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会津のこづゆ:北前船の海産物を手塩皿で食べる、100年フードの由来と七日町の店

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朱塗りの浅い椀に盛られたこづゆ。にんじん、きくらげ、しいたけ、糸こんにゃく、わらびなどが透きとおった汁に入り、木のテーブルに置かれている
朱塗りの椀に盛ったこづゆ(福島県大内宿で撮影された写真) 写真: Opqr(CC BY-SA 3.0、Wikimedia Commons)

こづゆは、貝柱のだしで煮た汁に、里芋、きくらげ、糸こんにゃく、干し椎茸、にんじん、わらび、白玉麩を入れた会津の汁ものです。盛るのは会津塗の朱塗りの浅い椀で、冠婚葬祭や正月の膳に出されます。農林水産省の「うちの郷土料理」には、具は7種か9種の奇数にすると縁起が良いとされ、酒の肴だったので何杯でもおかわりしてよいものだった、とあります。

文化庁が、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を認定する「100年フード」の令和3年度の認定で、こづゆは伝統の100年フード部門に入りました。申請したのは一般財団法人会津若松観光ビューローです。福島県の文化振興課のページによると、県内で認定された食は令和8年2月28日現在で20食品あり、全国で最も多い県です。

北前船の海産物と会津の地場産品

認定の文は観光ビューローが書いたもので、こづゆを「北前船がもたらした海産物と会津古来の地場産品の組合せによりできあがった料理です」と説明します。主に江戸期のことで、当時は貴重だった海産物を保存加工し、会津の先人が土地の料理として作り上げた、と続きます。ルーツは、江戸後期の会津藩八代藩主松平容敬公が参勤交代の折に食べた『重』という料理とされます。認定の文もここは伝聞の形です。

元は冬のお祝い膳に出されていたものが、今は冠婚葬祭や正月など特別な日のもてなしの料理になりました。農林水産省のページでは、名前は「こじゅうのつゆ」がなまったものと言われていて、昔は一の重と二の重、あるいは一の露と二の露と、二つの椀に分けて出していました。それが昭和60年代ごろから一つの椀で出されるようになり、婚礼では宴会の最中にふるまわれる欠かせない一品です。郡山市には、豆麩を除けばほとんど同じ具の「つゆじゅう」という汁ものもあります。

内陸の会津に海のものが乾物で入ってきたことは、七日町の渋川問屋のお品書きにも出てきます。創業は明治15年で、元は海産物問屋でした。店のページは、会津に運び込まれた身欠きニシンや棒タラが貴重なたんぱく源で郷土の味になった、という話から始まり、棒タラ煮とニシンの山椒漬、昆布巻、天ぷらが御膳に並ぶと続けて、そのあとにこづゆを置いています。

会津塗の大平と手塩皿

認定の文では、こづゆは会津塗の「大平」という椀に盛られ、「手塩皿」という朱塗りの小皿に分けて食べます。農林水産省のページでは、会津塗の中でも浅めに作られた器が手塩皿で、そこに貝柱のだしで煮込んだ具を盛ります。渋川問屋のお品書きには「手塩皿と呼ばれる、こづゆ用の会津塗の浅い椀でご提供しております」とあり、観光ナビの店のページには祝膳のこづゆの写真が載っています。

切り方や材料、味付けは家ごとに違います。農林水産省のページには、昔は卵焼きを入れる家庭もあったとあり、材料の欄には家々によって銀杏・ちくわ・大根・根曲がり竹・ナルトを使うことも書いてあります。同じページに4人分のレシピがあり、貝柱を一晩水に浸してほぐし、貝柱と椎茸の戻し汁とだし汁を沸かしてから、にんじん・きくらげ・糸こん、里芋の順に煮て、最後に白玉麩を入れます。食べるときに茹でた青物やわらびをのせる、椎茸を入れすぎず貝柱の味を楽しむ、という注も付いています。

七日町の渋川問屋

会津若松観光ナビのグルメの一覧で、こづゆの名が出ている店は渋川問屋です。住所は会津若松市七日町3-28で、JR只見線の七日町駅から徒歩3分。営業は11:00〜15:00(入店14:30まで)と17:00〜21:00(入店19:00まで)、年中無休で、19時以降の来店は予約が要ると店のページにあります。

こづゆが付く祭り御膳は10品で2,800円(税込3,080円)です。令和7年4月1日に改定された価格で、棒タラ煮、ニシンの山椒漬、ニシンの昆布巻と天ぷら、こづゆ、そば粒がゆ、季節の混ぜごはんが並びます。会津牛のステーキに郷土料理を組み合わせた10品のコースと、昼のステーキのコースにもこづゆが付きます。

観光ナビの一覧には、ほかにも郷土料理の店が並びますが、こづゆを出すと書いてある店は渋川問屋だけです。農林水産省のページには、県内の宿泊施設や飲食店でも提供されているとあるので、泊まる宿や入る店にこづゆがあるかは、行く前にそれぞれに確かめてください。

会津若松駅と七日町駅まで

会津若松観光ナビのアクセスのページでは、東京駅から東北新幹線で郡山駅まで約1時間22分、郡山駅から磐越西線の快速で会津若松駅まで約1時間5分です。浅草駅からは、東武鉄道の「リバティ会津」で会津田島駅まで約3時間30分、会津鉄道の快速に乗り換えて会津若松駅まで約1時間15分。七日町駅は只見線の駅で、駅舎の中に会津17市町村のアンテナショップ「駅カフェ」があります。

レトルトと手塩皿つきのセット

農林水産省のページには、家庭で作ることは少なくなってきたものの、レトルトのこづゆや、手塩皿までセットにしたこづゆセットが販売されている、とあります。会津若松観光ナビの「会津の観光物産ネットショッピング特集」には、こづゆの品は載っていません(2026年10月8日に見た範囲)。品の形を先に見ておくなら、楽天市場でこづゆを探すPRとAmazonの検索結果PRで、レトルトや手塩皿つきのセットがどんな形で売られているかを一覧で見られます。

編集部の考え

七日町の渋川問屋は明治15年創業の元海産物問屋で、祭り御膳にこづゆを付けています。お品書きには、身欠きニシンと棒タラが会津に運び込まれた話が載っています。こづゆは、江戸期に北前船が運んだ海産物を保存加工して会津の地場産品と合わせた料理で、冬のお祝い膳から冠婚葬祭と正月の膳に移りました。会津塗の大平に盛り、朱塗りの手塩皿に分けて食べます。農林水産省のページでは、昔は一の重・二の重の二つの椀で出していたものが、昭和60年代ごろから一つの椀になりました。

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