京都鉄道博物館の扇形車庫は、1914年(大正3年)11月に竣工した鉄筋コンクリート造の機関車庫です。前にある転車台を中心に扇の形に広がり、引込線は20線あります。文化庁の文化遺産オンラインは、国内に現存する最古の鉄筋コンクリート造の機関車庫だと説明しています。館の展示車両の紹介では、この車庫に置かれている蒸気機関車は20両です。
入館料は一般1,500円、大学生・高校生1,300円、中学生・小学生500円、幼児(3歳以上)200円です。開館は10:00〜17:00(入館は16:30まで)で、休館日は毎週水曜日ですが、祝日と学休期間は開館します。
料金と時間の早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開館時間 | 10:00〜17:00(入館は16:30まで) |
| 休館日 | 毎週水曜日(祝日、学休期間は開館)、年末年始(12月30日〜1月1日)ほか |
| 入館料(個人) | 一般1,500円、大学生・高校生1,300円、中学生・小学生500円、幼児(3歳以上)200円 |
| 入館料(20名以上の団体) | 一般1,200円、大学生・高校生1,040円、中学生・小学生400円、幼児100円 |
| 障がい者手帳を見せた場合 | 一般750円、大学生・高校生650円、中学生・小学生250円、幼児100円(本人と付添者1名) |
| SLスチーム号 | 入館料とは別。一般・大学生・高校生300円、中学生・小学生・幼児(3歳以上)100円(団体割引なし) |
| 運転シミュレータ | 1回100円 |
| 最寄り駅 | 嵯峨野線 梅小路京都西駅から徒歩約2分 |
| 駐車場 | なし |
料金・時間は、この記事を書いた時点の京都鉄道博物館の公式サイトによります。大学生・高校生・中学生は、入館の際に学生証を見せます。見学にかかる時間は、公式サイトのよくある質問によると、本館と屋外展示場を合わせて2時間ほどです。
京都駅から嵯峨野線で一駅、梅小路京都西駅から徒歩約2分
京都駅で嵯峨野線に乗り換えて一駅、梅小路京都西駅で降りれば徒歩約2分です。この駅は2019年3月16日に開業しました。JR西日本によると、京都水族館や京都鉄道博物館などの開発が進む京都駅の西側に、京都市とJR西日本が平成27年2月に新駅設置の基本合意書を結んで造った駅です。
歩くなら、JR京都駅の中央口から西へ約20分です。市バスは京都駅のB3のりばから出ています。86系統なら約10分の「梅小路公園・京都鉄道博物館前」で降りてすぐ、205・208系統なら約10分の「梅小路公園・JR梅小路京都西駅前」で降りて徒歩約3分です。JR京都線の西大路駅からは、北口を出て線路沿いに東へ約15分歩きます。
館に駐車場はなく、公式サイトは車で来ないよう求めています。梅小路公園おもいやり駐車場は、障がいのある人や高齢者、乳幼児連れの家族、妊産婦など、歩くのが難しい人の専用です。
SLスチーム号と、扇形車庫の蒸気機関車
館内では、本物の蒸気機関車が牽く客車に乗れる「SLスチーム号」が走っています。館によると、毎日欠かさず蒸気機関車を走らせるのは、国内でも数少ない取り組みです。乗車料金は入館料とは別で、一般と大学生・高校生が300円、中学生・小学生と幼児(3歳以上)が100円です。SLスチーム号に団体割引はありません。
運転シミュレータは1回100円で、アソビューの電子チケットは体験の前日20時から、セブンチケットは体験日の1カ月前から売り出されます。

展示車両一覧に載っている車両は全部で54両です。扇形車庫の20両のうち、いちばん古いのは明治13年製の7100形7105号機「義経」で、北海道の幌内鉄道にアメリカから最初に輸入された機関車です。2014年には、梅小路運転区の100年を記念して、石炭と水で走れる状態に復元されました。C62形2号機は特急「つばめ」で走った機関車で、C53形45号機は、国産で唯一3シリンダーを持つ大型の旅客用蒸気機関車です。


