「小松市内で製造された麺であるべし」。小松うどんの決まり八か条の第一条で、決めたのは地元のNPO法人小松うどんつるつる創研です。麺は白山水系の水で細めに打ち、ウルメ・ムロアジ・サバの節と昆布のだしを地元の醤油で色薄く仕立てて食べます。
麺は小松市内で白山水系の水で打つ、と八か条が決めている
八か条は、麺を作る場所を決めた第一条に続けて、手打ちか手打ち風であること、加水量は小麦粉の重さに対して35%以上52%未満、食塩水の濃度は10%を基準にすること、白山水系の水で仕込むことを決めています。
こうして打った麺を、小松うどんつるつる創研(以下、創研)は「細めで程よいコシがあり、つるつるしこしことしたのど越し」と紹介しています。
色にも理由があります。文化庁の100年フードの紹介文によると、ほんのり飴色がかった色は「小松産小麦使用の証」です。中石食品工業の「伝統と味へのこだわり」の頁によると、同社の麺も原材料に小松産小麦を使っています。
だしはウルメ・ムロアジ・サバの節に昆布をふんだんに使う
八か条の第六条は、うるめ・むろあじ・さば節などの節に昆布をふんだんに合わせて、だしをひくよう決めています。100年フードの紹介文には「北前船交流で用いられるようになった昆布」とあり、だしの水は白山の伏流水です。
麺を作る中石食品工業も、自家製のだしを地元小松の醤油で色薄くつくっています。
具は品ごとに変わります。紹介文に挙がるのは、素うどん、冷やしうどん、ニシンうどん、いなりうどん、肉うどんです。
温かい麺は太め、冷たい麺は細めに打つ店もある
加盟店には、基本の路線は守りながら、自分の店のレシピを作る店もあります。創研の提供店舗の一覧にある能美市の梯川お多福の紹介には、「温かい麺は少し太めに、冷たい麺はやや細めに仕上げております」とあります。この店が麺をどこで打つかは、一覧には書かれていません。
小麦の配合を変える店もあり、小松市有明町のほたやは、小松産のユキチカラを50%使った麺です。
朝・昼・夜で選ぶ、小松で食べる3店
提供店舗の一覧では、小松空港2階の中佐中店 空港店が朝7時に開きます。店の頁によると、小松 お多福は夜9時まで開いています。創研には約70店が加盟していて、食べる時間で選ぶなら、この2店と昼の名代めん塾で朝・昼・夜が分かれます。
| 店 | 場所 | 営業時間 | 休み | うどんの値段 |
|---|---|---|---|---|
| 小松 お多福 | 小松市矢崎町。IR粟津駅から車で約4分、IR小松駅から車で約12分 | 11:00〜21:00(L.O.20:45) | 水曜 | うどん650円 |
| 味の中石 名代めん塾 | 小松市日末町。中石食品工業の本社工場に併設 | 平日11:00〜14:00、土日祝11:00〜14:30 | 火曜、年末年始12/31〜1/3 | 打ちたてうどん450円(税込) |
| 中佐中店 空港店 | 小松空港2階 | 7:00〜19:35 | 元日 | 値段は未確認 |
お多福とめん塾は、2026年10月28日の店の公式の頁の表示です。めん塾の値段は税込の表示で、お多福の品書きには税込かどうかの書き添えがありません。お多福は創研の一覧では閉店が23時(日曜は22時)と載っていて店の頁と違うので、行く前に店の頁で確かめてください。空港店の時間と休みは、同じ日の提供店舗の一覧の記載です。
お多福は麺を店で打つため、出すまでに5〜10分ほどかかることがあると品書きにあります。めん塾の打ちたてうどんは、中石が「がらうどん」とも呼ぶ品です。
取り寄せは中石の乾麺か、お多福の生麺か
中石食品工業が平成9年に製造を再開した乾麺が「小松うどん今昔」です。もう一つの乾麺が「小松綸子(りんず)」です。中石は、常温で保存できる生麺のセットも売っています。小松 お多福は、店で出すものと同じ麺とつゆを「本生小松うどん」として通信販売しています。
| 品 | 作る所 | 麺と日持ち | 量 | 値段 |
|---|---|---|---|---|
| 小松うどん今昔 4袋(つゆ付き) | 中石食品工業 | 乾麺・常温保存 | 約12人前 | 3,499円 |
| 小松うどん今昔 5袋(つゆ無し) | 中石食品工業 | 乾麺・常温保存 | 約15人前 | 3,499円 |
| 小松綸子(りんず)1本(つゆ付き) | 中石食品工業 | 乾麺・常温保存 | 約6人前 | 1,575円 |
| 冷やし 小松うどん(めんつゆ付き) | 中石食品工業 | 生麺・常温保存 | 6人前 | 2,160円 |
| 本生小松うどん かけ・ざる | 小松 お多福 | 生麺・賞味期限は製造日から5日間 | 2人前(生麺400g) | 各990円 |
| 本生小松うどん 生麺のみ | 小松 お多福 | 生麺・賞味期限は製造日から5日間 | 2人前(生麺400g) | 594円 |
値段は2026年10月28日の各社の頁の表示です。中石食品工業の頁は、買う先としてamazon.co.jp・楽天市場・Yahoo!ショッピングを案内していて、そこでの値段は違うことがあります。お多福の本生小松うどんは、店の頁からBASEの通信販売で買えます。
食べる日が決まっていて店と同じつゆで食べたいならお多福の生麺、何回かに分けて食べるなら常温の乾麺が向きます。ほかの店の品も含めて見比べるなら、小松うどんを楽天市場で探すPRから、作る所と日持ちを品ごとに確かめて取り寄せられます。
芭蕉に贈られたのも乾うどんだった
創研の「小松うどんとは」の頁によると、元禄2年(1689)、奥の細道の旅の途中の松尾芭蕉に、小松の俳人・塵生が乾うどん二箱を届けました。芭蕉が「殊に珍敷(めずらしき)乾うどん」への礼を書いた返書が残っています。
同じ頁によると、明治30年(1897)に小松駅近くで加登長という店が開き、うどんは庶民が味わえる食べ物になりました。いま金沢市でよく見かける「加登長」も、この頁によれば小松で生まれた店です。明治38年(1905)には中佐が開き、その店で修行を積んだ人たちが中石や中音など「中」の付く屋号で独立しました。
小松うどんは、創研の申請で令和4年度に文化庁の100年フードの伝統の部門に認められています。