出石皿そばで猪口を使うのは、2皿目からです。1皿目はねぎとわさびをのせたそばに、皿のままつゆをかけます。2皿目は猪口に卵を溶いてからつゆとそばを入れ、3皿目はとろろ、4皿目はまた皿にかけるのが、出石まちづくり公社の観光案内が勧める順です。
一人前5皿の食べ進め方
出石皿そばは兵庫県豊岡市出石のそばです。小皿5皿で一人前とし、徳利に入ったつゆと薬味で食べます。薬味は玉子、とろろ、ねぎ、大根おろし、わさびなどです。白磁の小皿に小分けしたそばを数種類の薬味とともに食べるのが出石皿そばの様式です。
観光案内「DAYTRIP出石」の順で、卵を猪口で先に溶くのは、つゆが先に入っていると溶きにくいからだそうです。3皿目はとろろの半分を猪口に入れてそばと混ぜ、残りのとろろは4皿目のそばにのせます。決まった順はそこまでで、5皿目には好きな食べ方を選べます。追加すれば6皿目からも食べ続けられます。
そば庄によると、昔ながらの食べ方は皿の上にねぎをのせて直接つゆをかけるもので、山芋と玉子をつゆに溶いて食べる形もあり、どう食べるかは客の好みに任されています。一人前を五皿に分けるのは、好きな量を無駄なく食べられるようにするためです。
食べる量には、店が出す一人前の5皿とは別に、地元で言われる目安があります。出石では、箸を立てた高さの分を食べると成人男性の一人前だと言われています。小皿が箸の高さに積み上がるまで、15枚ほど食べると「そば通」といわれるそうです。
出石焼の小皿と三たてのそば
そばを盛る小皿は直径約13cmで、出石焼の白磁です。つゆは店ごとに工夫したもので、同じ出石皿そばでも店によって味が違います。
出石皿そば協同組合が文化庁の100年フードの一覧に書いている作り方は、挽きたて・打ちたて・茹でたての「三たて」です。そこまで時間にこだわるわけは、田中屋食品の頁に「そばとは時間経過と共に鮮度の劣化が激しいからである」とあります。
そば庄・そば処 出石城・入佐屋で食べる
出石の皿そば店は40軒を超え、出石皿そば協同組合の加盟店一覧には30店が載っています。営業時間と定休日は店ごとに違います。
そば庄は昭和41年の創業です。当時2軒あったそば屋は冬の新そばの時期しか開いておらず、農業のかたわら自分でそばを打っていた先代が「年間食せる蕎麦屋を」と店を開きました。場所は出石町鉄砲27-13で、11:00〜18:00(ラストオーダー17:30)、水曜定休です。
そば庄の皿そばは、そば粉8割・小麦粉2割の二八そばです。玄蕎麦をロール製粉でやや黒めに挽いた粉と、殻を取った実を石臼で挽いた粉の2種類を合わせています。十割の「ちひろそば」は、つなぎを使わずそば粉だけで打っています。2026年10月28日の店の頁の表示(税込)では、二八の皿そば5皿が1,100円、追加は1皿180円、ちひろそば5皿が1,300円です。二八の皿そばには静岡県有東木産の本わさびと山芋、玉子が付きます。
そば処 出石城は出石町町分189にあり、10:00〜18:00、不定休です。そばはすべて自家製粉で、地元産のほか自分で納得した玄そばを挽いています。
入佐屋は11:00〜17:00、毎週木曜定休です。天候や気温で変わるそば生地を、手に伝わる感覚でつなぎと水加減を決めて打っています。
出石城と入佐屋の時間は組合の頁の表示です。行く前に各店に確かめてください。
JRの駅から全但バスの出石行きで約30分
出石へは、JRの豊岡駅、江原駅、八鹿駅のどれかで降りて、全但バスの出石行きで約30分です。京都方面からは特急きのさき、大阪方面からは特急こうのとりでこの3駅に着きます。バスの時刻と運賃は全但バスで確かめてください。同じ豊岡市の温泉へ電車で行く道順は、城崎温泉へ電車で行くに書いています。
田中屋食品とそば庄から取り寄せる
家で出石そばを食べたいときは、田中屋食品と、店のそば庄から半生・生のそばを取り寄せられます。どの品も中身はそばとつゆなので、薬味は家で用意します。値段は2026年10月28日の各社の頁の表示(税込)です。
| 頼む先と品 | 中身 | 日持ち・届け方 | 値段 |
|---|---|---|---|
| 田中屋食品 出石そば「極み」(半なま)6人前ギフト | そば100g×6、つゆ60ml×6 | 日持ち90日 | 3,650円 |
| 田中屋食品 出石そば包丁切り(なま)6人前 | 挽きぐるみそば120g×6、つゆ80ml×6 | 日持ち20日、冷蔵で届く | 4,500円 |
| そば庄 半生そば(つゆ付き箱入り) | 半生そばと、薄めて使う出汁 | 振込確認後2〜3営業日以内に発送 | 2ヶ入1,000円から |
| そば庄 生そば | 店で出すそばと、そば出汁。湯がき方の説明書付き | クール便、配送は商品到着当日が賞味期限 | 2人前1,800円から |
田中屋食品の品は通販の頁から注文できます。
そば庄の半生そばは、電話・FAX・メールで受け付けています。店が注文の中身を確かめて折り返し連絡します。生そばは初回だけ電話で注文し、2回目以降はFAXでもかまいません。到着希望日の3営業日前までに頼んでください。店が水曜定休なので木曜着は指定できません。どちらも指定の口座への振込を確かめてから送ります。送料は別で、生そばはさらにクール便料金と包装代がかかります。半生そばは全国に送れますが、生そばは北海道・沖縄県・離島等へは送れません。
出石そばを楽天市場で探すPRと、出石そばの名前で売られている品の一覧を見られます。
信州上田から来たと伝わるそば職人
宝永3年(1706年)、信州上田の仙石家が国替えで出石へ移ったとき、そば打ち職人を連れてきたことから出石にそばが根づいたと伝わります。小皿に盛るようになったのは幕末のころで、屋台のそば屋が持ち運びに便利な手塩皿にそばを盛って出したのが始まりで、のちに出石焼の白磁が使われるようになったとされます。
出石皿そばは、文化庁の「100年フード」に令和4年度、伝統の部門で認定されています。申請した出石皿そば協同組合の設立の発起人には、そば庄と田中屋食品の代表も名を連ねています。