- 2026年10月19日(月)の7時55分ごろ、日比谷線の虎ノ門ヒルズ駅で、列車が決められた停止位置を約300m過ぎて止まった。日比谷線は全線で運転を見合わせた。
- 8時15分ごろに北千住〜霞ケ関の間で折り返し運転を始め、全線で動き出したのは8時43分ごろ。
- 東京メトロは原因を2つ挙げた。この列車を整備したときに自動運転装置の設定を誤っていたことと、乗務員が非常ブレーキをかけるのが遅れたこと。どの設定がどう違っていたのかは、発表に書かれていない。
- ほかの列車の安全には問題がないことを確かめた、外部からの不正アクセスによるものではない、とも説明している。再発防止策の中身はまだ出ていない。
- 東京メトロが4月28日に出した2026年度の設備投資計画では、日比谷線に無線で列車を制御する仕組み(CBTC)を2026年度に入れ、2031年度までにワンマン運転にすることを目指している。ワンマン運転は、自動運転装置が列車を走らせ、運転士1人が発車の操作と非常停止、避難誘導を受け持つ形。
編集部の考え
お詫び文で目を引くのは、原因が機械の側と人の側に1つずつ置かれていることです。設定の誤りは整備の段階で、ブレーキの遅れは走っている段階で起きています。どちらか一方を防げていれば、列車は300mも行き過ぎずに止まれたと思います。
4月の計画と並べると、この2つの重さが変わって見えます。東京メトロはすでに丸ノ内線・有楽町線・南北線・副都心線の全線でワンマン運転をしていて、日比谷線も2031年度までに同じ形にする計画です。丸ノ内線では、その先の「係員付き自動運転」の夜間の試験も進めていて、2027年度の下期に一部で始めることを目指しています。この形では、乗る係員の役目は非常停止と避難誘導です。計画が進むほど、乗っている人の仕事は、機械が誤ったときに列車を止めることに寄っていきます。今回遅れたのは、その操作でした。
まだ分からないことも多くあります。誤った設定がいつから続いていたのか、乗務員はどこで異常に気づいたのか、計画の日程に影響するのか、どれも発表にはありません。東京メトロは再発防止に努めるとだけ書いていて、中身はこれからです。整備のあとの設定の確かめ方と、乗務員が異常に早く気づくための手がかりの、両方が示されるかを見たいと思います。
行く人へのヒント
- 19日の朝は、霞ケ関〜中目黒の間が8時43分ごろまで止まり、北千住側だけが折り返しで動きました。日比谷線の南側の駅を使う日は、ほかの路線への乗り換えを1つ調べておくと、止まったときに慌てずに済みます。
- 東京メトロのお知らせは、今回のお詫び文と同じく公式サイトに出ます。再発防止策や原因の続報もそこで確かめられます。
- 東京メトロの「東京メトロmy!アプリ」は、全路線の混雑状況を配信しています。運転再開の直後の車内の混み具合を見るのに使えます。
- 運転台の操作を体験したいなら、本物と同じ運転台のシミュレーターがある地下鉄博物館の記事へ。
編集部のひとこと
東京メトロは日比谷線を2031年度までにワンマン運転にする計画で、そこで乗務員に残る役目のひとつが非常停止です。今回遅れたのは、その非常ブレーキでした。再発防止策で、整備のあとの設定をだれがどう確かめるのかが示されるかを見たいと思います。