外国貨物」と呼ばれ、関税や消費税を納めて輸入の許可を受けるまでは国内で自由に使えません。税関のカスタムズアンサーによると、外国貨物のまま倉庫での保管や展示、加工・製造、運送などを可能にする制度が保税制度で、保税地域制度と保税運送制度の2つに分かれます。
保税地域にはいくつか種類があり、指定保税地域の蔵置期間は1か月、保税蔵置場と保税工場は2年(延長可能)です。これに対して保税展示場は、外国貨物の展示・使用ができる場所で、蔵置できる期間は税関長が個別に指定します。博覧会や見本市のように、期間の決まった催しに合わせて許可される点が、ほかの保税地域と違うところです。
ジェトロの貿易・投資相談Q&Aによると、会場が関税法62条の2の許可を受けていれば、参加者は「展示等申告書」(税関様式C第3340号)を税関長に提出して承認を受け、外国貨物のまま会場に展示品を搬入できます。
2. 横浜税関の許可、公式資料で確認できる範囲
横浜税関が公開している令和8年4月1日現在の保税地域一覧表には、名称「2027年国際園芸博覧会」の保税展示場が載っています。許可期間は2026年3月1日から2028年3月31日まで、所在地は横浜市旭区上川井町地先と瀬谷区瀬谷町・中屋敷三丁目の各地番、蔵置貨物の種類は「展示用外国貨物(放送用機材・機器及び関連用品・装飾資材等)」と「展示用外国貨物(建築資材、内装資材、展示品、展示用具等)」の2区分です。
GREEN×EXPO協会も、2026年6月22日の第16回社員総会資料で「公式参加者の展示物品等の搬入に備え、会場内を保税展示場とする許可を取得しました」と報告しています。許可の申請日や交付式の日付は、この総会資料にも横浜税関の一覧表にも記載がありません。
3. 会場の通関を担う、新設の出張所
横浜税関は、2027年国際園芸博覧会の通関需要に対応するため、令和8年10月1日に「横浜税関国際園芸博覧会出張所」を新設しました。置くのは令和9年12月31日までの予定です。管轄区域は、横浜市旭区・瀬谷区のうち博覧会会場で、開庁時間は平日8時30分から17時15分。設置当初は会場に常駐せず、横浜市中区のよこはま新港合同庁舎にある仮設事務室で執務し、必要に応じて会場に出向く体制を取るとしています。開庁時間外の輸出入申告・積戻し申告・展示等申告は、横浜税関業務部特別通関部門が処理します。
4. 会期後の扱い、原則は積戻し
財務省関税局が2024年11月15日付で出した通達(財関第1091号)によると、展示等の承認を受けた物品は、保税展示場の許可期間が終わるまでに、次のいずれかの措置を取らなければなりません。外国への積戻し(再輸出)、納税を伴う輸入申告、国や地方公共団体への無償譲渡のための輸入申告、保税蔵置場など他の保税地域への転送の4つです。措置を取らないまま許可期間が過ぎると、協会が指定する期間内に協会が措置を取り、それでも済まなければ関税等が徴収されるか税関に収容されるとされています。
5. 会場内の販売は、原則できない
ジェトロのQ&Aによると、保税展示場では原則として展示品を販売できません。販売する必要が生じた場合は、保税運送で別の保税蔵置場などに移し、そこで輸入申告をして関税・消費税を納めてから販売する方法か、会場内では予約だけを受け付けて、会期終了後に輸入申告と納税をしてから引き渡す方法のいずれかを取ります。性質や形状が変わる貨物、消費される貨物については、税関が使用状況の報告を求めることもあります。
6. 生きた植物は別の関門、植物防疫
花博では、海外の庭園出展などで生きた植物を持ち込む例が見込まれます。農林水産省の植物防疫所は、苗・球根・種子などの栽培用植物や切り花を輸入植物検疫の対象とし、植物の種類や部位ごとに輸入の禁止、輸出国での検査、日本での輸入検査などを行います。これは関税とは別の制度で、保税展示場の許可を得ていても、植物検疫の手続きは別に必要です。GREEN×EXPO 2027の会場での運用を個別に説明する公式の記述は、2026年9月時点で見当たりませんでした。
7. 大阪・関西万博も、同じ枠組みだった
この仕組みは今回が初めてではありません。財務省関税局は2022年6月29日付で、大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)についても同じ構成の通達(財関第499号)を出しています。会場を保税地域(保税展示場)とする全体の考え方は、GREEN×EXPO 2027向けの通達と同じ文面で書かれていて、国際博覧会のたびにこの枠組みが使われる運用が続いていることがわかります。大阪・関西万博と横浜花博の制度上の違いは「大阪・関西万博と横浜花博の違い」にまとめています。
編集部の考え
保税展示場という言葉は聞き慣れませんが、税関に届け出れば関税を払わないまま海外の展示品を会場に置ける制度です。横浜税関の一覧表とGREEN×EXPO協会の総会資料で、許可自体はすでに取得済みと確認できました。会期後は積戻しが原則なので、会場で見る海外の展示物の多くは、閉幕後に国へ戻っていくのだと思います。植物検疫のように保税展示場の許可だけでは済まない手続きも残っていて、庭園出展の搬入がどう進むかは、開幕が近づくにつれて発表が増えるはずです。