GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)の会場には、2026年9月時点の発表を数えると21のパビリオン・出店施設が並びます。企業・団体が展示と体験を組み合わせた館を出すVillage出展が12館、庭園や広場と一体で営業するテーマ営業出店が4です。残りは、GREEN×EXPO協会(公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会)と日本政府の施設が3、横浜市と神奈川県の館が2です。会期中に発表が増える見込みなので、続報は随時追記します。
Village出展(12館)
会場内の5つのVillage(Urban GX Village、Craft Village、Farm & Food Village、Kids Village、SATOYAMA Village)に、企業・団体が館を出します。協会はこの出展を「展示と体験を融合した共創事業」と説明しています。
| 館名 | 出展者 | 一言 | 公式サイト |
|---|---|---|---|
| とうきゅうグループ館 | 東急グループ | 種から育む未来のライフスタイル | 特設サイト |
| KT GROUP Mobi+ | KTグループ | くるまがエネルギーを運ぶ館 | 発表資料 |
| NTT EAST館 | NTT東日本 | Well-beingな社会を体験型で | 特設サイト |
| 大林組 モリソラミライ | 大林組 | 地球・社会・人が調和する世界観 | 特設サイト |
| 三菱みんなの未来館 | 三菱グループ | 自然・人・社会の共生を再確認 | 特設サイト |
| KAJIMA TREE | 鹿島建設 | 大阪・関西万博の木材を再生 | 特設サイト |
| 大和ハウスグループ エンドレスハートパーク | 大和ハウスグループ | 風・太陽・水と緑の未来の景色 | 特設サイト |
| やさしくなりたい。STUDIO | 東邦レオ | 「ノモの国」をリユースした館 | 特設サイト |
| 竹中グループ くるくるく | 竹中グループ | 素材で見せるいのちとかたちの循環 | 特設サイト |
| 住友林業館「ひゃくの森」 | 住友林業 | 100の視点で森を見つめる | 特設サイト |
| SOTETSU PARK(そうてつぱーく) | 相鉄グループ | 新型車両13000系が主役 | 特設サイト |
| シミズ 森のまち | 清水建設 | 見て触れてつくる子ども主役の場 | 特設サイト |
とうきゅうグループ館の出展テーマは「GREEN LIFESTYLE 2050」、副題は「種から育み、つながる未来」です。自然と都市が一体になった暮らしを提案する館で、建物は上空から見ると植物の種が寄り添う形にデザインされました。東急グループは2026年3月19日にこの出展概要と特設サイトを公開しています。
KT GROUP Mobi+のテーマはモビリティとエネルギー。走る「くるま」がそのままエネルギーの運び手になり、必要な場所へ届けるという発想の館です。協会サイトの紹介以外に詳しい発表は確認できていません。
NTT EAST館のコンセプトは「Well(ウエル)」で、Well-being・Welcome・未来の種を植える、の3つの意味を込めています。NTT東日本は2026年4月8日に起工式を開き、5月着工・12月竣工予定と発表しました。次世代インフラ「IOWN」など最新技術を使った体験を計画しています。
大林組 モリソラミライは、大林グループの長期ビジョン「Obayashi Sustainability Vision 2050」をもとに、地球・社会・人が調和した世界を見せる館です。大林組は2025年3月19日、開幕2年前という早い段階でVillage出展の内定を公表しました。
三菱みんなの未来館が掲げるテーマは「自然と人、社会との共生」です。展示のねらいは、楽しみながら体験するうちにその大切さを思い出し、行動に移すきっかけを持ち帰ってもらうことです。2026年9月時点では協会サイトに紹介文があるだけで、詳しい内容は発表されていません。
KAJIMA TREEは、大阪・関西万博の大屋根リングで使われた木材を再生して使う館です。木材の譲渡先である鹿島建設が引き取り、先端技術で手を加えて、GREEN×EXPOのシンボルにします。
大和ハウスグループ エンドレスハートパークのコンセプトは「風・太陽・水、緑がつくる Future Living」です。創業者が唱えた「21世紀は風・太陽・水の時代」という言葉を受け継ぎ、風・太陽・水と緑が幾重にも重なり合う未来の景色を描きます。協会サイトの紹介では、この重なりを「万華鏡のような」と表しています。敷地面積は約1,237平方メートルで、設計・施工はフジタと大和リースです。名称とコンセプトは2026年3月19日に決定しました。
