「本名『玉子焼』、芸名『明石焼』」。明石夢工房の代表、古志利宗さんの祖父が残した言葉で、代表のあいさつに引かれています。明石焼の名前は昭和63年ごろに市の職員が町のPRになるようにと付けたもので、地元では卵の多いこの玉を古くから玉子焼と呼んできました。
じん粉と卵の生地を、銅鍋で焼いてだしにつける
生地は小麦粉とじん粉、卵、だし汁を混ぜて作り、その中にタコを入れて焼きます。じん粉は小麦粉のでんぷんを精製した粉で、熱を通しても硬くなりません。農林水産省の頁によれば、卵の量がたこ焼きより多く、そのうえじん粉が硬くならないので、ふんわりと焼き上がります。
鍋も違います。たこ焼きを焼くのは鉄板鍋ですが、明石焼には銅鍋を使います。文化庁の100年フードの一覧に明石観光協会が寄せた説明では、銅は熱がよく伝わり、生地のふんわり感を引き出します。焼けた玉は菜箸で返します。銅の鍋に傷をつけないためだと、魚の棚のあかし多幸は説明しています。
焼けた玉はあげ板という板に並べて出され、ソースはかけずに、鰹や昆布のだし汁につけて食べます。同じ説明には、一口食べると「ふわふわ、トロトロの生地の中に、コリコリのタコの歯ごたえ」が広がるとあります。具はタコが基本です。あかし多幸はタコをサイコロぐらいの大きさに切り、明石産をできる限り使い、時期によっては近くの瀬戸内のタコを使っています。
つけるだしは、農林水産省の頁のレシピでは冷たくても温かくても好みでよいとされています。あかし多幸の頁には、冷たいだしで熱い明石焼を食べるのが主流とされるなか、「猫舌店主が比べて美味しく感じたのは熱い出汁」とあります。
明石駅の南、魚の棚の店
市内の明石焼の店は約70店舗(2021年現在)と、農水省の頁にあります。明石駅の南の魚の棚商店街にあかし多幸とよし川があり、明石焼き ゴもその近くの本町にあります。
あかし多幸は魚の棚の中央にある店です。明石観光協会の頁では、営業は11:00〜16:00、土・日曜日・祝日は11:00〜18:00。店の頁によれば、売り切れると営業時間の途中でも終わり、予約は受け付けていません。
よし川は、観光協会の頁が魚の棚でいちばん古い明石焼の店と紹介しています。同じ頁では10:00から売り切れ次第終了、休みは不定休で、支払いは現金だけです。
明石焼き ゴは、観光協会の頁では11:00〜21:00の営業で、休みは月曜日(祝日の場合は翌火曜日)と第1火曜日です。
西明石駅の近くの店
新幹線の止まる西明石駅の周りにも店があります。明石玉 十三味は席が8席の店で、観光協会の頁では営業は11:00〜13:30と15:00〜17:30、昼過ぎに一度閉まり、土・日曜日が休みです。十三味は、店で出す玉を明石玉と呼んでいます。
明石焼 乱は、観光協会の頁では12:00〜22:00の営業で不定休。具はタコのほかに穴子とミックスがあります。
1皿の個数は店によって違います。値段は観光協会の頁のもの(税込)で、出かける前に店で確かめてください。
| 店 | 駅から | 1皿の個数と値段 | 観光協会の頁の更新日 |
|---|---|---|---|
| あかし多幸 | 明石駅から南へ徒歩5分 | 15個 900円 | 2026年10月16日 |
| よし川 | 明石駅から南へ徒歩5分 | 店で確認 | 2025年9月21日 |
| 明石焼き ゴ | 明石駅から南へ徒歩5分 | 10個 700円、15個 800円 | 2026年5月21日 |
| 明石玉 十三味 | 西明石駅から西へ徒歩1分 | 8個 850円 | 2026年5月19日 |
| 明石焼 乱 | 西明石駅から北へ徒歩3分 | 10個 タコ650円、穴子750円、ミックス850円 | 2026年5月21日 |
冷凍を取り寄せる
明石まで行けないときは、焼いて凍らせた品を取り寄せられます。十三味の通販の頁(2026年10月28日の表示)では、十三味の明石玉が1人前6玉と希釈用のつゆ15mlの組で945円(税込)です。つゆは薄めて使います。クール便で届くので、受け取ったらすぐ冷凍庫に入れ、保存期間は製造日から180日。すべて手焼きのため、注文から発送まで5日から約1週間かかります。タコを入れない「たこが入ってない明石玉」も648円で別に売っています。温め方は、この頁には書かれていません。
明石夢工房の冷凍あかし焼きは、銅製の鍋で1玉ずつ手焼きし、タコは明石産の真ダコに限り、小麦粉は国内産を使っていると製造者は書いています。製造者が書く温め方は、袋にはさみで2、3cmほどの切り込みを入れて蒸気を逃がし、500Wの電子レンジで約6分、700Wなら約5分20秒です。添付の特製だしは別に温めます。値段は観光協会の頁(2026年5月19日更新)で、冷凍あかし玉子焼の品名で箱が1,512円、2食パックが1,080円(税込)、宅配便の送料は別です。箱の玉の数と保存期間は、どちらの頁にも書かれていません。
ほかの製造者の品も見比べるなら、明石焼を楽天市場で探すPRと、明石焼の名前で売られている品の一覧を見られます。
新しい明石焼の名前と、玉子焼の店で育った代表
市の職員が付けた明石焼の名前は、農水省の頁によれば、そのまま各地に広まりました。地元の呼び名は品の名前にも残っていて、観光協会の頁では、明石夢工房の冷凍品が冷凍あかし玉子焼の品名で載っています。
古志さんは、祖父母が山陽電車の東二見駅前で営んでいた「玉子焼 てんしん」で幼いころを過ごしました。あいさつによれば、いまは市内の多くの店が明石焼の看板を掲げる一方、市外ではたこ焼きをだし汁に浸したものが明石焼だと思われていることが多いといいます。古志さんはそれを知って、各地での出張の実演販売や、1玉ずつ手で焼いた冷凍品の製造に取り組んでいます。
始まりは人工さんご「明石玉」の余った黄身という説
十三味が店の品名に使う明石玉は、もとは江戸時代の終わりから大正時代にかけて明石で作られていた人工さんごの名前です。明石玉は卵の白身を材料にするので、余った黄身を目の前の海でとれるタコと合わせたのが明石焼の始まりではないか、と農水省の頁は書いています。商売としては大正8年頃、樽屋町に住んでいた向井清太郎さんが屋台で売り始めたのが始まりだといわれます。向井さんの明石焼が評判になり、大阪から業者が見に来て、のちのたこ焼きになったという話も市の頁に残りますが、発祥やルーツには諸説あると添えられています。明石焼(玉子焼)は令和3年度、文化庁の100年フードの近代の100年フード部門に選ばれました。申請したのは一般社団法人 明石観光協会です。
明石駅へは大阪から新快速で約 40 分
明石観光協会の案内では、JR大阪駅から新快速で約40分、JR三ノ宮駅からは新快速で約15分でJR明石駅に着きます。新幹線で来るときは西明石駅で降ります。明石駅とはJR神戸線で約3分です。