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象の鼻パークで開港の波止場の跡を見て、大さん橋の屋上へ歩く

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象の鼻防波堤の石積みの先端の向こうに、曲面の屋根をもつ大さん橋国際客船ターミナルと横浜ベイブリッジが見える
象の鼻パークから見た大さん橋(2015年3月撮影) 写真: Saygo2015(CC BY-SA 4.0、Wikimedia Commons)

日本大通りを海まで歩いた先が、象の鼻パークです。この一帯は、横浜の港が始まった場所です。公園の右手には大さん橋国際客船ターミナルが海へ突き出していて、公園の防波堤はそのつけねから左へ曲線を描いて延びています。

山下公園や日本大通りを歩く途中で、象の鼻と大さん橋に寄るかどうかを決めるための記事です。開園の年、桟橋の始まり、屋上に上がれる時間、客船の着く日の見方、駅の出口を、2026年10月2日に横浜市港湾局と大さん橋の公式サイトで確かめました。クルーズの予約や運航の話はありません。

象の鼻という名前

赤レンガパークと山下公園を結ぶ山下臨港線プロムナードから海を見たときに、ターミナルのつけねから左手へ延びる防波堤を上から見ると象の鼻に似ているため、通称を象の鼻と呼んでいます。名前の由来はこの形だけで、誰がいつ名付けたかは市の頁に書かれていません。

波止場そのものは開港と同い年です。安政5年(1858年)に米・蘭・露・英・仏と修好通商条約が結ばれ、翌1859年に横浜港が開港すると、港には東波止場(イギリス波止場)と西波止場(税関波止場)の二つが造られました。海に向かって右側が東波止場で先端に常夜灯があり、左側の西波止場の根元には運上所(税関の前身)が置かれました。沖に停めた本船と波止場の間を、艀で人と荷物が往復していた時代です。その東波止場が時代とともに少しずつ形を変えて象の鼻の原型になり、関東大震災のあとはもとの位置を継ぎながら、やや直線的な形に復旧されました。いまの象の鼻は、この震災後の形が元になっています。

公園に掘り出された明治の跡

象の鼻パークが開いたのは、開港150周年の2009年6月2日、開港記念日です。再整備の考え方には「横浜の歴史と未来を結ぶ象徴的空間として、この場には幾層もの時間が重なっています」とあります。重なった時間を見られるようにしたのが、この公園の作りです。防波堤は明治20年代後半の姿に復元され、復元にあたっては、関東大震災で沈んだ石積みの形も見えるようにしました。

工事中には明治期の港の遺構が3つ見つかり、保存して解説板を添えています。ひとつは、明治20年代末に整備された岸壁から横浜税関の輸入上屋へ荷を運んだ、貨物線の鉄軌道と転車台です。もうひとつは、同じころに建った横浜税関の煉瓦造2階建て倉庫の基礎。3つ目が、開港初期の石積み護岸のうち、震災で沈下した部分です。公園は、日本大通りから港への見通しを開けた広場の開港波止場、海を見渡す緑地の開港の丘、そして防波堤と、それに囲まれた水域で成り立っています。

開港の丘に、半分地面に埋もれたように建つのが象の鼻テラスです。横浜市の委託でスパイラル/株式会社ワコールアートセンターが運営する無料の休憩所で、アートスペースとカフェがあり、開館は10時から18時、年中無休です。公園とテラスを設計したのは建築家の小泉雅生で、公園は「みなと横浜の原点を可視化する」をコンセプトに整備されました。テラスの建物は、横浜三塔などへの眺めを遮らないように設計されました。

大さん橋は1894年の鉄桟橋から

1892年にイギリス波止場の延長線上で鉄桟橋の架設工事が始まり、1894年に長さ約457mの鉄桟橋が竣工しました。横浜港で最初の築港工事で、できた桟橋はメリケン波止場と呼ばれました。翌1895年にイギリス船のグレナグルが第一船として入港しています。この鉄桟橋と新港ふ頭ができたことで港の主役が波止場から桟橋、ふ頭へ移り、象の鼻の水域は物揚場と船だまりになりました。

桟橋はその後、1923年の関東大震災で桟橋部が陥没し上屋が焼け、1925年に復旧しました。1964年に東京オリンピックに合わせて国際客船ターミナルが完成し、1989年には老朽化で再整備事業が始まりました。1995年の国際デザインコンペには660作品が集まり、2002年にいまの横浜港大さん橋国際客船ターミナルが完成しています。公式サイトはこれを、6度の増改築を経た7代目と数えています。

