大阪・関西万博の大屋根リングの木材が、横浜では1本の塔になる予定です。鹿島建設の KAJIMA TREE で、木材は強度試験と補修をしたうえで再び構造材に使われます(2026年6月9日の鹿島建設のお知らせ)。電車を覆うリングの屋根の SOTETSU PARK から、里山の景に寄り添うという日本政府苑まで、GREEN×EXPO 2027 の館と店の完成イメージを、出展者と協会の発表から館ごとに並べます。
どの図も発表した時点のイメージで、着工後に変わることがあります。展示の中身はパビリオン早わかりにまとめてあります。
GREEN×EXPO 2027 は2027年3月19日から9月26日まで、横浜市の旧上瀬谷通信施設で開かれます。協会の2026年9月16日の発表によると、入場券の販売が進み、9月18日からは来場日時の予約が始まりました。館ごとに予約が要るかどうかは未確認です。
企業と団体が建てる Village 出展の 12 館
Village 出展は企業や団体が建てる館です。
2026年3月19日の東急の発表によると、とうきゅうグループ館は上空から見たときに寄り添う形の種を表したデザインです。図では、白い屋根をかぶった円い建物が木立の間に並びます。来場者の目線に近い膜屋根には、やわらかな光を取り込む考えを入れています。

SOTETSU PARK は、直径約30メートルのリング状の屋根が相鉄の新型車両13000系を覆う形です。相鉄グループの2026年8月28日の発表によると、リングは高さ約8メートルの回遊スペースになる計画で、13000系を含む SOTETSU PARK の様子を上から眺められます。リングの形は同グループのグループマークがモチーフです。図ではリングの下に紺色の13000系が止まり、足元を花壇が縁取っています。

冒頭の KAJIMA TREE は、木の柱を束ねたような細い塔として描かれ、手前に花畑が広がっています。鹿島建設は会場のシンボルタワーとして計画していて、構造には木材と鋼製の制震装置(ダンパ)を組み合わせた「組木制震システム」を使います。

東邦レオのやさしくなりたい。STUDIO は、大阪・関西万博のパナソニックグループパビリオン「ノモの国」のファサードの鉄のフレームと照明を再利用します(2025年7月29日の東邦レオの発表)。2026年5月の図では、金属の輪が絡み合うアーチに緑がからみ、その下に小さな舞台と客席が描かれています。

住友林業館「ひゃくの森」は2026年3月19日の発表にも外観の図を出していて、9月15日の発表の図は、木の壁の建物の上に三角屋根の小屋が乗る形です。9月の発表によると、展示の最後は2階デッキで、ふだん見上げる木々を鳥のような目線から見る体験が用意されます。

NTT東日本は2026年4月8日に NTT EAST館の起工式を開き、あわせてコンセプトと新しい外観イメージを出しました。図では、波打つ白い壁の正面につる植物の緑の壁があり、手前に黒い縦格子の小さな建物と木々が描かれています。

大和ハウスグループ エンドレスハートパークの外観イメージ(2026年3月19日発表)は上空から見た図で、色ガラスのような円い屋根がいくつも柱の上に並び、霧と木々が囲みます。発表のコンセプトの文にも、光を広げる水面と高木の木陰が出てきます。

竹中グループ くるくるくの図は、草で覆われた低い屋根が弧を描き、その下がガラス張りの空間になっています。竹中工務店が2026年10月9日に出したロゴも、この展示施設の屋根の形がモチーフです。

KT GROUP Mobi+ の図では、木の枠を不規則に組んだ外壁の建物が2棟並び、その間の壁を緑が覆います。

三菱みんなの未来館は、小さな木の板を少しずつ向きを変えて並べた外壁の四角い建物で、正面に丸い入口があり、手前を草花と蝶が飾ります。

大林組 モリソラミライは、協会の2025年10月29日の発表に載ったのが外観のスケッチで、高さの違う円筒が寄り集まった形を線で描いています。

シミズ 森のまちの図は、協会の2026年3月19日の発表に相鉄と並んで載ったカードです。右のカードは、格子の箱を積んだような建物と大きな木の図です。

協会と国・横浜市の館と、図がまだ無いかながわ館
協会が自ら運営する展示施設は、テーマ館「ねっこ」、園芸文化館「いろはにわ」、屋内出展施設「はなめぐり」の3つで、愛称は2026年9月15日の協会の発表で決まりました。同じ発表では、テーマ館は植物の形態や構造の合理性を建築に応用した建物とされていて、冒頭の図(テーマ館「ねっこ」)がその完成イメージです。
園芸文化館について、同じ発表には「大地と調和する美しい雁行形式の建築」とあります。図では、芝に覆われた斜めの屋根がずれながら連なり、隣に黒い瓦屋根の建物が建ちます。

はなめぐりは、TSP太陽と永山祐子建築設計の共同企業体が設計・施工を受けていて、図は TSP太陽の2026年9月15日の発表に載りました。白い三角の格子が立体的に重なる正面は、永山祐子建築設計がドバイ万博の日本館のために設計し、大阪・関西万博のウーマンズ パビリオンでも使った組子ファサードの再利用です。

日本政府苑の図は、政府苑の採用事務局が2026年7月14日に配信した発表に載り、図には「展示館 里山の景に寄り添う建築」という言葉が添えられています。図では、黒い屋根の建物からデッキが斜面に沿って延び、桃色の花の木が点在します。協会が運営する3施設とは別の出展です。

横浜市が建物を使って出展する発信拠点は、2026年9月30日に名前が「つなぐ横浜館」に決まりました。下の図は、この館で展示する相鉄グループの9月3日の発表に載ったものです。木の縦格子の外壁に YOKOHAMA の文字があり、入口の前に白い布の日よけが張られています。

TAISEI GREEN TERRACE は大成建設グループが協賛する大型木製テラスで、大成建設の発表によると、会場中央付近の丘状の展望施設です。最初の図は2026年3月19日の発表で、名前に(仮称)が付いていました。9月の図では、花で覆われた細長いテラスが斜めに延びています。発表によると、屋根下には日差しや雨を避けて休める空間を設けます。

Vibrant INOCHI Forest かながわ館の完成イメージは、出展者と協会の発表に載っていません(2026年10月30日時点)。展示の中身はかながわ館の記事にあります。
テーマ営業出店で単独の図が出たのは HONEY HARMONY GARDEN だけ
丸兆の HONEY HARMONY GARDEN は、2026年10月8日に外観の図を公開しました。芝生の広場を花の名前の屋台が囲む図で、飲み物を手にした人たちが黄色いテントの横を行き交っています。図には「計画段階のため、建物・植栽・店舗名・商品などは変更となる場合があります。」と添えられています。

JAグループ、丸兆、明治グループ、ヤマザキパングループの店の図は、協会の2026年3月19日の発表に、店を左右に並べたカードで載りました(下の図)。丸兆の図は上の10月の図より前のもので、白いテントの屋台が芝生の広場を囲みます。JAグループの図は木造の平屋の前に白いテントと食卓が並び、明治グループの図は帽子の人形が顔を出す木の建物、ヤマザキパングループの図は竹のような縦の柱を並べた店です。


編集部の考え
相鉄・三菱・鹿島の図は建物の手前に花壇や草花を置き、ねっこ・いろはにわの図は建物を木立と芝の中に描いています。TAISEI GREEN TERRACE はテラスの上面が花で覆われていますし、東急の図も円い屋根の足元を木で囲んでいます。館を建物の形で選ぶより、会場の花と緑にどうつながるかで選ぶほうが、この博覧会には合うと思います。