1月10日午前6時、西宮神社の表大門(赤門)が開くと、外で待っていた参拝者が本殿までの参道を走ります。到着した順に1番から3番までがその年の「福男」に選ばれる「開門神事」です。えびす宮の総本社である西宮神社では1月9日から11日の3日間「十日えびす」が行われ、毎年100万人以上の参拝者でにぎわうと神社は説明しています。
開門神事の朝
神社の説明によると、1月9日深夜0時に境内すべての門が閉じられ、神職は身を清めて静寂のうちに過ごす「忌籠り」に入ります。10日午前4時、その忌籠りが明けきらぬうちに「十日戎大祭」が執り行われます。大祭を終えた午前6時、表大門が開かれ、門外で待っていた参拝者が本殿まで200m余りを走る「走り参り」に出ます。最初に本殿へ着いた3人がその年の福男で、御神像と証書のほか、米・日本酒・鯛の焼き物・えびす面・法被などが贈られます。参加を望む人向けの整列・抽選は「開門神事講社」という団体が運営に携わっていますが、受付時間や参加できる人数は年によって変わるため、当日までに神社の案内で確かめる必要があります。距離は神社の案内のなかでも表記が分かれていて、開門神事の歴史のページには「二百メートル先の本殿」、2026年の十日えびすの特設サイトには「230m離れた本殿」とあります。

いまの「福男」という呼び名は昭和15年(1940年)から。前年の昭和14年、1番と2番に同じ職場の兄弟が入り、3番になった常連参拝者とともに世間の話題になったことがきっかけだった、と神社は伝えています。昭和20年の空襲で社殿が焼失し、福男選びは昭和28年まで中断しました。
開門神事の抽選は、前夜に円満寺駐車場と南門前で
2026年(令和8年)の案内では、開門神事講社が地域の団体と協力し、抽選や参拝者の整理誘導にあたりました。表大門の前に並ぶ順番を決める場所割り抽選は、1月9日午後10時から午後11時30分まで円満寺駐車場で受け付けました(先着1,500人)。10日午前0時から南門前で抽選を行い、先頭のAブロック108人、Bブロック108人を決めました。参拝者のうち先着5,000人には「開門神事参拝之証」が無料で授与されたということです。
十日えびすの3日間
神社の年間行事案内では、8日に「招福大まぐろ奉納式」があり、神戸市東部水産物卸売協同組合など3社が本まぐろと雌雄一対の大鯛を奉納します。奉納されたまぐろは拝殿に「招福大まぐろ」として3日間供えられ、硬貨を貼り付けて願をかける参拝者の列ができる、と神社は説明しています。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 1月8日 | 招福大まぐろ奉納式(午前9時半ごろ)、献華祭 |
| 1月9日 | 有馬温泉献湯式、十日戎宵宮祭 |
| 1月10日 | 十日戎大祭(午前4時)、開門神事福男選び(午前6時) |
| 1月15日 | 十日戎報賽祭 |

1月中旬から2月上旬には境内で全国大陶器市も開かれます。
電車での行き方
神社の公式の案内では、最寄り駅は阪神本線の西宮駅です。えびす口を出て南西へ徒歩5分。JR神戸線はさくら夙川駅から南東へ徒歩10分、西宮駅からは南西へ徒歩20分。阪急神戸線の夙川駅からは南東へ徒歩15分です。新幹線を使う場合、神戸方面はJR新神戸駅から地下鉄・JRを乗り継いで阪神三宮駅、大阪方面はJR新大阪駅からJR大阪駅・阪神梅田駅を経由すると神社は案内しています。

参拝の開閉門時間は10月〜2月が午前5時から午後6時まで(9月・3月は午後6時半、4月〜8月は午後7時まで)。授与所は9時から17時、祈祷受付は9時から16時半までです。2026年1月9〜11日の十日えびすでは、阪神バスが「阪神西宮南口」停留所を休止して全便を「阪神西宮駅東口」発着に変え、渋滞による接近情報の乱れもあると案内していました。
阪神の停車駅と始発、JR・阪急の停車駅
阪神電車の停車駅案内によると、西宮駅には直通特急・特急・急行・快速急行・普通が停まります。区間特急と区間急行は、大阪梅田方面行きだけの運転です。
土休日ダイヤ(2025年2月22日改正)の西宮駅標準発車時刻表では、大阪方面から来る列車(姫路方面行き)の始発は4時50分、神戸方面から来る列車(大阪梅田・難波方面行き)の始発は4時56分です。門が開くのを外から見るだけなら、どちらの方向からも始発で午前6時に間に合います。走る側は別です。場所割りの抽選の受付は前の晩の22時から23時30分まで(2026年の案内)なので、始発では間に合いません。9日の夜のうちに西宮に着いている必要があります。
走る側に加わるなら、9 日の夜の宿は楽天トラベルの西宮駅(阪神本線)周辺のホテル・旅館の一覧PRで探せます。開門を外から見るだけの人も、前の晩に泊まっておけば始発の時刻を気にせずに済みます。
十日えびすに合わせた臨時列車について、阪神電気鉄道は2020年1月11日(土)の夕方から夜間、大阪梅田〜甲子園間の急行を西宮まで延長運転しました。大阪梅田発の急行6列車、西宮発の急行10列車が対象で、停車駅は野田・尼崎・武庫川・甲子園・今津だったと発表しています。近年の十日えびすについて、同様の発表は見つかりませんでした。
JR西日本の停車駅案内(2026年3月14日改正)では、西宮駅に快速と普通が停まり、新快速は通過します。さくら夙川駅は普通が停まり、快速・新快速は通過します。阪急電鉄の停車駅案内(2024年4月改正)では、夙川駅に特急・通勤特急・準特急・急行・通勤急行・普通が停まります。
由緒
西宮神社の由緒によると、和田岬沖で鳴尾の漁師が引き上げた御神像を祀ったのが始まりと伝わります。夢のお告げで西の宮地へ遷し祀ったことに、その名が由来するとも神社は伝えています。鎮座の年代ははっきりしませんが、「えびす」の名は平安時代後期の文献にたびたび見られる、と神社は説明しています。室町時代に七福神の一神となり、江戸時代には徳川幕府4代将軍から御神影札の版権を得て、全国にえびす信仰を広めました。第1殿にえびす大神(蛭児大神)、第2殿に天照大御神・大国主大神、第3殿に須佐之男大神を祀っています。
編集部の考え
西宮駅から徒歩5分という近さですが、開門は午前6時、十日戎大祭は午前4時に始まると神社は説明しています。JRのさくら夙川駅や阪急夙川駅からは10〜15分かかります。開門を外から見たい人は、阪神の始発の時刻を先に確かめておくのがよいと思います。走る側に加わる方法は年ごとに変わるので、神社がその年に出す案内が頼りです。
もう一つの見どころは招福大まぐろです。8日に奉納される約3m・約300kgのまぐろに、参拝者が硬貨を貼っていきます。走らなくても、十日えびすの3日間はこれを見に行けます。
開門神事に加わる方法は、その年の神社の案内で
開門神事の参加方法や当日の交通規制は、西宮神社の年中行事とアクセスのページで確認できます。大阪の今宮戎神社の十日戎は今宮戎神社の十日戎に書きました。初詣・厄除けの寺社は初詣・厄除けと寺社めぐりにまとめています。
2027 年の案内は、これから
- 2027年(令和9年)の開門神事の参加方法、抽選の時刻や人数
- 2027年の十日えびすの授与所・祈祷受付の時間