いまの建物は、幅100m、長さ480mです。設計で決めたことのひとつが高さで、客船からの眺めを遮らないように建物を船より低くし、船が入港するときに最初に見えるのが屋上に集まる横浜の人々になるようにしました。これは「客船と市民の出会いの場」としての工夫です。

屋上のくじらのせなか

大さん橋の屋上は、誰でも自由に歩ける24時間オープンの広場で、入場は無料です。2026年10月2日の公式サイトでそう案内しています。愛称のくじらのせなかは2006年12月4日に付いたもので、一般公募に3,995件の応募があり、最多の26件が集まった名前が選ばれました。天然芝のエリアは立ち入る設計になっていないため立入禁止です。人工芝のくじらのひだまりには入れます。屋上は高い所でも地上15mに抑えてあり、周りの地区から客船の姿が見えるようにしています。

屋上には神奈川県庁・横浜税関・横浜市開港記念会館の横浜三塔を一度に望める場所があります。大さん橋のサイトは屋上広場の頁で、横浜市公園条例の改正により令和7年4月から市内の公園が禁煙になったと知らせています。建物の中は、2階ロビーが9時から21時30分、インフォメーションは9時から17時30分で、ショップとレストランの時間は店ごとに違います。

客船が着く日の見方

大さん橋に客船が来る日は、横浜市港湾局の横浜港客船入港予定の頁で分かります。横浜港の客船ターミナルは大さん橋・新港ふ頭・大黒ふ頭の3つで、入港予定の表には着岸場所が書いてあるので、大さん橋の行だけを見ます。表は向こう3か月分を足す形で年4回更新され、随時の変更も載ります。2026年10月2日の更新では、10月7日にノルウェージャン・ジェイドが初入港し、10月16日から17日にセレブリティ・ミレニアムが泊まり、飛鳥Ⅲとダイヤモンド・プリンセスが月に何度か着岸します。次の定期更新は2026年12月上旬ごろの予定で、2027年1月から3月分が足されます。

大黒ふ頭は横浜ベイブリッジを通れない超大型客船を受け入れるターミナルで、乗船者以外は中に入れず、見学スペースもありません。大さん橋に着く船の当日の状況は、大さん橋国際客船ターミナル(045-211-2304)で聞けます。なお、大さん橋からその日に乗れる港内の周遊観光船は運航していません。客船のお見送りイベントは毎月日時が違うので、大さん橋のサイトのお知らせで確かめます。

日本大通り駅から歩く順

最寄りはみなとみらい線の日本大通り駅です。象の鼻テラスへは出口1から徒歩約3分、出口2からは約5分で、大さん橋へは出口3か出口4から徒歩7分です。JRと市営地下鉄の関内駅からは、どちらも徒歩15分です。横浜駅や桜木町駅からは市営バスの26系統で大さん橋入口まで行き、そこから徒歩3分で、周遊バスのあかいくつは大さん橋客船ターミナルの停留所に止まります。

歩く順は、日本大通りから象の鼻パークに入り、復元した防波堤と遺構の解説板を見てから、防波堤のつけね側にある大さん橋へ進み、スロープで屋上に上がる形です。大さん橋から山下公園までは約600mで徒歩約7分、赤レンガ倉庫までは約800mで徒歩約10分と、大さん橋の公式サイトが案内しています。山下公園と関東大震災のつながりは、関東大震災の跡を歩く記事に書きました。

雨の日と夜は、大さん橋の屋上が24時間開いているので、夜景を見るだけなら時間を気にしなくてよいです。建物の中に入るなら2階ロビーの21時30分まで、象の鼻テラスは18時までです。象の鼻パークそのものに閉園時間があるかどうかは、市の頁に記載がなく未確認です。車なら大さん橋の駐車場が1時間まで500円、以降30分ごとに250円で、24時間までの上限は平日1,500円、土日祝2,000円です。

編集部の考え

象の鼻パークと大さん橋を取り上げたのは、横浜市が開港の波止場の跡を掘り出して公園にし、その隣の桟橋がいまも客船を迎えているからです。市は2009年に防波堤を明治20年代後半の形に復元し、震災で沈んだ石積みが見えるようにして、工事で見つかった鉄軌道と転車台、税関倉庫の基礎を保存して解説板を置きました。隣の大さん橋には1894年の鉄桟橋から数えて7代目の建物が立っています。

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