トヨタ博物館(愛知県長久手市)のクルマ館には、19世紀末のガソリン自動車の誕生から現代までの車が、日本・アメリカ・ヨーロッパの代表的なものを中心に約150台並んでいます。館の概要には、その車について「ほとんど全ての車両は走行可能な『動態保存』としています。」とあります。展示室の車の大半は、いまも走らせられる状態で保たれています。
館はトヨタ自動車の創立50周年記念事業のひとつとして、1989年4月に開きました。敷地にはクルマ館と文化館の2棟があり、入場料は大人1,200円です。ただし文化館の1階と3階は、入場券がなくてもだれでも入れます。
入場料と割引
一般の入場料(税込)は、大人1,200円、65歳以上700円、中高生600円、小学生400円で、未就学児は無料です。大学・専門学校の学生は、学生証を見せると本人に限り1,000円になります。20名以上の団体は大人1,000円。障害者手帳などを持つ人は大人・シルバー・中高生が300円、小学生が200円で、介助の人は1名まで無料です。
名古屋市のトヨタ産業技術記念館との共通券もあり、大人1,800円で、2館を別々の日に回れます。支払いには現金のほか、クレジットカードと、QUICPayや交通系ICカードの電子マネーが使えます。当日中なら、券を見せて再入場できます。
2026年7月からは、日付指定のWebチケットも売っています。買ったあとに出る入館用の二次元コードがあれば、受付や自動券売機に並ばずに入れます。個人の見学なら予約は要りませんが、バスで来る団体と20名以上の団体は予約が必要です。
無料で入れる文化館の1階と3階
文化館の1階には、子どもが自由に乗れる展示車のほか、ミュージアムショップとミュージアムカフェ「CARS & BOOKS」があります。3階はクルマの図書室で、車の絵本を集めた「のりもの・えほん・としょしつ」もここです。クルマ館1階のレストラン「AVIEW」も無料ゾーンにあり、駐車場に面した入口から入れば、レストランだけの利用もできます。名物はトヨタ博物館カレーで、ショップではレトルトも売っています。
クルマ館から文化館へ移る途中には、無料の「ミュージアム ラウンジ」があります。趣味室やガレージを模した部屋で、館の所蔵品を眺めたり触れたりでき、ミニカーのギャラリーもあります。
クルマ館と文化館の中身
クルマ館は3つの階に分かれています。1階にあるのは、開館に合わせて当時の図面を基に作り直したトヨタ初の生産型乗用車「トヨダ AA型乗用車」(1936年のレプリカ)で、建設当時の挙母工場のレリーフも並んでいます。2階は1886年の「ベンツ パテント モトールヴァーゲン」(レプリカ)から1950年代までを8つのゾーンで、3階は1950年代から現代までを5つのゾーンで見せています。
文化館2階のクルマ文化資料室には、館が集めてきた20万点以上の文化資料から約4,000点が出ています。ポスターやカーバッジ、切手、ブリキのおもちゃなどで、約800台のミニチュアカーを年代順に並べたケースが展示の軸です。フランスのガラス工芸家ルネ・ラリックが作ったガラス製のカーマスコットは、全29種類を常設で並べています。
館のスタッフが案内するガイドツアーは、クルマ館が10:15と14:00から約1時間、文化館が13:00から約30分です。展示の解説パネルにある二次元コードをスマートフォンで読み取ると、日本語・英語・中国語・韓国語で解説を読め、一部の車は走る動画も見られます。館内のWi-Fiは無料です。よくある質問にある見学時間の目安は、1時間半から2時間ほどです。
P1駐車場での走行披露
動態保存の車が実際に走るのを見られるのが、駐車場で開く走行披露です。いまの企画展に合わせて、2026年12月12日(土)は「レジェンドになったアメリカ車たち」としてデロリアン DMC12などを、2027年1月9日(土)は「ボーイズレーサーと呼ばれたクルマたち」としてトヨタ MR2などを走らせます。どちらも11:00〜11:30と14:00〜14:30の2回で、場所はP1駐車場、雨の日は中止です。予告なく車両が変わる場合もあります。
申し込んで乗れる催しもあります。11月28日はシボレー インパラ コンバーチブルの同乗試乗・走行会で、応募は11月1日まで受け付けています。
企画展「日本のモータリゼーション」
文化館2階の企画展示室では、2026年9月11日から2027年2月28日まで、企画展「日本のモータリゼーション -マイカー元年から 60 年-」を開いています。1966年は、カローラやサニーのような量販車をきっかけに車が一般の家庭へ広がり始めた年で、「マイカー元年」と呼ばれています。展示は約10台で、館の案内には「なぜ一部の車種だけが長く支持され続けてきたのか」を振り返るとあります。
車両は国内の自動車メーカー5社と日本自動車博物館の協力で集めていて、11月29日までと12月1日からで一部が入れ替わります。クルマ館1階のエントランスには、企画展に連動して、個人が持っているトヨタ カローラ TE71型4ドアセダン(1979年)が10月25日まで置かれています。
開館時間と休館日
開館は9:30〜17:00で、入館の受付は16:30まで。休館日は月曜(祝日の場合は翌日)と年末年始で、春と夏は変わる場合があります。愛知県尾張東部に暴風警報などが出たときや雪の日は、臨時に休むこともあります。
開館カレンダーには休館日と小学生無料入館日が色分けで載っていますが、2026年の年末年始の休館日と、年内の小学生無料入館日の日付は未確認です。
芸大通駅からの行き方
電車なら、リニモ(東部丘陵線)の「芸大通駅(トヨタ博物館前)」で降り、1番出口から歩いて約5分です。名鉄バスのトヨタ博物館前からも徒歩約5分。館のアクセスの頁には、セントレアと藤が丘を結ぶ空港バスと、藤が丘から芸大通までのリニモの時刻表が載っています。
車なら名古屋瀬戸道路の長久手ICから西へ0.4km。駐車場は無料で、乗用車320台、バス7台が止められます。
撮影と車いす、ベビーカー
館内は、個人的または非営利の目的なら写真も映像も撮れます。ほかの客や館員を撮ること、ガイドツアーの録画・録音は禁止で、三脚や大型機材を使う撮影も断られています。展示車に乗り込めるのは屋外と館内に1台ずつで、ほかの車には触れられません。
車いすとベビーカーは無料で借りられ、貸出の窓口はクルマ館1階と文化館1階です(数に限りあり)。館内にはスロープとエレベーターがあり、エレベーターは車いす2台まで乗れます。車いすやベビーカーでエスカレーターに乗ることはできません。多目的トイレはクルマ館1階・2階と文化館1階の3か所、授乳室はクルマ館1階と文化館1階の2か所。館内に飲食物は持ち込めませんが、屋外の芝生広場なら弁当を広げられます。