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メヒカリの唐揚げ:市場で相手にされなかった魚がいわきの市の魚になるまで

未来の100年フード · 令和3年度認定

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白い発泡トレーに並んだ8尾のメヒカリ(アオメエソ)。大きな目が黄緑色に光って見える
メヒカリ(標準和名アオメエソ)。目が大きく青緑色に光ることから、この名で呼ばれる 写真: りなべる(CC BY 4.0、Wikimedia Commons)

昭和30年ごろまで、メヒカリは水揚げされても市場で相手にされない魚でした。いわき市が文化庁に出した認定の文には「山積みにされたままで、やっと買い手がつくという状態でありました」とあります。同じ申請文では、その魚が平成13年10月に市の魚になると、唐揚げの食べ方が全国に広まりました。今はいわき市立の小・中学校の給食に出ています。令和3年度には、文化庁の100年フードの未来の100年フード部門に認定されました。100年フードは、文化庁が地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を認定する取り組みで、メヒカリの唐揚げを申請したのはいわき市です。

目が青緑色に光るアオメエソ

メヒカリの標準和名はアオメエソです。いわき市の市の魚のページによると、目が非常に大きく青緑色に光ることから、通称でめひかりと呼ばれています。おおよそ三陸以南の太平洋側、水深200メートルから700メートルの海底にすみ、底びき網で周年漁獲される体長15センチほどの魚です。いわきでは干物や揚げ物、刺し身で食べられています。

認定の文では、他の魚より脂肪分が多く柔らかい身で、刺身や干物も好まれていますが、手軽に火が通せて食感も良い唐揚げが定番です。福島県産は他の地域のものと比べ皮が薄く脂がのっていると好まれる、ともあります。広報いわき2023年3月号の旬の魚の欄にも、メヒカリは「皮が薄く脂が乗っているのが特徴」の一言が付いています。

市制35周年の年に市の魚へ

いわき市は、市制施行35周年を記念し、水産物のイメージアップと消費拡大を図るため、平成13年10月1日にめひかりを市の魚と決めました。令和8年2月の第四期いわき市水産業振興プランにそうあります。市の魚にはメピカリというイメージキャラクターがいて、使うには市の水産振興課への申請書が要ります。

市の魚になってからのことは、認定の文に「市の魚に制定されると、メヒカリの唐揚げが全国的に広まるようになりました」とあります。メヒカリがいわき市の魚に制定されたのは2001年で、いわき常磐もの公式サイトでは、食べ方の定番は頭からしっぽまで丸ごと食べられる唐揚げと丸干しです。

給食の人気メニュー

いわき市は、100年フードに認定された郷土料理を市立小中学校の学校給食で出しています。市の100年フードは令和7年12月末の時点で5つあり、うにの貝焼、あんこうのどぶ汁、サンマのポーポー焼き、サンマのみりん干し、メヒカリの唐揚げです。申請団体は漁協や観光まちづくりビューローなどで、市が申請したのはメヒカリの唐揚げだけです。第四期水産業振興プランの学校給食魚食推進事業の欄では、メヒカリの唐揚げが人気メニューに挙がっています。

獲れるのは通年、旬は12月から4月

市の魚のページでは底びき網で周年漁獲、いわき常磐もの公式サイトでも通年獲れる、とあります。旬は冬から春で、福島県の常磐ものNAVIの魚図鑑では水揚げ月が1月から6月と9月から12月、旬が12月から4月です。いわき常磐もの公式サイトのメヒカリのお知らせ(2019年1月)でも、特に美味しい時期は12月から4月です。

水揚げの量は、2010年と2024年を比べると減っています。第四期水産業振興プランに、福島県の統計をもとに市が作った市内の水揚げの表があり、メヒカリは参考として2010年が121トン(平均単価は1キロ889円)、2024年が35トン(同549円)です。

唐揚げを出す店

福島県の常磐ものNAVIと、いわき市のいわき常磐もの公式サイトに、メヒカリの唐揚げを出す店が名前で載っています。どちらも、水揚げ次第で出せない日があるので行く前に店に確かめるよう添えています。営業時間は掲載時点のものです。

  • 酒縁てる(泉町1-1-7、JR泉駅前): 元まぐろ船漁師の店主の居酒屋。めひかりのからあげは頭と内臓を取ってあり、自家製のためなくなり次第終了。営業は17時から23時、日曜・祝日休み(いわき常磐もの公式サイトの2019年1月掲載分)。
  • 真心居酒屋 わび助(平字白銀1-15): 17時から24時。目光の唐揚げを営業時間内に出しています。
  • 地魚・串焼 しんげん(平南町67): 仲買人の主人の店で、メヒカリ唐揚げは通年。
  • 九州魂 いわき店(平字3町目28): 九州料理の店で、目光の唐揚げを通年。
  • くさの根(四倉町東2-167-1): 四倉の郷土料理の店。常磐もの目光の唐揚げがあり、朝8時から1階で朝定食、11時から2階で海鮮料理。
  • 馳走 久に定(小名浜諏訪町1-1): メヒカリの唐揚げは通年。11時30分から14時と17時30分から21時、月曜定休。

小名浜で買えるのは開き干し、唐揚げは未確認

小名浜のいわき・ら・ら・ミュウ(小名浜字辰巳町43-1)は観光物産センターで、1階の海鮮市場通りは9時から18時です。市場通りの小名浜あおいちは、地元で水揚げした魚を食べてもらえるように、めひかりの開き干しやさんまのポーポー焼きをテイクアウトで出しています。唐揚げを売っているかは、館のショップ案内にも常磐ものNAVIの店の欄にも記載がなく未確認です。全館の休館日は2026年11月11日(水)、12月9日(水)、2027年1月13日(水)・14日(木)です。

いわき常磐もの公式サイトは、メヒカリの販売店として市内の魚屋の一覧を載せ、水揚げ状況により販売がない場合は事前に各店へ問い合わせるよう添えています。同じページには、メヒカリの商品を買えるネットショップとして、いわきの逸品が載っています。文化庁が認定したのは料理としてのメヒカリの唐揚げで、通販の検索に出る商品はそれぞれの店のものなので、製造者や原材料、保存の仕方は商品ページで確かめてください。家で先に食べてみるなら、楽天市場でメヒカリの唐揚げを探すPRで、唐揚げがどんな形で売られているかを一覧で見られます。

泉駅・いわき駅から

いわき・ら・ら・ミュウへは、JR常磐線の泉駅から。館の案内では、泉駅前の1番乗り場から小名浜車庫行きのバスで約15分、品川駅からは特急で泉駅まで2時間です。泉駅には常磐線のいわき・原ノ町方面と水戸・土浦方面の列車が止まります。いわき駅は常磐線の原ノ町・仙台方面と水戸・土浦方面のほか、磐越東線の小野新町・郡山方面の列車が出る駅です。

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