特急「やくも」は、岡山駅と出雲市駅を伯備線・山陰本線経由で結ぶJR西日本の列車です。2024年4月6日から新型の273系が走り始め、同年6月15日には旧型の381系が定期運行を終えました。JR西日本の時刻表(2026年3月14日改正)によると、1日の運行本数は上下とも15本、全車指定席で自由席はありません。座席はグリーン車指定席・普通車指定席・グループ向けの「セミコンパートメント」の3種類です。運賃・特急料金は距離で決まり、区間ごとの正確な合計はe5489などで確かめる形になります。
岡山〜出雲市を1日15往復、全車指定席
やくもは岡山駅・倉敷駅・総社駅・備中高梁駅・新見駅・生山駅・根雨駅・伯耆大山駅・米子駅・安来駅・松江駅・玉造温泉駅・宍道駅・出雲市駅を結びます。列車によって停まる駅が違い、たとえば2026年3月14日改正のダイヤで最も早いやくも3号は、岡山8時13分発・出雲市11時12分着(2時間59分)です。一方、朝いちばんのやくも1号は岡山7時05分発・出雲市10時18分着(3時間13分)で、こちらは新見・生山に停まる分、所要時間が長くなっています。所要時間は列車ごとに異なるので、乗る列車の時刻表で確かめてください。
座席は、JRおでかけネットの車両案内に載っている号車ごとの座席表によると、どの号車も指定席で、自由席の表示はありません。基本の編成は4両で、号車ごとの座席数は次のとおりです。
| 号車 | 座席 |
|---|---|
| 1号車 | グリーン車指定席17席/普通車指定席12席(セミコンパートメントを含む) |
| 2号車 | 普通車指定席58席 |
| 3号車 | 普通車指定席32席/車椅子スペース2か所/車椅子対応座席1か所 |
| 4号車 | 普通車指定席50席 |
JR西日本は2022年10月20日の発表で、273系の投入車両数を44両(4両×11編成)と示していました。
やくもは2024年4月6日の運行開始後、2025年5月に「ブルーリボン賞」、2024年10月に「2024年度グッドデザイン賞」、2024年9月に「日本鉄道大賞」を受賞したことが、JR西日本の公式サイトで紹介されています。
運賃と特急料金は距離で決まる
やくもに乗るには、運賃と特急料金の両方が必要です。JR西日本の資料によると、やくもの指定席特急料金は「サンダーバード」などと同じ「A特急料金」の区分にあたります。2022年9月2日発表・2023年4月1日実施の見直し後、指定席特急料金(通常期)は次のとおりです。
| 距離 | 指定席特急料金(通常期) |
|---|---|
| 50kmまで | 1,290円 |
| 100kmまで | 1,730円 |
| 150kmまで | 2,390円 |
| 200kmまで | 2,730円 |
| 300kmまで | 2,950円 |
| 400kmまで | 3,170円 |
| 401km以上 | 3,490円 |
閑散期・繁忙期には金額が変わります。グリーン車を利用する場合は、この指定席特急料金から530円を引いた額に、距離に応じたグリーン料金が加わる仕組みです。当サイトは、岡山〜松江・岡山〜出雲市それぞれの運賃と特急料金の具体的な合計額を、公式の早見表で確かめることができませんでした。実際の金額は、e5489や駅のみどりの窓口で乗車区間ときっぷの種類を指定して確かめてください。
グリーン車・セミコンパートメント・普通車の座席
座席は3種類です。1号車の一部がグリーン車指定席、残りの号車が普通車指定席で、1号車にはセミコンパートメントも設けられています。JR西日本によると、セミコンパートメントは緩やかな仕切りで区切られたグループ向けの座席で、2人用と4人用があります。4人用は3人以上、2人用は2人で利用する場合に発売され、人数が足りないときはほかの座席への変更が必要です。
個室のような造りですが、料金は普通車指定席と同額で、追加料金はかかりません。ただし買い方には条件があり、JR西日本の発表では、セミコンパートメントのきっぷは主な駅のみどりの窓口、みどりの券売機プラス(オペレーター対応)、e5489から購入できます。みどりの券売機や、オペレーター対応でないみどりの券売機プラスでは購入できません。


乗ったやくもを手元に残すなら、楽天市場の273系やくもの鉄道模型の一覧PRとAmazonの検索結果PRで製品の顔ぶれと値段の幅を見ておけます。
自動販売機と車内販売はない
JRおでかけネットの車両案内ページには、設備の一覧がアイコン付きで示されています。グリーン車・車椅子スペース・車椅子対応座席・多目的室・洗面所・コンセント(全席設置)・おむつ交換台・トイレ(女性専用・男性専用・多目的)・荷物置き場・Wi-Fiは、いずれも「設備あり」の表示です。
一方、自動販売機と車内販売、女性専用席の3つは「設備なし」の表示になっています。273系の紹介ページでは車内Wi-Fiと全席のコンセントが案内されていますが、飲食物を車内で買う手段は用意されていません。乗る前に駅で買っておく必要があります。
2024年4月6日から順次投入、6月15日に381系が引退
273系は2024年4月6日に運行を始めましたが、最初から全列車が置き換わったわけではありません。JR西日本が2024年2月16日に発表した計画では、4月6日〜25日は15往復中6往復、4月26日〜5月6日は8往復、5月7日〜6月14日は10往復と段階的に増え、6月15日から全15往復が273系になりました(同日のやくも1号だけは381系での運行でした)。
旧型の381系は、1982年から続いた振り子式の特急車両です。JR西日本は2024年5月13日の発表で、381系の各塗装の最終運行日を、緑やくも色が6月14日のやくも19号(岡山16時13分発)、国鉄色が同日のやくも25号(岡山19時13分発)、ゆったりやくも色が6月15日のやくも1号(岡山7時05分発)としました。

273系は、JR西日本・鉄道総合技術研究所・川崎車両が共同開発した「車上型の制御付自然振り子方式」を採用しています。JR西日本の説明によると、この方式は乗り物酔い評価指数を最大23%改善するとしています。
新横浜から岡山を経て、出雲大社・松江へ
新横浜駅は東海道新幹線の停車駅なので、のぞみ・ひかりで岡山駅へ向かい、岡山駅でやくもに乗り換えます。乗り継ぎにかかる時間は乗る列車の組み合わせで変わるため、公式の時刻表で確かめてください。
出雲大社へは、やくもの終点・出雲市駅から一畑電車を使います。一畑電車株式会社の公式サイトによると、電鉄出雲市駅から大社線に乗り、途中の川跡駅で北松江線と分岐して出雲大社前駅まで結んでいます。松江の中心部へは、同じ一畑電車の北松江線で、電鉄出雲市駅・川跡駅方面から松江しんじ湖温泉駅まで行くことができます。運賃・所要時間は一畑電車の公式案内で確かめてください。
出雲市に着いた日に泊まって翌朝に出雲大社へ向かうなら、宿は楽天トラベルの出雲市駅周辺のホテル・旅館の一覧PRで探せます。松江の街歩きも合わせるなら、松江駅周辺のホテル・旅館の一覧PRのほうが動きやすくなります。
編集部の考え
自動販売機がないと分かっていれば、出雲市駅か岡山駅で飲み物を買っておくだけで済みます。逆に知らずに乗ると、2時間59分から3時間13分ほどの乗車中、車内で買い物をするあてが外れます。
セミコンパートメントは追加料金がかからないので、家族連れには使いやすいと思います。ただし買える窓口が限られているので、みどりの券売機だけで済ませようとすると、そこで初めて買えないと分かることになります。先に確かめてから駅に向かうほうが早いはずです。