豊川稲荷に奉納されていたのは、油揚げにおからを詰めたものだったそうです。江戸時代初期の五穀豊穣の祈願で、そのおからがのちに米に変わっていなり寿司になった、と豊川市観光協会は文化庁への申請文で説明しています。いま門前で食べられるのは山彦・松屋・なかよし・かどやの4店で、店頭で買えるのは山彦(8:30から)と松屋(10:00から)です。
いまの豊川いなり寿司は、同じ申請文では形が俵型で、「手握りで、ふわっとジュシーな油揚げが特徴です」(表記は原文のまま)。油揚げの味、酢飯、具は各店が工夫を凝らしていて、同じ文はそれを「味いろいろ・工夫いろいろ」と呼びます。具の入らないものに加えて、五目いなり、わさびいなり、味噌カツいなり、うなぎをのせたいなり寿司があります。
申請文によると、門前町で栄えた豊川市にはいなり寿司の店が多く、参拝者に親しまれていました。この申請で、地域の食文化を文化庁が認定する100年フードの令和6年度の伝統部門に認定されました。豊川市観光協会は、保育園や小中学校のおやつや給食で豊川いなり寿司を広める活動をしていて、市のまちおこしを支えています。
総門前の角にある門前そば山彦
豊川稲荷の総門の前の角にあるのが、有限会社門前そば山彦です。観光協会のページでは、いなほ稲荷ずしと自家製の細打ちきしめんの店。店の公式サイトでは、いなほ稲荷寿司の名前は、米がたくさん採れますようにという願いから来ています。ひじき、人参、椎茸、くるみ、竹の子の5つの具が入った五目稲荷で、時間がたってもおいしく食べられるように「やわらかく、ふっくらと握り上げ」ているとあり、お土産にも使えます。
観光協会のページの営業時間は8:30〜17:00で、店の公式サイトではこれが持ち帰りの時間です。持ち帰りは8:30〜17:00(毎月1日は6:30から)、店で食べるのは10:00〜16:00で、どちらも売り切れ次第終了の注記があります。定休日は木曜日ですが、1日と祝祭日、大祭の日は営業します。所在地は門前町1で、観光協会のページの平均予算は800円からです。
和食処松屋の店頭販売
観光協会のページの店名は「創作豊川いなり寿司 和食処松屋」で、所在地は門前町5。店頭販売が10:00〜17:00で、なくなり次第終了です。店内で食べるのは11:00〜14:30で、夜は予約制(電話は0533-86-2825)。定休日は月曜日で、1月と2月は休みません。店名の「創作」が指すどんないなり寿司を売っているかは、観光協会のページに無く未確認です。
なかよしとかどやは鰻の店
味処なかよしは門前町41にあり、たれで焼いた鰻と、昔ながらのいなり寿司の店です。観光協会のページの店の紹介は「豊川稲荷の参拝帰りにどうぞお寄りください」で、豊川稲荷の正門から徒歩2分。営業時間は11:00〜22:00で、17:00以降は要予約(電話は0533-86-2783)、定休日は不定休です。うな丼・うな重などの持ち帰りができます。平均予算はランチ時650円から。
かどやは門前町6。うなぎ丼とひつまぶしのほか、うなぎランチにきしめん、いなり寿司、でんがくが付きます。営業時間は10:30〜15:00で夜は要予約(電話は0533-86-3365)、定休日は毎週金曜日。平均予算はランチ1500円からです。なかよしとかどやで、いなり寿司だけを持ち帰れるかは、観光協会のページに無く未確認です。
門前の外の店は、NPO法人みんなで豊川市をもりあげ隊が発行する「豊川いなり寿司図鑑」に載っています。Vol.9は令和5年3月の発行で表紙に32店舗、国府駅や伊奈駅の近くの店も入っています。門前の店では、山彦の豊川いなり寿司がいなほ稲荷寿し、いなほミックス稲荷寿し、いなほわさび稲荷寿しの3種類で載っています(令和5年3月時点)。掲載は令和5年の発行時点の情報で、料金は各店に問い合わせるよう注記があります。
豊川駅と豊川稲荷駅から徒歩5分
豊川稲荷(寺の名は妙厳寺)の公式サイトの交通アクセスでは、東京方面からも名古屋方面からも、豊橋駅でJR飯田線に乗り換えて豊川駅で降り、徒歩5分。名古屋方面からは名鉄名古屋駅から急行の豊川稲荷駅行きに乗るか、国府駅で名鉄豊川線に乗り換えて豊川稲荷駅で降り、徒歩5分です。門前の4店も、観光協会のそれぞれのページでどちらの駅からも徒歩5分です。
参拝と合わせるなら、総門は午前5時から午後6時まで開いていて、御本殿は午前7時半から午後3時半まで、お札・お守りの授与は午前8時から午後3時50分まで。山彦の持ち帰りは8:30からで売り切れたら終わるので、朝のうちに参拝してお守りを受け、その足で買う順になります。松屋の店頭販売は10:00から、なかよしの食事は11:00から、かどやは10:30からです。