秩父札所の34カ寺は、埼玉県秩父地域の約100kmに散らばっています。全部を一度に回ろうとすると大変で、秩父札所連合会自身が「車で3〜4日、徒歩で7〜8日ほど、数回に分けても構いません」と案内しているほどです。2026年は12年に一度の「午歳総開帳」の年で、期間は3月18日(水)から11月30日(月)までです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総開帳の期間 | 2026年3月18日(水)〜11月30日(月) |
| 拝観料 | 無料・年中無休(紅葉期間中の8番西善寺のみ有料。御朱印を受けた人は不要) |
| 御朱印(納経)料 | 500円、2巡目以降の重ね印は200円(令和6年3月1日改定) |
| 納経時間 | 3月〜10月 8:00〜17:00、11月〜2月 8:00〜16:00(昼休み12:00〜12:30) |
| 起点になる駅 | 西武秩父駅(西武鉄道)、秩父駅・御花畑駅(秩父鉄道) |
期間・料金は2026年9月時点、秩父札所連合会の公式サイトによります。納経所は基本的に各札所の本堂そばにありますが、2番の納経所は光明寺、5番の納経所は長興寺です。
1. 午歳総開帳とは:12年に一度、34カ寺が扉を開ける
秩父札所は文暦元年(1234年)3月18日に開かれたと伝わり、今年で790年の歴史があります。「午歳総開帳」は、この34カ寺の秘仏の御本尊を、12年に一度の午歳にあたる年だけ一斉に公開する行事です。総開帳の期間は、通常の御朱印に記念の印が加わるほか、御本尊とつながれた「御手綱」に触れられ、御朱印を受けた人には花びらをかたどった紙「散華」が配られます。34カ寺とも拝観料は無料・年中無休で、紅葉の時期だけ8番西善寺が拝観料を求めますが、御朱印を受けた人は不要です。参拝の作法に難しい決まりはなく、動きやすい服装で構いません。どの札所から巡り始めても構わないとされ、連合会によると江戸時代中期に、現在の巡りやすい順番になったといいます。経本や納経帳などの巡礼用品は、連合会の公式通販サイトや各札所でも購入できます。
2. 34カ寺の散らばり方:歩ける寺と、バスや長い徒歩が要る寺
1番から15番あたりまでは、西武秩父駅・秩父駅・御花畑駅から徒歩数分から20分ほどで隣の寺へ移動できます。たとえば13番慈眼寺は西武秩父駅から徒歩6分、14番今宮坊は同15分、15番少林寺は同8分と、中心部の札所は駅の近くに並んでいます。連合会の札所一覧によると、4番金昌寺は3番常泉寺から徒歩20分、次の5番語歌堂までも徒歩20分です。34カ寺の所在地を市町村で見ると、5番から10番までの6カ寺は横瀬町、31番と32番は小鹿野町、終着の34番は皆野町にあり、残りは秩父市です。

一方、山あいへ入る28番より先は距離が伸びます。29番長泉院のページによると、28番から29番までは徒歩40分(1.8km)ですが、30番法雲寺のページでは29番から30番までが徒歩120分(7.1km)、31番観音院のページでは30番から31番までがさらに徒歩6時間(18km)です。31番は西武観光バス「栗尾行」で栗尾のバス停まで行き、そこから山門まで徒歩45分、山門から本堂までは石段約300段を15分かけて上ります。33番菊水寺へは西武観光バス「小鹿野車庫・栗尾行」で「泉田」下車、徒歩35分です。終点の34番水潜寺は「日本百観音の結願寺」とされ、皆野駅から皆野町営バス「日野沢行」に乗り、「札所前」で降りると徒歩3分です。32番から34番までも、隣の札所まで徒歩1〜3時間の距離が続き、後半は徒歩だけで回るのは難しい区間です。

