館長の的川泰宣さんは、宇宙科学研究所の教授やJAXAの執行役を務め、1980年代にはハレー彗星探査計画の中心にいた人です。その館長が来館する家族に宛てたあいさつは、月の裏側を初めて写した探査機の話から始まり、最後はこう頼んで終わります。科学館を、地域交流の「共通の広場」として、家族の「知的な憩いのお茶の間」として使ってほしい、と。
はまぎん こども宇宙科学館は横浜市磯子区洋光台にあり、JR洋光台駅から徒歩3分です。正式な名前は横浜こども科学館で、「はまぎん」は横浜銀行のネーミングライツによる愛称です。入館料は大人400円、プラネタリウムは別に600円かかり、プラネタリウムの券は当日しか買えません。
館長のあいさつ
あいさつの中ほどで、館長は山や川、タンポポや桜に「宇宙」を感じることを勧め、そのいちばん確かな方法は自然や生き物にじかに触れることだと書いています。科学館で見て楽しんだことが、今度は本物の自然に触れるきっかけになる、とも。かつて横浜こども科学館と呼ばれていた時代から来てきた人の中には、「幼い頃この科学館を訪れたことが、自分の自然や科学への目を開かせてくれた」と語る人がたくさんいる、とあります。
その考えは、館の前庭に出ています。前庭には水田があり、スタッフが稲の世話を「稲作日記」に書いています。9月12日付の回によると、9月に入って曇りや雨の日が続き、強い風で稲が傾いてきました。そこで心配な株を二株ずつ軽く縛ったそうです。葉が広がりにくくなる代わりに、「互いにもたれ合って倒れにくくなります」。同じ前庭では、月に1〜2回、天体望遠鏡で月や惑星、星雲を見る星空観察会も開いています。
館は地上5階・地下2階建てで、「館全体が巨大な宇宙船をイメージした体験型科学館」です。5階「宇宙船長室」には500kgのいん石、4階「宇宙研究室」には玉の動きで物理の決まりを確かめる「ビーコロ®」、3階「宇宙トレーニング室」には月面ジャンプ(小学生以上)があります。2階「宇宙発見室」は雷やオーロラの仕組みがテーマです。地下2階は「あそびの広場・特別展示室」で、壁にマグネットパズルを貼って遊べます。土日祝には、スタッフが目の前のカウンターで見せる「ミニ実験」もあります。
館長は館のサイトに宇宙のコラム「この宇宙の片隅に」も書いてきました。2022年12月の回は、火星で夕焼けを見るとどんな色になるかの話です。
プラネタリウムの券
料金は入館料とプラネタリウム入場料が別の欄に分かれています。
| 区分 | 入館料 | プラネタリウム | 定期入館券(半年有効) |
|---|---|---|---|
| 大人 | 400円 | 600円 | 800円 |
| 小・中学生 | 200円 | 300円 | 400円 |
| 4才以上 | 料金表の欄は「-」 | 300円 | 料金表の欄は「-」 |
3歳以下はプラネタリウムも無料ですが、座席を使う場合は有料です。プラネタリウムの券だけを買うことはできず、入館料が要ります。毎週土曜日は小・中・高校生の入館料が無料です。障がい者手帳を見せると、本人と付き添い1名(車椅子の場合は2名)の入館料が無料になり、横浜市の「濱ともカード」を見せると本人の入館料が無料です。支払いはクレジットカード(券売所はVISA・MasterCardのみ)、交通系ICなどの電子マネー、PayPayなどのQRコード決済が使えます。
プラネタリウムの券は、開館時刻から1Fチケット売場で各回の投影開始時間まで売っています。よくある質問には「当日チケットのみの販売となります」とあります。平日は6回の投影のうち9時45分・11時・13時30分が団体専用で、一般が入れるのは12時15分・14時45分(どちらも「ドラえもん」)と16時(「コナン」)の3回です。土日祝は6回すべてが一般向けです。いまの一般投影は「プラネタリウム ドラえもん 時間のひみつ」と「名探偵コナン 閃光の宇宙船(ペイロード)」で、どちらも各回約45分、このスケジュールは2027年3月31日までの予定です。番組の前後どちらかで、スタッフが約15分その日の星空を解説します。

投影機「MEGASTAR-IIA」は、横浜市都筑区の大平技研が開発したものです。少なくとも7億個の恒星を映せる投影機として、2023年2月8日にギネス世界記録™に認定されました。愛称の「はま銀河」は来館者から募った名前で、館長は、横浜の子どもたちに故郷の銀河を長く愛してほしいという願いを込めた、と書いています。ドームは直径23m、座席は階段式で定員275名、ほかに車椅子のスペースが3席分あります。

いまはパネル展「神奈川で震度7!ー1923年関東大震災ー」を2026年9月5日から11月30日まで開いています。横浜の街に残る震災の跡は関東大震災の横浜を歩く記事にまとめています。
開館日と館内のこと
開館は9時30分から17時で、最終入館は16時です。休館日は第1・3火曜日と年末年始のほか、プラネタリウムの番組の入れ替えや展示機器の点検で臨時に休むことがあるので、公式サイトの休館日カレンダーを見てから出かけてください。個人の入館に予約は要りません。当日中なら何度でも再入館できます。
食事は1階のコスモカフェで取れます。営業は11時から16時(ラストオーダー15時30分)で、カレーライスとハヤシライスが各500円です。お弁当を持ってきた場合は地下1階の休憩室で食べられます。展示室では飲食できず、酒類の持ち込みは禁止です。
展示物の写真・動画は、一部の展示物とプラネタリウムの中を除いて撮れます。ほかの来館者やスタッフが写る撮影や、それをSNSなどに載せることは断っています。三脚は展示フロアでは使えず(1Fエントランスと前庭は可)、一脚は館内どこでも使えます。
ベビーカーと車椅子は、数に限りがありますが1Fインフォメーションで借りられます。車椅子対応のトイレは地下1階と5階、おむつ交換台は地下1階・5階のトイレと1階の授乳室にあります。プラネタリウムで車椅子に乗ったまま見たいときは、入場券を買うときにスタッフへ申し出て、投影開始20分前までに1Fチケット売場で券を買います。専用席は購入時の先着順で、予約はできません。
洋光台駅からの行き方
最寄りはJR京浜東北線・根岸線の洋光台駅で、徒歩3分です。公式サイトが示す所要時間は、横浜駅から約21分、大船駅から約10分です。京急線や横浜市営地下鉄ブルーラインからは、上大岡駅・港南中央駅・金沢文庫駅・上永谷駅から出る「洋光台駅」行きのバスでも着けます。
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車なら横浜横須賀道路の港南台ICから約5分ですが、横浜方面からは右折で入れません。専用駐車場は約70台で、開館30分前から17時まで(入車は16時まで)、料金は1回700円です。障がい者手帳を見せると無料になり、地下駐車場には車椅子専用のスペースが1台分あります(当日の先着順)。館の前庭の横断歩道の前後5m以内は駐停車禁止なので、車での送り迎えはそこを避けます。館は台数が少ないとして、電車やバスで来るよう頼んでいます。
編集部の考え
プラネタリウムの星の数で世界記録を持つ館ですが、取り上げたかったのは、その館長が科学館を家族の「お茶の間」と呼んでいることでした。宇宙開発の現場にいた人が、宇宙は遠くではなく身の回りの山や川やタンポポにあると書き、同じ館の前庭ではスタッフが雨続きの9月に稲を縛っています。子どもが展示で遊んだあと、家に帰って家族で交わす会話までを、この館は自分の役目に数えています。