横浜市に本部を置く国際熱帯木材機関(ITTO・International Tropical Timber Organization)が、2026年3月12日にGREEN×EXPO 2027の公式参加契約を調印しました。契約の相手はGREEN×EXPO協会(正式名称:公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会)で、発表は同月16日です。協会によると、国際機関との公式参加契約はこれが初めてです。政府間組織のITTOは、GREEN×EXPO 2027で熱帯林をテーマにした展示を計画しています。参加国・機関の一覧は特集「参加国ガイド」でまとめています。
基本情報
外務省の基礎データは国を対象にしたもので、ITTOのような国際機関の項目はありません。下の表は、主にITTO公式サイトで確認できた内容です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 国際熱帯木材機関(ITTO・International Tropical Timber Organization) |
| 設立 | 1986年。2026年で40周年(協会リリースによる) |
| 現行の協定 | 2006年国際熱帯木材協定(ITTO公式サイト確認。以前の協定として1994年国際熱帯木材協定へのリンクもあり) |
| 本部 | パシフィコ横浜内の国際機関センター5階(横浜市西区みなとみらい1-1-1、220-0012)。同センターが開設した1991年から入居 |
| 加盟国・地域 | 木材を生産する37か国と、消費側の15会員(欧州連合が27か国を代表するかたちを含む) |
| 役割 | 熱帯林の持続可能な経営・利用と、合法的で持続可能に管理された熱帯木材の貿易拡大・多角化の促進 |
ITTO公式サイトは、これらの加盟国・地域で世界の熱帯木材貿易の約9割、熱帯林の8割超を占めるとしています。設立年はITTO公式サイトでは明記が見当たらず、協会のプレスリリースの記載によります。本部住所・入居時期・加盟国数・役割はITTO公式サイトで確認できた内容です。
展示の公式情報
調印式は2026年3月12日(木)14時、ITTO世界本部(横浜市西区)で開かれました。調印したのは、ITTO陳列区域政府委員のシャーム・サックル氏(ITTO事務局長)、GREEN×EXPO協会事務総長の河村正人氏、2027年国際園芸博覧会政府委員の越川和彦氏の3者です。
協会によると、ITTOがGREEN×EXPO 2027で計画している活動は次の4つです。
- 展示: 「熱帯林と人類の共存」をテーマにした、緑豊かな熱帯環境を模した展示
- 国際会議: 熱帯林を取り巻く環境・社会課題について、若者も交えて知見や視点を共有する場
- ワークショップ: 熱帯林への理解を深めるための企画
- Nature-Based Solutions(NbS)に対する熱帯林の貢献を伝える取り組み
具体的な展示物や会場内の位置、開催期間中のスケジュールは、2026年9月時点で未発表です。
熱帯木材と横浜
ITTOはパシフィコ横浜内の国際機関センター5階に本部を置いています。同センターが開設した1991年から、横浜を拠点にしてきました(ITTO公式サイトによる)。
横浜市とは長年の関わりがあります。ITTO公式サイトによると、横浜市は2018年、責任ある方法で調達された熱帯広葉樹材のデッキをITTOに寄贈しました。このデッキは2023年と2024年の「みなとみらいスマートフェスティバル」の花火観賞会でも使われました。2024年の観賞会には、日本政府や横浜市の職員、在日外国公館、企業・NGO関係者など80人以上がITTO本部に招かれています。
ITTOは2023年以降、横浜サイエンスフロンティア高校などの学校や横浜市の職員に向けて、年に複数回講演しています。テーマは熱帯林の重要性、持続可能な森林管理、森林の生物多様性と都市生活などです。同校では2025年3月に54人、2026年3月には2回の講演で計49人の生徒が参加しました。
2026年4月9日には、地元の女性グループを含む横浜市民12人がITTO本部を訪れ、トーゴやマレーシアでの森林管理プロジェクトについて職員から説明を受けました。この場では、GREEN×EXPO 2027への参加や、地元学校への環境教育支援、横浜市の政策立案者との協働も紹介されています。
ITTO公式サイトによると、協会との調印より前の2025年7月3日に、2027年国際園芸博覧会コミッショナー(GREEN×EXPO 2027大使)の越川和彦氏らがITTO本部を訪れました。その場で参加への意欲を確認しています。
編集部の考え
横浜に本部を置く唯一の国際機関という点で、ITTOは会場でも珍しい出展者になりそうです。ほかの参加国が自国の文化や産業を紹介するのに対し、ITTOが扱うのは、熱帯林の持続可能な利用という一つの国に限らないテーマです。そのぶん、教育色の強い展示になるのではないかと見ています。今回の参加は横浜との長年の関わりに続くもので、初めて出展する国や機関とは事情が違います。具体的な展示内容はまだ発表されていませんが、会期や会場への行き方、チケットは横浜花博 2027 のページで確認できます。