屋外の展示もありますが、施設の多くは屋内にあるので、雨の日も見学できます。本館3階の屋外展望デッキ「スカイテラス」からは、JR京都線や東海道新幹線を走る列車が見えます。飲食物は持ち込めますが、食べる場所はレストラン・休憩所や中庭などで、展示室の中は飲食禁止です。三脚を使えるかどうかなど、一般の来館者向けの撮影の決まりは、公式サイトに案内のページが見つかりませんでした(未確認)。
1914年の機関車庫が、2016年に博物館になるまで
文化遺産オンラインによると、扇形車庫は京都停車場改良工事の一つとして鉄道院西部鉄道管理局が設計し、1914年11月に竣工しました。場所はJR京都駅から西へ約1.5km。機関車を修理する器械場と、その東に続く機関車駐留場、器械場の背面の職場からなり、建築面積は3870.57平方メートルです。重要文化財としての名前は「梅小路機関車庫」で、2004年12月10日に指定されました。
1972年10月には、梅小路蒸気機関車館が開設されました。JR西日本と交通文化振興財団は2015年2月19日、京都鉄道博物館の開設準備のために機関車館を2015年8月30日で閉じると発表しています。発表には、閉館前の催しとして、扇形車庫に置いている蒸気機関車を約3メートル前に出して見せる展示も挙がっていました。43年続いた機関車館の収蔵資料などは、新しい博物館に移して展示するとしていました。
京都鉄道博物館は2016年4月29日に開業しました。2025年12月2日付で、改正博物館法にもとづく「登録博物館」になっています。前身の交通科学博物館のころから、「博物館相当施設」として活動してきました。
敷地には扇形車庫のほかにも、古い鉄道の建物があります。旧二条駅舎は明治37年に建設され、平成8年に京都市指定有形文化財になった駅舎で、中にミュージアムショップがあります。ショップは館外の扱いなので、入館券がなくても入れます。トワイライトプラザは、2代目京都駅のホームの上家を再利用した空間に、トワイライトエクスプレスなどの車両を並べています。


車両ごとの由来まで知りたいなら、来住憲司『京都鉄道博物館ガイド 保存車両が語る日本の鉄道史PR』(創元社、2016年)があります。刊行時の保存車両53両ひとつひとつの諸元と経歴、展示物の由来を紹介しながら、明治の鉄道開業から新幹線の時代までをたどる本で、扇形車庫の蒸気機関車も1両ずつ解説しています。梅小路蒸気機関車館と交通科学博物館が一つになった経緯から入るなら、『京都鉄道博物館のすべてPR』(JTBパブリッシング、2016年)のほうが入門向きで、持ち歩ける「保存車両まるごとガイド」の付録が付いています。どちらも開館の年に出た本なので、展示車両一覧がいま54両になっているように、館の中身と違う所があるかもしれません。
編集部の考え
扇形車庫がなぜ残ったのかを、公式の資料はひとことでは書いていません。ただ、資料に出てくる年を並べると、1914年の竣工、2014年の梅小路運転区の100年、1972年の機関車館、2016年の博物館と、ここは蒸気機関車を置いて向きを変える場所であり続けています。館に隣接する梅小路運転区の中には、蒸気機関車の検査と修繕のためのSL第2検修庫が新しく造られました。止まった建物を保存したというより、蒸気機関車を扱う仕事が途切れずに続いたから、車庫も使われたまま残りました。
JR西日本は、京都水族館や京都鉄道博物館などの開発が進むことを、梅小路京都西駅を造る背景に挙げていました。機関車館だった場所が博物館として作り直されることが、嵯峨野線に駅を一つ足す理由の一つになり、京都駅から一駅で着くようになりました。
京都駅から半日で寄るなら、見学の目安の2時間に、SLスチーム号と行き帰りの時間を足して考えてください。水曜日は、祝日か学休期間でなければ休館なので、公式サイトの開館日カレンダーで先に確かめてください。京都水族館も同じ日に回るなら、両館のセット券があります。料金は公式サイトのセット券の案内(PDF)に載っています。