本文へ移動
trip-jp博覧会からミュージアム、寺社仏閣まで 横浜花博 2027 開幕まで 162日

熊谷の五家宝:もち米のあられを筒にして黄な粉をまぶす、100年フードの菓子

広告を含みます 本記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。リンク経由で予約・購入されると、当サイトに報酬が支払われることがあります。

本文の価格・時刻・日程は2026年10月7日時点の公式発表に基づきます。予約の直前に各公式サイトで最新情報を確認してください。

淡い色の皿に斜めに積まれた、黄な粉をまぶした筒状の五家宝3本。手前の切り口にはあられ状の中身が見える
黄な粉をまぶした筒状の五家宝(切り口にあられ状のタネが見える) 写真: Ebiebi2(CC BY-SA 4.0、Wikimedia Commons)

五家宝は、もち米で作ったあられを筒の形にまとめ、外側に黄な粉をまぶした熊谷の菓子です。もち米をいったんもちについてから薄くのばし、細かく砕いて煎ってあられにし、筒状にして黄な粉をまぶし、のし板で長くのばしてから切ります。令和3年度の文化庁「100年フード」で伝統の100年フード部門に認定され、全国131件のうち15件に与えられた有識者特別賞も受けました。

職人の腕と勘で作る

「100年フード」は、文化庁が、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を認定する取り組みです。五家宝の申請者は熊谷市文化遺産保存事業実行委員会で、文化庁の一覧に載った文も実行委員会が書いています。そこには、昔から受け継いだ手作りの技法で「熟練した職人の腕や勘に頼りながら、家内工業的に作られており」とあり、日持ちも良いことから熊谷名物として全国に知られるようになった、と続きます。

熊谷市の公式ページも製法を同じ順で書いています。口ざわりに関わるのがあられのタネで、風味と外観を決めるのが黄な粉だ、とあり、筒にまとめてのし板で伸ばす工程は飴の製法に似ているとも書かれています。市報くまがや2016年5月号では、五嘉寳の加藤の加藤明子さんが、五家宝は「天然由来の材料しか使っていない」と話しています。

名の由来は諸説ある

熊谷市の公式ページによると、熊谷で「五嘉棒」の名で売り出されたのは文政年間(1818〜29)でした。その後「五嘉宝」「五箇宝」の字があてられ、「五穀は家の宝である」という祈りを込めて現在の「五家宝」とつけられた、とあります。実行委員会の文は、発祥には諸説あると断ったうえで、この名で確立されたと考えられている、という推定の書き方です。

土地の話は両方の文に出てきます。中山道の宿場町として栄え、市も開かれていた熊谷では、荒川の恵みで良質の米がとれ、大豆が豊富に作られ、水飴の原料になる大麦も多く収穫されたので、生産に適していたようです。市のページは、その米を「石原米」と称したと書いています。

発祥の説は市報くまがや2016年5月号が並べています。熊谷説は、天明の大飢饉のときに奈良村の名主の吉田市右衛門の蔵が焼け、地元の人に焼き米を配ったあと、江戸から菓子職人を呼んで五家宝を作ったという話です。ほかに加須説、現在の群馬県千代田町にあたる五箇村説、茨城県の五霞町説があり、どれも熊谷周辺の穀倉地帯です。熊谷から離れた茨城県水戸市を起源とする水戸説もあり、市報は一つの説に絞りきれないと書いています。

熊谷市のページには、草加せんべい、川越の芋菓子とともに埼玉三大銘菓の一つといわれている、ともあります。店先から黄な粉の香りが漂う風景は「埼玉の音風景・かおり風景10選」に選ばれています。

認定は2022年3月3日

文化庁が131件の100年フードを発表したのは2022年3月3日で、令和3年度の認定です。江戸時代以前から伝わる「伝統」、明治・大正から続く「近代」、昭和以降に生まれた「未来」の3部門のうち、五家宝は伝統部門に入りました。伝統部門は全国で80件で、埼玉県内では草加せんべいも同じ部門です。有識者特別賞は131件のうち15件に与えられ、五家宝はその一つでした。

熊谷市立江南文化財センターのお知らせには、「熊谷地域の食文化のシンボル」である五家宝を世界に向けて発信していく、とあります。市は2022年4月21日に市役所本庁舎に懸垂幕を掲げ、応募を進めた熊谷市文化遺産研究会は4月25日付で「五家宝コンソーシアム」宣言を出しました。宣言には、五家宝を作る店どうしの連携と、市立小学校の地域学習で製法の解説や体験に協力することが入っています。

買える店は市の五家宝マップに

熊谷市は市内で五家宝を扱う店をまとめた「五家宝マップ」を作り、7店を載せています。店舗情報は令和4年5月時点のもので、市は営業時間や定休日を確認してから出かけるよう案内しています。売り切れ次第終了の店もあります。

店住所営業時間定休日
堀内製菓本町2-159時から18時日曜日
たねに宮町2-1639時から18時水曜日
五嘉寳の加藤中央2-3319時から17時月曜日
花堤榎町38時から18時30分日曜日
古伝 ニシダ飴中西1-1-169時から19時月曜日
紅葉屋本店佐谷田32478時から17時土曜日・日曜日
熊谷きなこ屋高柳6-334月から9月は9時から18時、10月から3月は9時から17時30分水曜日・第2日曜日・第4日曜日

堀内製菓は明治20年創業で、以来手作りを続けていると書いています。紅葉屋本店は「五家寶」の商標で江戸中期から250年以上続く店で、八木橋百貨店と熊谷駅ビル内のアズロード店、オンラインストアでも買えます。花堤は夏から秋に塩レモン味、冬から春にチョコ味を出し、紅葉屋本店はアーモンド味、熊谷きなこ屋は黒糖味を載せています。7店とも地方発送をしています。マップの店の位置は大まかなもので、市は地図アプリで確かめるよう案内しています。

遠くからなら、楽天市場で五家宝を探すPRとAmazonの検索結果PRに店の品が並びます。熊谷市のふるさと納税の返礼品にも五家宝があります。

熊谷駅まで

熊谷駅にはJR高崎線と上越・北陸新幹線、秩父鉄道が乗り入れています。JRの駅の住所は熊谷市筑波2丁目、秩父鉄道の駅は桜木町1丁目です。新幹線改札口の窓口は6時15分から23時30分まで、みどりの窓口は7時から19時まで開いています。

編集部の考え

五家宝の発祥には諸説あり、名は「五穀は家の宝」の祈りを込めたもの。申請した熊谷市文化遺産保存事業実行委員会は、この順で文化庁に出しました。一覧に残った文の手順は、もち米を薄くのばして砕き、煎ってあられにし、筒にして黄な粉をまぶし、のし板で伸ばして切る。今も職人の腕や勘に頼る家内工業的な作り方です。認定の翌月、市は本庁舎に懸垂幕を掲げ、熊谷市文化遺産研究会は店どうしの連携と小学校の地域学習を宣言に書きました。令和4年5月時点のマップには、明治20年創業の堀内製菓から、江戸中期から250年以上と書く紅葉屋本店まで、7店が載っています。

ランダムに探す 押すと読みものを 1 本選びます

メニュー

English