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草加せんべいは本場の印で選ぶ:100年フードの堅焼きを草加宿の駅で買う

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草加松原の黒松並木。石畳の遊歩道が一本の道としてまっすぐ延び、左手に川沿いの柵、右手に東屋が見える
日光街道の草加宿の北に続く草加松原。国の名勝「おくのほそ道の風景地」に指定されている 写真: Souka Kinmei(CC0、Wikimedia Commons) https://commons.wikimedia.org/wiki/File:%E8%8D%89%E5%8A%A0%E6%9D%BE%E5%8E%9F(%E9%BB%92%E6%9D%BE%E3%81%AE%E4%B8%A6%E6%9C%A8).jpg 撮影: 2024-10-02

草加せんべいの袋に付く「本場の本物」の印は、草加せんべい振興協議会が自分たちで決めた条件を満たした品の目印です。10年以上の経験を持つ伝統産業技士が焼き、地域で穫れたうるち米を100%使い、押し瓦で手焼きするか、それに準じた押し焼きで作ること。協議会が平成18年1月に94の商品で申請し、同じ年の2月21日に認定されました。草加市の公式サイトでは、このとき草加せんべいほか6品目が「本場の本物」の第1号です。

草加宿で生まれたから、草加せんべい

文化庁の100年フードは、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を国が認定する取り組みで、草加せんべいは令和3年度に伝統の100年フード部門で認定されました。応募したのは草加せんべい振興協議会と埼玉県物産観光協会で、協議会のお知らせでは令和4年3月3日の認定です。この回は応募212件のうち131件が認定され、埼玉県からは熊谷市の五家宝、行田市のフライ・ゼリーフライと合わせて3件でした。

文化庁の一覧に載る認定の文は協議会が書いたもので、「草加宿で生まれたから、草加せんべい」で始まります。地元で穫れた米で作る米せんべいが、日光街道の宿場町として栄えた草加宿の名物になり、この名で呼ばれたのが名前の起こりです。作られるのは、江戸時代からの水田地帯だった草加を含む中川流域。同じ文は「草加せんべいは米と醤油を使った堅焼きせんべいの代表」とも言い、小麦と砂糖で作る甘口のせんべいとは風味が違うと分けています。

認定を受けた協議会のお知らせには、豊田重治会長の「古くからの伝統を守り、コツコツと煎餅を作り続けてきた甲斐があった」という言葉が載っています。

名前が広まったから印が要った

草加市の公式サイト「草加せんべいの歴史と現在」によると、名が全国に知られたのは昭和30年代です。米の統制が解け、駅やデパートの即売会で売られるうちに知名度が上がりましたが、同時に草加以外の煎餅屋の製品や違う製法の品に草加せんべいの名を使う業者が全国に広がり、信頼が落ちました。協議会の側も、商標の登録は長年の夢でしたが、すでに多くの業者が名称を使っているなどの理由で申請を何度も却下されてきました。

そこで市と煎餅業者が組み、平成18年2月の「本場の本物」の認定に続いて、平成19年6月に地域団体商標「草加せんべい」を登録しました。平成27年には草加市議会の2月定例会で「草加せんべいの普及を促進する条例」が制定され、市民と市の役割が決められています。印と商標と条例が、名前の広まり方に後から追いついた形です。

米どころの保存食から

草加市の公式サイトによると、草加は昔から米どころで、農家は余った米を団子にして乾かし、保存食にしていました。江戸時代に草加宿ができて茶屋や物売りが並ぶと、この保存食も店で売られて広まったと考えられています。はじめは生地に塩を練り込んだもので、醤油を塗るようになったのは幕末から。協議会の由来のページは、利根川沿岸で醤油が造られるようになってからと説明します。大正時代に川越で行われた特別大演習で、煎餅が埼玉の名産として天皇に献上され、このころから「草加せんべい」の名が広まりました。

観光マップに出る、街道の茶屋のおせんさんが団子を平らに干して焼いたという話は、市の公式サイトでは昭和時代に作られた物語だとしています。協議会も由来のページで、通説とは別に俗説として載せています。

買う店は会員マップとぱりっせ

草加市内のせんべいの製造所と販売所は約40軒あります。協議会の会員マップには本店と支店を分けて37の店名が並び、店名を押すと地図に場所が出ます。草加駅から歩いて行ける店がどれかは未確認で、会員マップの地図で確かめてください。

伝統産業展示室・売店ぱりっせは、草加市文化会館1階(草加市松江1丁目1番5号)にあり、東武スカイツリーラインの獨協大学前<草加松原>駅東口から徒歩5分です。開館は午前10時から午後5時で入館無料、休館日は第1水曜日と12月29日から1月3日。公式サイトは臨時休館があると断っていて、2026年の休館日の一覧も出しています。展示室には草加せんべいの歴史と製造工程のパネルと昔の製造器具があり、人の背丈より大きいせんべいのオブジェの前で写真が撮れます。売店では草加せんべいと草加の革製品を買えます。2026年4月3日の協議会のお知らせによると、ぱりっせは文化庁の「食文化ミュージアム」の「食の体験・情報発信施設」に認定されました。

手焼き体験は、ぱりっせではバレンタインなどの催しのときだけの予約制(約20分、1人2枚500円)で、ほかに市の「草加せんべい手焼体験」の一覧に4軒の店が載っています。

草加まで行かない日は、楽天市場で草加せんべいを探すPRとAmazonの検索結果PRに草加の店の袋入りが並びます。

草加駅と獨協大学前<草加松原>駅

東武スカイツリーラインの草加駅と獨協大学前<草加松原>駅は隣どうしです。草加駅は草加市高砂2丁目にあり、市役所も同じ高砂の町にあります。2024年度の1日平均の乗降人員は84,528人。ぱりっせと草加松原は、獨協大学前<草加松原>駅の東口から徒歩5分です。

草加松原は日光街道の草加宿の北側に続く松並木で、平成26年(2014年)3月18日に「おくのほそ道の風景地」の一つとして国の名勝に指定されました。松尾芭蕉が元禄2年(1689年)3月27日に深川を発った旅の初日に、草加宿にたどり着いたと『おくのほそ道』に書いた土地です。松は寛政4年(1792年)に草加宿の人々が苗木1,230本を植えた記録が古文書に残り、昭和40年代の公害で減ったあと、市民と市の補植で634本まで戻りました。駅の東口から正面大通りを東へ進んだ、県道足立越谷線沿いにあります。

編集部の考え

草加せんべいの「本場」の印は、名前が全国に広まったあとで作られたものです。昭和30年代に即売会で名が知られると、草加以外の品が草加せんべいを名乗り、協議会の商標の申請は何度も却下されました。平成18年の「本場の本物」の印、平成19年の地域団体商標、平成27年の市の条例、そして令和3年度の100年フードの認定は、いずれも草加の職人と米で焼いた品を名前の上で分けるための手続きです。草加の店で買うときは、袋のこの印を見れば、協議会の条件で焼かれた品だと分かります。

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