やさしくなりたい。STUDIOは、大阪・関西万博のパナソニックグループパビリオン「ノモの国」の部材をリユースした館です。使うのは、建築家・永山祐子氏デザインのファサード(鉄フレーム約736個)や、照明・スピーカーなどです。テーマは「8歳の大人」です。2026年5月には東邦レオが日本GXグループ・細目大学横断研究室と組み、地域の自然資本を政策や事業につなげる「地域共創プログラム」も始めました。
竹中グループ くるくるくのテーマは「めぐるいのち・めぐるかたち」で、素材を手がかりに、資源が循環し続ける再生型の未来を示します。掲げる言葉は「リジェネラティブでウェルビーイングな未来へ」です。具体的な展示の中身は、協会サイトの紹介を除いてまだ発表されていません。
住友林業館「ひゃくの森」のコンセプトは「100EYES, 100FORESTS.」です。1691年の創業から森や木とかかわってきた住友林業が、その経験をもとにした体験を用意します。Craft Village出展で、案内・接客を担うアテンダントを34名程度、2026年5月11日から募集しました。2026年9月15日には順路が公開され、入口のトンネル、シアター、ミュージアム、2階デッキの順に巡ります(順路のニュース)。
SOTETSU PARK(そうてつぱーく)はKids Villageの出展施設で、コンセプトは「ともだちとすみか」です。会場のシンボルとなる新型車両13000系(13100号車)は、2026年7月30日に搬入されました。高さ約8メートル・直径約30メートルのリング状屋根や、身近な生きものの「すみか」を体験できる遊具も備えます。
シミズ 森のまちは、見る・触れる・つくるの3つの行動で地球環境について学ぶ体験施設で、主役は子どもたちと位置づけられています。詳しい内容は未発表で、分かっているのは協会サイトに書かれていることだけです。
テーマ営業出店(4)
屋外空間(庭園、広場等)と営業施設を一体で整備し、飲食・物販の店を開く出店です。協会はこれを「博覧会のコンセプトを発信する独自の営業」と説明しています。
| 館名 | 出展者 | 一言 | 公式サイト |
|---|---|---|---|
| 「いただきます」を生むチカラ | JAグループ | 国産農産物と日本の食を伝える | 特設サイト |
| HONEY HARMONY GARDEN | 丸兆 | ミツバチと自然・食の未来 | 未公表 |
| ORAGA VILLAGE 未来のふるさと | 明治グループ | 明治グループの原点・里山 | 未公表 |
| ヤマザキ「明日の明るい食卓」館 | ヤマザキパングループ | 今日と明日の食卓への安心 | 未公表 |
「いただきます」を生むチカラは、国内産の農産物から日本の農業と食文化を知ってもらう出店です。HONEY HARMONY GARDENが目を向けるのは、ミツバチをはじめとする小さな生きもの同士のつながりです。そこから、自然と食の未来を来場者と一緒に考えます。ORAGA VILLAGE 未来のふるさとは、自然の恵みの上に成り立つ明治グループの事業の原点として、里山の風景を見せます。ヤマザキ「明日の明るい食卓」館は、日々の食卓の安心感と、この先の食卓への期待の両方を、展示と体験で表します。この4館とも、メニューや価格を含む詳しい内容は2026年9月時点で未発表です。
協会と政府の施設(3)
GREEN×EXPO協会と日本政府が整備する展示施設です。テーマ館と園芸文化館は2026年6月に愛称を公募し、2026年9月15日にテーマ館「ねっこ」、園芸文化館「いろはにわ」と決まりました(屋内出展施設は「はなめぐり」)。愛称は会場マップと案内サインに使われます。
| 館名 | 出展者 | 一言 | 公式サイト |
|---|---|---|---|
| テーマ館「ねっこ」 | GREEN×EXPO協会 | 全ての生命はつながっている | 公式サイト |
| 園芸文化館「いろはにわ」 | GREEN×EXPO協会 | 日本独自の園芸文化を伝える | 公式サイト |
| 日本政府苑 | 日本政府(国土交通省・農林水産省) | 伝統の庭園技術と新しい農業 | 公式サイト |