各札所への路線バスは西武観光バス・秩父市営バス・小鹿野町営バスなどが運行しており、札所ごとの停留所と行き先は連合会の各寺ページに載っています。ただし本数と時刻表は今回確認できておらず、未確認です。出発前に西武観光バス秩父営業所(0494-22-1635)などで確かめてください。連合会の参拝心得は、巡礼道が自然の中を通るため熊に注意するよう案内していて、これまでに被害情報はないとしています。
3. 何日で回るか:連合会のモデルコースはまだ準備中
連合会の「巡り方ガイド」は、車・自転車・徒歩それぞれのおすすめルートマップを載せる予定ですが、2026年9月時点ではいずれも「coming soon」で公開されていません。資料請求をすると、秩父の中心地の地図や、自家用車・バス・徒歩それぞれのモデルコースを載せた資料が郵送されます(届くまで最大1カ月)。何日・何回に分けるかの具体的な区切り例は、公式にはまだありません。
4. 起点になる駅:西武秩父駅・秩父駅・御花畑駅
池袋方面からは、西武鉄道の特急ラビューで西武秩父駅まで最短77分です。秩父鉄道の駅情報によると、西武秩父駅から御花畑駅までは徒歩約10〜15分で、御花畑駅のひとつ隣が秩父駅です。秩父鉄道は他に大野原駅・浦山口駅・影森駅・白久駅なども札所の最寄り駅にあたり、白久駅は30番法雲寺、影森駅は27番大渕寺の最寄りです。西武鉄道は、西武秩父駅までの往復乗車券に祭の湯・バス・レンタカーのいずれかで使えるクーポンが付く「秩父漫遊きっぷ」や、芦ヶ久保〜西武秩父駅間と秩父鉄道の一部区間が乗り放題になる「秩父フリーきっぷ」を扱っています。特急券・指定券はチケットレスサービス「Smooz」でインターネット購入もできます。
何日かに分けて回るなら、宿は楽天トラベルの秩父駅周辺のホテル・旅館の一覧PRで探せます。秩父鉄道の秩父駅のまわりの宿がまとまっていて、御花畑駅のひとつ隣です。
5. 27番大渕寺・28番橋立堂は御朱印の受け方に注意
27番大渕寺は「御朱印は観音堂で参拝をした証」という御朱印本来の意味を厳格に実践しており、①観音堂(月影堂)で参拝、②納経所で御朱印、の順を守るよう連合会が案内しています。山門を入ってすぐの建物は観音堂ではなく、階段を上った山の中腹のお堂が観音堂です。連合会の参拝心得の「基本のキ」も、同じ順番(観音堂で参拝してから納経所で御朱印)を勧めています。28番橋立堂は12月第2月曜日から2月末日まで冬季閉鎖になり、この間は28番の御朱印も27番でまとめて受け、2カ寺分の御朱印料を27番に納めます。27番の駐車場は、札所巡りとお檀家以外の利用(ハイキングや鉄道撮影など)を連合会が断っています。

6. もう一つの楽しみ方:デジタルスタンプラリー
秩父地域おもてなし観光公社と秩父地域誘客促進協議会は、総開帳の期間中「秩父札所34ヶ寺巡り 午歳総開帳 開運スタンプラリー」を無料で実施しています。参加方法は、各札所に掲出された二次元コードをスマホで読み取るだけです。スタンプは秩父市・横瀬町・皆野町・長瀞町・小鹿野町の1市4町、約100店舗で使えるクーポンにもなり、スタンプの数に応じてウィスキーの限定ボトル購入権や秩父の特産品、秩父札所関連の記念品といった景品も用意されています。
7. 編集部の考え
34カ寺を一度に、と身構える必要はないと思います。連合会の案内にも「数回に分けても構いません」とありますし、御朱印は年中無休で時間内ならいつでも受けられます。西武秩父駅・秩父駅・御花畑駅の近くに固まった前半の札所をまず回り、山あいの後半は日を改めて車やバスで、という分け方が現実的です。記念印と散華だけが目当てなら、前半の徒歩圏の札所を回るだけでも総開帳らしい体験になります。