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ラジウム玉子:飯坂温泉の共同源泉で作る温泉玉子、店の一覧と買い方

近代の100年フード · 令和4年度認定

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青空の下、通りに面した木造二階建ての共同浴場「鯖湖湯」の外観。入口に「鯖湖湯」と染めた紺の暖簾が下がり、前に街灯と花の鉢が並ぶ
飯坂温泉の共同浴場「鯖湖湯」の外観(福島市飯坂町) 写真: Higa4(CC0、Wikimedia Commons) 撮影: 2023-04-16 元ページ: https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sabakoyu_01.jpg

福島市の飯坂温泉では、源泉に卵をつけて作る温泉玉子をラジウム玉子と呼びます。福島市が文化庁に出した認定の文には、「福島市民は『温泉玉子』とは呼ばず『ラジウム玉子』として呼ぶほど親しまれている」とあります。旅館が昔から朝食に必ず出し、地元のスーパーでも売られてきた卵です。

文化庁が、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を認定する「100年フード」の令和4年度の認定で、ラジウム玉子は近代の100年フード部門に入りました。申請者は福島市で、認定の文には、福島市の食卓文化の一品として長く食べられてきた卵だとあります。

店ごとに違う卵の仕入先と、源泉につける時間

飯坂温泉には、ラジウム玉子を作って売る店がいくつもあります。認定の文によれば、共同源泉を使って作る店が多いのですが、「それぞれ卵の仕入先や、源泉につける時間が異なることから、味や食感に個性が宿る」。作り方は店の説明ごとに少し違い、飯坂温泉オフィシャルサイトでは摂氏63〜70℃の源泉に30分から小一時間、阿部留商店の説明では約70度前後の天然源泉かけ流しの湯船に小一時間です。

福島市のnote(fukushima-city.note.jp)には、卵の色や固さは店ごとにやわらかいものから固めのものまであり、パッケージの図柄もそれぞれ違う、とあります。同じnoteは、食べ比べて好みの固さを探すよう勧めています。福島市はラジウム玉子を町おこしに使っていて、ラヂウムTシャツやラヂウムべこという品もあります。

旅館の朝食と、スーパーの棚

認定の文では、飯坂温泉の旅館は昔から必ず朝食にラジウム玉子を出し、地元のスーパーでも売られています。福島市のnoteによると、市内のほとんどのスーパーで買え、スーパーによって扱う銘柄が違います。4個入りや6個入りがあり、常温で2週間程度保存できます。認定の文では、土産としても人気です。

食べ方で最もポピュラーなのは、熱いご飯にのせてだし汁や醤油をかける形です。福島市のnoteは、少量の塩かだし醤油を挙げています。サラダやパスタにのせる食べ方、ソフトクリームにのせてグラノーラと混ぜるラジグラソフトという食べ方も、認定の文に載っています。

飯坂温泉でラジウムが確認されるまで

1898年にキュリー夫妻がラジウムを発見したあと、東京帝国大学の医学生だった真鍋嘉一郎が、日本で初めて飯坂の温泉にラジウムがあることを確かめ、学会に発表しました。飯坂温泉はこれを機に、温泉玉子をラジウム玉子として売り出しました。ここまでが飯坂温泉オフィシャルサイトに出ている経緯です。同じサイトは2021年5月、飯坂小学校の校長室でラジウムに関する資料が見つかったことを、福島民友新聞の5月20日の記事とともに載せています。

阿部留商店は、福島市観光コンベンション協会の案内では明治11年に青果店として創業した店で、店の公式サイトによれば創業者は阿部留五郎、二代目の阿部義雄が飯坂温泉名物としてラヂウム玉子を開発しました。店の表記は「ラヂウム」で、玉子は毎日、天然源泉で作っています。製造販売を続けて百年余、2023年3月のお知らせには誕生から100余年とあり、赤、青、黄色のパッケージは売り始めた当初から変えていません。

温泉街で作って売る店

飯坂温泉オフィシャルサイトの2019年7月の案内に載る販売店は、菅金商店(飯坂町西滝ノ町)、阿部留商店(飯坂町湯野橋本)、大作直売所(飯坂町笠松)、玉手商店(飯坂町湯沢)、岩城屋米穀店(飯坂町立町)の5軒です。同じサイトの「食べる」のページには、大作直売所を除く4軒が載っています。飯坂温泉観光協会の「おみやげ・ランチ」の案内(PDF)には、阿部留商店、岩城屋米穀店、玉手商店、丸滝、菅金商店、大作玉子屋の6店が載っています。

阿部留商店は飯坂温泉駅から徒歩2分、営業は8:00〜19:00、定休日は毎週火曜日で、月ごとの臨時の休みは公式サイトのお知らせに出ます。店内で食べる席はなく、物産の販売だけです。ラヂウム玉子のほかに旬の果物と地元の土産品を扱う小さな商店で、ラヂTと呼ぶTシャツやエコバッグのラヂ袋も売っています。駐車場は店の横から裏手に回った所に最大4台。玉手商店には自動販売機があり、24時間買えると福島市のnoteにあります。観光協会の「おみやげ・ランチ」の案内では、岩城屋米穀店が8:30〜17:30で日曜と第1・第3水曜が休み、玉手商店が10:00〜12:00と16:00〜18:00で水曜と第3木曜が休み、丸滝が9:00〜17:00で無休、菅金商店が8:00〜18:00で元日が休み、大作玉子屋は午前中の営業で木曜が休みです。菅金商店は全国発送もしている、と福島市観光コンベンション協会のページにあります。

飯坂温泉駅までと、取り寄せ

福島駅で福島交通飯坂線に乗り換えます。所要時間は福島交通の案内で約20分、飯坂温泉オフィシャルサイトの案内で約25分です。飯坂線の時刻表では福島10:30発の電車が飯坂温泉に10:53に着き、運賃は大人430円です(2025年5月17日改定)。東京駅からは東北新幹線で約1時間30分、仙台駅からは約30分で福島駅に着き、飯坂温泉駅までは東京駅から合わせて約2時間、仙台駅から約1時間です。福島空港からは、リムジンバスで郡山駅まで約45分、東北新幹線で福島駅まで約15分、飯坂線と合わせて約80分です。車なら東北自動車道の福島飯坂インターで降り、国道13号を米沢方面へ走り、踏切のある交差点を右折して県道3号を約2km行くと飯坂温泉駅前です。飯坂温泉駅からは共同浴場を歩いて巡れます。写真の鯖湖湯は、飯坂温泉オフィシャルサイトの歴史のページに、江戸時代中期の享保年間の温泉宿の一つとして名前が出ます。

阿部留商店の公式サイトにはオンラインショップの入口があり、店は贈り物と家庭の食卓の両方に向けた品を作ってきた、と同じサイトにあります。飯坂へ行く前に品の形を見ておくなら、楽天市場でラジウム玉子を探すPRで、何個入りでどの店の品があるかを一覧で見られます。

編集部の考え

飯坂温泉の店は、日本で初めてラジウムが確認された温泉の源泉に卵をつけ、温泉玉子をラジウム玉子の名で作って売っています。福島市が文化庁に出した認定の文では、共同源泉を使う店が多く、卵の仕入先と源泉につける時間が店ごとに違います。福島市民は温泉玉子と呼ばずラジウム玉子と呼び、旅館は昔から朝食に出し、地元のスーパーの棚にもあります。阿部留商店は2023年3月5日のお知らせで認定を伝え、「ひとえに飯坂温泉でラヂウム玉子を販売する数多の商店の努力の賜物であります」と続けました。認定は令和4年度、近代の100年フード部門です。

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