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狭山茶は入間で生まれた関東初の煎茶。茶畑の見える場所と買える店

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青空の下、地平線まで一面に広がる入間市の茶畑。遠くに住宅と電柱が並び、畑の中に防霜ファンの支柱が立っている
入間市の茶畑(2010年10月16日撮影) 写真: 京浜にけ(CC BY-SA 3.0、Wikimedia Commons)

狭山茶の産地の真ん中は、西武池袋線の入間市駅がある埼玉県入間市です。市の条例は入間市を狭山茶の誕生の地で最大の主産地と言い、入間市茶業協会の会員は77軒。令和4年度には、文化庁が地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を認定する100年フードの伝統の100年フード部門に、協会の申請で認定されました。

関東以北で初めての蒸し製煎茶

認定の文は入間市茶業協会が書いたものです。狭山茶は埼玉県内と、隣接する東京都西部で作られた茶を指します。江戸時代後期、狭山丘陵の北麓(今の入間市と東京都瑞穂町)の住民が蒸し製煎茶の製造技術を京都から持ち込み、「関東以北で初めてその製造に成功しました」とあります。

その住民の名前は、入間市博物館ALITの狭山茶の歴史のページにあります。二本木村西久保(今の入間市宮寺)の吉川温恭と、隣の坊村(今の瑞穂町)の村野盛政です。二人は文化13年(1816年)に自分たちの茶を江戸の茶商山本山へ贈り、文政2年(1819年)に江戸の茶問屋と売買契約を交わしました。天保3年(1832年)には、茶作りを始めた地の出雲祝神社(入間市宮寺)の境内に記念碑「重闢茶場碑」を建てています。

「狭山茶」の名が産地全体の呼び名になったのは明治8年(1875年)です。幕末に横浜が開港すると、この地域の茶は八王子を経て横浜へ運ばれ、八王子茶と呼ばれて安く扱われました。そこで入間市近在の茶業者が狭山会社を設立し、名前を狭山茶に統一しました。明恵上人が河越に茶の種を植えたという話は、ALITによると史実ではなく江戸時代に広まった伝説です。

味は狭山でとどめさす

入間市茶業協会のサイトには、狭山茶作り歌の一節「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」が載っています。狭山の茶産地は全国の主な産地の中では北にあり、茶を摘める回数が少ない代わりに葉がじっくり育つ、というのが協会と市の説明です。仕上げには「狭山火入れ」と呼ばれる火入れをします。認定の文では強い火入れで独特の香ばしさが生まれ、協会のサイトではじっくり時間をかけた火入れで甘く濃厚な味になります。いまの製茶は機械ですが、協会は手揉み茶の技術の保存を活動に入れています。

自園・自製・自販の77軒

認定の文にあるもう一つの特色が、栽培から販売までを一軒で行う「自園・自製・自販」の茶業者が多いことです。味や風味の違いやこだわりは、そこから来ます。

入間市茶業協会の会員一覧は、豊岡8名・東金子14名・金子37名・藤沢11名・宮寺・二本木5名・西武2名の合計77名です。市の条例のページには、市内に80を超える茶業者と約100の茶葉販売店があるとあります。

入間市駅のある豊岡地区の会員は8軒です。田代園(高倉)、西沢園(扇町屋)、モリタ園(扇町屋)、小沢園・市川園・長谷部製茶(東町)、増田園製茶所(豊岡)、山畑園(久保稲荷)。駅から歩く時間は協会のページに無いので、住所で確かめてください。一覧には紅茶の取り扱いの欄もあり、豊岡地区では西沢園・モリタ園・長谷部製茶・増田園製茶所に印が付いています。店ごとの直売の有無と営業日は未確認です。

遠くから取り寄せるなら、楽天市場で狭山茶を探すPRとAmazonの検索結果PRで、茶園ごとの品を見比べられます。

金子台の茶畑と茶の輪

入間市の景観50選「茶畑と周辺風景」の所在地は、上谷ヶ貫244周辺です。約400ヘクタールの茶畑が一面に広がり、八十八夜を過ぎる頃には一番茶の茶摘みがあちこちで見られます。市の案内では、日本一の道標(新久南交差点脇)から西の青梅方面へ、茶どころ通りを挟むように茶畑が続きます。条例の解説では、金子台が県内最大のまとまった茶畑です。

その金子台の茶畑の中に、市は茶畑テラス「茶の輪」を置いています。事前予約制の貸切テラスで、90分の貸切にお茶とお茶菓子が付きます。予約はLINEの専用サイトからで、当日は受付のお茶屋で茶葉や急須の入ったセットを受け取って向かいます。2026年は7月13日から夏季休業し、9月12日に再開しました。周りの農地は私有地で、予約なしに入れる展望台ではありません。

入間市博物館ALITのお茶の展示

入間市博物館ALITは入間市二本木100にあり、展示に「お茶の博物館」があります。狭山茶の項は、産地の風土と特徴、歴史、製造方法と道具の3つに分かれています。行き方は西武池袋線の入間市駅の2番乗り場から西武バスで20分、入間市博物館行きの終点です。

開館は9時から17時(入館は16時30分まで)。休館は月曜(祝日なら翌日)と祝日の翌日、年末年始、毎月第4火曜の館内整理日です。常設展示の観覧料は大人200円、高・大学生100円、小・中学生50円で、未就学の子と65歳以上は無料。料金と交通のページは2020年10月22日の更新なので、行く前に館の公式サイトで確かめてください。

新茶まつりと狭山茶の日

入間市茶業協会の八十八夜新茶まつりは、2026年は5月2日に入間市役所で開かれました。協会のお知らせには、体験や試飲に長い列ができたとあります。次回の日程は協会のサイトにまだ出ていません。

市の条例は狭山茶の日を6月の第1日曜と定めています。新茶が出揃う時期で、1819年6月の江戸の茶問屋との取引開始が由来です。条例の第4条には、市民は「一日一杯の狭山茶を飲むなど狭山茶のある生活を心がけます」とあります。市民意識調査では、入間市の魅力として狭山茶と茶畑が毎回1位です。

編集部の考え

100年フードに申請した入間市茶業協会の会員77軒の多くは、栽培から販売まで一軒で行っています。認定の文では、味や風味の違いやこだわりはそこから来ます。入間市駅のある豊岡地区だけでも8軒が会員で、同じ狭山茶の名で店ごとに別の茶が買えます。狭山茶の日の由来も、1819年6月に産地が江戸の茶問屋と自分で取引を始めた日です。

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