三菱みなとみらい技術館のキャラクター「テクノくん」は、手に双葉を握っています。館の説明によると、種から出た芽が育つように、子どもたちが持っている科学技術の「発想の芽」が未来へ広がってほしい、という願いを込めたものです。プロフィールの仕事の欄には「技術館の楽しさをみんなに広めること、技術館のメンテナンスもこっそりしてるよ」とあります。
芽という言葉は、館の設立の文にも出てきます。三菱重工業が1994年6月に開いたこの館は、ふだん触れる機会の少ない科学技術に体験型の展示で親しんでもらう場で、設立の文には「青少年たちの科学技術の芽が育つことを願っています」とあります。そのために置いているのが実物です。1階にはロケットエンジンの実物が並び、土曜日には館のスタッフが家族向けの理科実験を実演しています。
実物のロケットエンジンと分解した「しんかい6500」
展示は1階と2階に分かれ、陸・海・空・宇宙のテーマ別ゾーンで組まれています。1階の「空・宇宙ゾーン」には、H-IIAとH-IIBロケットに載ったLE-7Aエンジンと、その前身のLE-7の実物があります。この二つを並べたのは、比べると「エンジン技術の進化を確認できます」からです。

隣の「海ゾーン」では、深海6,500メートルまで潜れる有人潜水調査船「しんかい6500」を実物大で分解して見せています。外側だけでなく、マニピュレータや耐圧殻といった中の機材まで再現していて、球形の耐圧殻に守られたコックピットの様子も観察できます。地球深部探査船「ちきゅう」の掘削のしくみを紹介する展示も、このゾーンです。


1階にはほかに、三菱重工グループの「創業の原点から未来へとつながるものづくりストーリー」をたどる「MHIフューチャーゲート」があり、その「ウエルカムゲート」ではテクノくんが出迎えます。みなとみらい地区と三菱重工の歴史を学ぶ展示もここです。企画展示コーナーの「Future Visions 2040」は、画像生成AIを使って描いた2040年の未来のデジタルスケッチを並べ、「未来をいっしょに想像してみましょう」と呼びかけています。
2階の「陸ゾーン」には、直径92メートル・2,400キロワットの風車のブレードの一部が実物で置かれ、洋上風車の構造を紹介しています。壁の絵に触れると動き出す9メートルの「タッチウォール」と、円筒形の大きなスクリーンに陸・海・空・宇宙の映像を映すVRシアター「バーチャルツアーステーション」も2階です。
見学にかかる時間は、見方にもよりますがおよそ30分から1時間です。未就学児から大人まで楽しめる館で、推奨年齢は小学校4年生以上です。
スタッフの理科実験とアテンドツアー
館のスタッフが出る催しは、週末と月曜日に組まれています。理科実験は、家族で楽しめる実験をスタッフが実演するもので、実験の中身は当日に発表されます。9月26日(土曜)と、10月は3日・17日・24日・31日の土曜日が10時40分から11時まで。10月10日から12日の3連休は13時40分の回も加わります。定員は50名で、時間に2階の実験ワゴンへ集まる自由参加です。
アテンドツアーは、三菱重工グループのものづくりや技術をスタッフが紹介する20分ほどの催しです。9月28日と10月5日・19日・26日の月曜日、10時40分から。定員は15名で、当日10時から1階受付で整理券を配ります。日曜日には2階の陸ゾーンで「新交通システムAGT」などののりもののペーパークラフト工作もあり、9月27日、10月4日・25日に各日200名まで先着順で参加できます。どの催しも、未就学の子は保護者と一緒に参加します。
入館料と休館日
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開館時間 | 平日10時〜15時(入館は14時30分まで)、土日・祝日10時〜16時(入館は15時30分まで) |
| 休館日 | 毎週火曜・水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始、特定休館日 |
| 入館料 | 大人500円、中・高校生300円、小学生200円 |
| 無料 | 未就学児と65歳以上(証明書を提示)。障がい者手帳か障がい者手帳アプリMIRAIRO IDを示した本人と付き添い1名 |
入館料もグッズも、支払いは現金だけです。当日の再入館はできません。臨時休館は、2026年10月15日(木曜)と16日(金曜)に予定されています。出かける前に、公式サイトの開館カレンダーを見てください。
館内に同時にいる人数は100名を目安に制限していて、混雑時は入館まで待つことがあります。一般の団体予約と団体割引はなく、20名以上で来ても通常の料金で、学校の団体だけが事前予約制です。個人の来館に予約が要るかどうかは、公式サイトに案内がなく未確認です。小学生以下だけでは入館できず、見学中も大人の付き添いが要ります。
撮影と食事
館内は原則として撮影できます。ただし2階のシアター(バーチャルツアーステーションとSDGsのひみつシアター)で流れるプログラムは撮影しないよう案内されています。
館内に食事をする場所はありません。水分をとれるのはエントランスだけです。
館内に段差はなく、車椅子で見学できます。エレベーターを使うときは近くのスタッフに声をかけます。ベビーカー置き場は1階受付の横です。身体障がい者補助犬(盲導犬・聴導犬・介助犬)は、受付で認定証を示せば入館できます。
駅からの行き方
最寄りはみなとみらい線のみなとみらい駅で、5番けやき通り口から徒歩3分です。改札を出て左斜め前のエスカレーターで5番けやき通り口へ上がり、左へUターンする形で進みます。右手に見えるKDX横浜みなとみらいタワーの側へ横断歩道を渡ると、技術館の入口です。
JR根岸線と横浜市営地下鉄の桜木町駅からは徒歩8分です。東口からランドマークタワーの方へ進み、広場の奥のエスカレーターを上って動く歩道に乗ります。終点正面のランドマークプラザに入り、左手のエスカレーターで1階へ下ります。正面のドアから外へ出て右へ歩き、横断歩道を渡った右手が入口です。
車なら、首都高速横羽線「みなとみらい」ランプの出口正面にあるKDX横浜みなとみらいタワーの地下駐車場(463台・有料)です。技術館との割引提携はなく、障がい者手帳を持っていても無料券や割引券は出ません。技術館の周りは駐輪禁止区域なので、自転車は近くの駐輪場に停めます。
みなとみらい線には大人460円・小児230円の一日乗車券があります。ただ、2026年8月3日時点の「提示優待施設一覧」に技術館は入っておらず、見せても入館料は変わりません。
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編集部の考え
ロケットエンジンも深海の潜水調査船も、ふだんは写真や映像でしか見ない機械です。この館はそれを実物と実物大で置き、設立の文でもキャラクターの双葉でも、子どもの「芽」を育てたいと繰り返しています。会社の技術を見せる館ですが、説明の言葉はいつも子どもに向いていて、土曜日にはスタッフが実験を見せます。