テーマ館が掲げるメッセージは「全ての生命は、つながっている。」です。地球上の生物量の8割以上を植物が占めるという研究結果を出発点に、最新の科学をアートとエンターテインメントの形にして展示します。狙いは、自然に基づく解決策(NbS)に沿った行動の変化を促し、ネイチャーポジティブとサーキュラーエコノミーに向けて何をすればよいかを示すことです。2026年9月15日の発表で、展示は6つのゾーン(森のプロローグ、地下の森、環世界の森、気づきの森、つながりの森、森のエピローグ)と示されました。地下の森には陸前高田市の「奇跡の一本松」の実物の根を展示し、気づきの森と屋外の「未来に残したい植物園」は日本生命の協賛です(愛称決定のニュース)。
園芸文化館が扱うのは、江戸時代に培われた日本独自の園芸の美意識と技術で、展示は実物と体験を中心に組み立てます。自然と共生する暮らしや地域とのつながり、心の豊かさという視点を、次の世代に手渡すための館です。展示は「知る」「感じる」「未来につなぐ」の3つで、「感じる」では江戸の植木屋・花屋敷を再現し、季節に応じて37品目の伝統園芸植物を入れ替えます。
日本政府苑を整備するのは国土交通省と農林水産省で、コンセプトは「日本の自然観を再考し、未来へ進む」です。日本庭園に伝わる伝統技術や自然観を土台に、最新の農業技術やグリーンインフラを屋外と屋内の両方で展示します。
この3施設とは別に、大成建設グループ(ダイヤモンドパートナー)が協賛する展望施設「TAISEI GREEN TERRACE」が会場の中心、主催事場の近くに建ちます。スロープ約90m・展望の高さ約4.5m・延べ床約800㎡の木製テラスで、上部の花壇と床面の写真のデザインは公式クリエイターの蜷川実花さん(蜷川実花 with EiM)が手がけます(蜷川実花の企画のニュース)。
横浜市・神奈川県の館(2)
会場のある横浜市と神奈川県が、それぞれ独自の館を出展します。
横浜市発信拠点は、Urban GX Village内に建物2棟で整備される市の出展施設です。展示はプロローグ、行動変容の体験、先端技術の体験、交流の体験、エピローグで構成され、横浜らしい循環型の未来のまち・暮らしを伝えます。市は2025年10月21日から協賛企業・団体を募集しました。良品計画は、横浜市内で回収した衣料由来の再生ポリエステルでスタッフユニフォームを製作しました(2026年8月24日発表)。奈良建設とアグリ王は、閉鎖型アクアポニックスシステムの展示物を貸与する協賛契約を結びました(同8月25日)。相鉄グループは、バイオディーゼル燃料や食品残渣の堆肥化といった循環型社会の取り組みを、ジオラマやカプセルトイ型ディスプレイで展示します(同9月3日発表)。
Vibrant INOCHI Forest かながわ館は、屋内展示施設と庭園からなる神奈川県の館です。テーマは「一人ひとりの“いのちが輝く”」。マスコットは葉っぱのキャラクター「VIBRANTs(バイブランツ)」と、子どものニホンモモンガ「モモーン」です。常設展示にはシロナガスクジラの赤ちゃんの頭骨標本やデジタル地球儀があり、庭園には大阪・関西万博の大屋根リングの木材を再利用した花壇を設けます。これらは2026年9月8日の開催半年前発表会で初めて公開されました。
パンフレット第2版の会場図に載るそのほかの施設
協会が2026年9月15日に出した公式パンフレット第2版の会場図には、上の21施設のほかに次の名前が載っています。屋内出展施設「はなめぐり」(協会が運営し、花・緑出展者と公式参加者が屋内で展示する建物)、落合陽一プロデュースの作品「null⁴(テトラヌル)」、UR都市機構の出展、そして協賛の施設6つです。協賛の施設は TAISEI GREEN TERRACE(大成建設グループ)、明治安田「健活パーク」、横浜銀行 GREEN WALL、日本生命「未来に残したい植物園」、サントリー 水素調理レストラン、マクニカ グリーンテック メッセ。パンフレットにあるのは名前と完成イメージだけで、中身の説明はありません。当サイトが中身を確かめられているのは TAISEI GREEN TERRACE(蜷川実花の企画のニュース)と日本生命の植物園(愛称決定のニュース)です。会場図には、今後変わることがあるとの注記が付いています。
編集部の考え
出展者の顔ぶれを見ると、まちづくり・建設・鉄道の各社が「未来の暮らし」を提示する館が多く、飲食・物販のテーマ営業出店とは狙いがはっきり分かれています。もう一つ目に付くのは、大阪・関西万博からの引き継ぎの多さです。東邦レオの「やさしくなりたい。STUDIO」とKAJIMA TREEだけでなく、TSP太陽が手掛けるメインゲートとレストランも、アイルランドパビリオンとORA外食パビリオン「宴〜UTAGE〜」の建築資材をリユースしています。一つの館だけを見ていると気づきにくいのですが、リユースが会場全体に及んでいることは覚えておくとよいと思います。館ごとの詳しい展示内容や開業時期は、まだ多くが未発表です。
各パビリオンの続報は、特集ページ「出展パビリオン」でまとめて追っています。
