「元々は保存食として各家庭で作られていた味が途絶えつつあります」。文化庁の100年フードにラフテーを申請した本部町観光協会の文で、近年は市販品が主流になった、と続きます。ラフテーは皮付きの三枚肉を泡盛と砂糖、醤油で何時間も煮る沖縄の角煮で、その市販品の一つ、オキハムの袋入りなら袋のまま湯せんで数分温めれば食べられます。
皮を焼いてから何時間も煮る
農林水産省の「うちの郷土料理」によると、三枚肉は皮を直火であぶってから熱湯にさっと通し、塊のまま1時間半ほどゆでて汁ごと冷まします。そのあと、だしと泡盛、砂糖、醤油を何度かに分けて加えながら弱火で煮続け、皮が箸で切れるくらいのやわらかさになったら仕上がりです。同じページに載る琉球料理研究家の安次富順子さんのレシピも、終わりに「全体で6~7時間くらい煮るのが理想」と添えています。
できあがりは「軟らかく、皮のとろけるような口当たりが特徴」とページにあり、ラフティーという別の呼び名も載っています。オキハムの黒酢ラフテーの商品説明には、沖縄のラフテーは皮付きのものを使うので、皮のぷりっとした食感が特徴だとあります。
オキハムの袋入りを取り寄せる
家で食べるなら、袋のまま湯せんで温める品があります。オキハムの公式ネットショップは、沖縄ハム総合食品グループの(株)沖縄黒糖通販部が運営しています。ラフテーの名前の付いた3品は次のとおりです(価格は税込で、この記事の確認日のもの)。
| 品 | 量 | 保存と日持ち | 湯せんの時間 | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| 黒酢ラフテー | 180g | 常温・未開封1年 | 袋のまま沸騰した湯で5分程 | 662円 |
| 炙りラフテー | 160g | 常温・未開封18ケ月 | 袋のまま、鍋のふたをしめずに3〜5分程 | 778円 |
| 沖縄ラフティ | 150g | 要冷蔵(10℃以下)・賞味期限120日 | 袋のまま沸騰した湯で5〜6分 | 556円 |
どれも原材料の最初は「豚バラ肉(輸入)」です。黒酢ラフテーと沖縄ラフティは原材料に泡盛が入り、炙りラフテー160gの原材料は「しょうゆ、砂糖、酒」などで、泡盛は並んでいません。黒酢ラフテーは黒酢ベースのたれで煮た品で、商品説明では「新しいラフテー」と呼ばれています。どの品も、耐熱容器に移せば電子レンジでも温められます。炙りラフテーの商品ページは、沖縄そばの具材、お酒の肴、夕食の一品として食べる例を挙げています。
送料は届け先1件ごとに全国一律1,000円で、6,000円以上買うと無料になります。土日と祝日は工場が休みで、注文の受付や発送の作業はしていない、とショップは案内しています。注文から届くまでは1週間程度を見てほしい、とも書いています。トップページには、原料不足などで一部の商品の製造予定が未定になっていて、欠品の品は届けられないというお知らせがあります。
ほかの製造者の袋入りも見比べたいなら、ラフテーを楽天市場で探すPRと、ラフテーの名前で売られている品の一覧が出ます。オキハムの公式ショップとは別の一覧で、常温か要冷蔵か、温め方は品ごとに違います。
保存食から、祝いと法事の膳へ
農林水産省のページによると、ラフテーは冷蔵庫や冷凍庫のない時代の保存食で、もとは濃い味付けでした。時代とともに味は薄くなり、いまは客膳料理として、お祝い事や法事などの席で食べられています。オキハムの黒酢ラフテーの商品説明にも、ラフテーは行事料理に欠かせない皮付き豚三枚肉の煮付けだとあります。
沖縄の料理は「豚に始まり豚に終わる」と言われ、肉のほか内臓や耳、血まで使い、中でもよく使われるのが皮付きの三枚肉です。豚肉の料理が発達したのは琉球王朝時代の中国との交流の影響で、日本の食肉の禁忌は伝わっても根付かず、法事の時でも豚肉が使われる、と農林水産省は説明しています。清明祭や旧盆、法事の重詰め料理にも豚三枚肉が入ります。
家で作る味が途絶えつつある、と申請文
文化庁が、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を認定する「100年フード」で、ラフテーは令和3年度に伝統の100年フード部門に選ばれ、有識者特別賞を受けました。認定を受けたのは一般社団法人 本部町観光協会が申請したラフテーという食文化で、上で挙げたオキハムの袋入りは、この認定とは別の商品です。
ラフテーはシンプルでありながら手間暇をかけて作る一品で、慶事と弔事の重箱料理にも三枚肉として入ります。協会は申請文を、「明治生まれの祖母(おばぁー)より受け継いだ味」を、宮廷料理から一般家庭へ広がった沖縄料理の歴史とともに受け継いでいきたい、と結んでいます。
一方、農林水産省のページには、ラフテーは家庭で一般的につくられるほか、県内の飲食店でも味わえ、レトルト商品がスーパーや土産物屋などでも売られているとあります。家で作る味が途絶えつつあるという申請文とは、強調する所が違います。