福島県郡山市の郡山ブラックは、濃口醤油やたまり醤油を使ったスープが漆黒の醤油ラーメンです。郡山市観光協会のページには「飲んだ後でもあっさり味わえる」とあり、市内の多くのラーメン店が出しています。
文化庁が、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を認定する「100年フード」の令和5年度の認定で、郡山ブラックは近代の100年フード部門に入りました。申請したのは一般社団法人郡山市観光協会で、認定は2024年3月5日付です。協会の発表によると、福島県の100年フードはこれで16品になり、同じ郡山市ではクリームボックスが令和3年度に未来の100年フード部門で認定されています。
大正6年頃の食堂の中華そば
協会が文化庁に出した認定の文には、「大正6年頃に市内の食堂で提供し始めた中華そばが郡山ブラックの起源と言われており」とあります。1917年頃のことで、起源は伝聞の形です。いま郡山ブラックを出す店では「ますや本店」が最も古い、と同じ文にあります。協会の「郡山ブラック手帖」のますや本店 台新店の頁には創業明治元年とあり、品の名前は「伝」900円です。豚のゲンコツを炊いたスープと店主のかえしを寸胴で合わせ、麺は4種類から、スープの濃さも選べます。チャーシューはバラ肉とロース肉の両方がのります。
台新店は台新一丁目4-13にあり、郡山駅前ではありません。営業は11:00から材料がなくなるまでで、月曜と火曜が休み、祝日に当たる日は翌日が休みです。駐車場は15台、支払いは現金だけです。
クラシックブラックとネオブラック
認定の文では、製法は2種類に分けられています。「醤油だれ」と「がらスープ」を一つの寸胴や鍋で合わせるのが「郡山クラシックブラック」。これに対して「郡山ネオブラック」は、郡山ブラックを現代の解釈で独自に合わせた醤油だれとスープを、ラーメンの丼の中で合わせます。
協会は郡山ブラックを、同じ福島県の喜多方、白河と並べて福島三大ラーメンの一つに数えています。認定の文には、郡山ブラック特集の全国放送やカップ麺の商品化で全国から注目されている、ともあります。
市内23店を載せた郡山ブラック手帖
協会は2025年3月に、郡山ブラックの提供店と周りの観光スポット、食後のホワイトスイーツをまとめた「郡山ブラック手帖」の発行を発表しました。発行部数は2万部で、こおりやま観光案内所や市内の一部の商業施設、ホテル、行政センターで配っています。協会のサイトにある PDF は2026年1月の発行で、市内23店を郡山駅前・市内中心部・安積・大槻・磐梯熱海の5つのエリアに分けて載せています。掲載店の位置は Google マイマップでも見られ(地図の位置は2025年12月現在)、巻末には切り取って使うクーポン券が付いています。手帖の情報は2025年10月現在のもので、値段は税込です。営業時間や定休日は行く前に店に確かめてください。
店ごとに品の名前は違います。「濃口ラーメン」「黒しょうゆラーメン」「伝」のどれも、手帖では郡山ブラックとして載っています。手帖の各店の頁には空欄のレーダーチャートとメモ欄があり、食べた人が自分で書き込む作りです。
郡山駅前エリアの8店から
手帖の郡山駅前エリアには8店が載っています。そのうち、駅に近い5店を手帖から挙げます。
ますや本店 駅前店は駅前二丁目1-8にあります。営業は11:00〜14:00、18:00〜25:00で、休みは手帖の表記で「日・月曜昼」、支払いは現金だけです。
郡山駅前らーめん 角麺は駅前一丁目5-8で、郡山ブラックラーメン900円。桑野の「春木屋 郡山分店」がプロデュースした店で、麺も具も自家製です。営業は11:00〜15:00で休みはなく、こちらも現金だけです。
枡はんは本町一丁目14-3にあり、昭和55年の創業から濃口ラーメン850円を出しています。鶏と豚のガラスープを濃口醤油と煮込んだ漆黒のスープです。営業は11:00〜14:00、17:00〜21:30で、水曜と第2・第4日曜が休みです。
あさくさらーめん 駅前店は駅前二丁目3-3。大正14年創業の味噌ラーメンの店で、数年前に新しく出したのがあさくさブラック830円です。小豆島産の醤油を使ったチャーシューの煮汁をスープに合わせたもので、数量限定です。営業は11:30〜15:30と17:00〜20:30で、終わりの時刻はラストオーダー(金・土曜は23:00)。水曜が休みです。
夢一膳は駅前一丁目4-3で、こおりやまブラックラーメン900円。板海苔の代わりに松川浦産のあおさをのせ、だしは10時間かけて炊きます。営業は月〜土曜の17:00〜23:00で、日曜が休みです。
郡山駅への行き方と取り寄せ
郡山駅は JR 東北新幹線と東北本線の駅です。協会のアクセスの案内では、東京駅から東北新幹線で約1時間20分、福島駅から約20分、仙台駅から約40分。会津若松駅からは磐越西線で約1時間15分、白河駅からは東北本線で約40分です。郡山市観光協会は郡山駅の2階にあります。
店へ行く前に取り寄せるなら、楽天市場で郡山ブラックを探すPRで、カップ麺や麺のセットがどんな形で売られているかを一覧で見られます。
編集部の考え
郡山ブラックは、濃口醤油やたまり醤油を使った漆黒のスープの醤油ラーメンで、郡山市観光協会が文化庁の100年フードに申請し、令和5年度の近代の100年フード部門に認定されました。協会が認定の文に書いた起源は、大正6年頃に市内の食堂が出し始めた中華そばだと言われています。提供店で最も古いのはますや本店で、協会の手帖では創業明治元年です。認定の時点で協会が数えた提供店は市内約25店、2026年1月の手帖では23店で、品の名前は「伝」「濃口ラーメン」「黒しょうゆラーメン」と店ごとに違います。