古河の鮒の甘露煮は、素焼きにした鮒を頭から尾まで付いたまま長く煮詰めたもので、地元では尾頭付きの正月の縁起物とされてきました。古河市観光協会のこがナビが問い合わせ先に挙げる4店のうち、ホームページが載っているのはぬた屋・田村屋・野村甘露煮店の3店で、3店とも公式サイトで通販をしています。量の分け方も日持ちも店ごとに違い、冷蔵庫に入れずに置けるのは、ぬた屋の真空梱包パックと野村の真空包装です。電車で行くなら、ぬた屋の品は古河駅ビル1階の華のれんでも買えます。
3店の値段と日持ち
値段は、ぬた屋と田村屋が2026年10月19日、野村甘露煮店が10月16日に、各店の公式サイトで見たものです。
| 店 | 量と値段(税込) | 日持ちと保存(店の表記) |
|---|---|---|
| ぬた屋 | 120g 648円、200g 1,080円、250g 1,404円、400g 2,160円など、800g 5,400円まで | 賞味期限は、普通梱包が要冷蔵で夏期15日・冬期20日。真空梱包パックは常温で90日 |
| 田村屋 | 130g(パック詰)700円、250g(貼箱)1,300円、400g(貼箱)1,800円、550g(貼箱)2,500円、850g(貼箱)3,500円 | 130gのパックは要冷蔵で、賞味期限は冬期20日間・春秋期15日間・夏期10日間 |
| 野村甘露煮店 | 真空包装 775g(風袋込)3,564円 | 消費期限70日間(出荷日を含む)。高温多湿を避け冷暗所に保存 |
持ち歩く時間が長いときや、日を置いて食べるときは、常温で90日のぬた屋の真空梱包パックか、冷暗所で70日の野村の真空包装が合います。田村屋の130gのパックとぬた屋の普通梱包は要冷蔵で、夏の日持ちは田村屋が10日間、ぬた屋が15日です。
量の書き方もそろっていません。野村の775gは「風袋込」の表示で、入れ物ごとの重さです。田村屋の130gは内容量の表示です。原材料は、野村がフナ・砂糖・醤油・水飴、田村屋が国内産の鮒と醤油・砂糖・水飴・みりんで、ぬた屋の品は添加物を一切使わない製法です。
ぬた屋のどの量が真空梱包になるか、夏期と冬期の区切り、田村屋の250g以上の貼箱の日持ちは、どれも未確認です。常温で持ち歩きたいときは、注文の前に店に確かめてください。
取り寄せの送料と年末の発送
ぬた屋の送料は、関東・南東北・信越・北陸・中部が900円、北東北・関西が1,000円、中国・四国が1,100円、北海道・九州・沖縄が1,400円です。注文から2日以内に発送します。代金引換の手数料は、商品代2万円以下で300円、それより上で400円です。
田村屋はヤマト運輸で送り、送料は荷物の大きさと届け先で変わります。60cmまでの荷物なら、関東・東北・信越・中部・北陸・関西は900円です。夏期はクール便になってクール料金300円が加わり、夏期でなくても気温が高ければクール便で送ります。代金引換の手数料は一律350円です。
野村甘露煮店の送料は常温便とクール便で分かれ、茨城・東京を含む関東・信越は常温便935円、クール便1,100円です。代金引換の手数料は300円です。初めての取引は代金引換になり、そのときの手数料は店の負担です。
贈り先へ直接送るとき、ぬた屋と田村屋は郵便振替での支払いを頼んでいます。野村は、送り先が違う注文では振込用紙を注文した人に郵送します。
正月に向けて取り寄せるなら、田村屋の注文ガイドは12月の最終発送日を12月28日、1月の発送開始を1月2日としていて、年は書かれていません。オンラインショップは12月30日から1月1日まで止まります。130gのパックは、商品ページに「年末年始のみ品切れになる場合があります」とあります。ぬた屋と野村の年末の締め切りは、注文の案内に書かれていません。
古河で買える店
古河駅はJR宇都宮線の駅です。平日の上りは11時台から13時台まで1時間に5本で、東京経由と新宿経由の列車が出ます。
ぬた屋の店舗一覧は、自社の品を置く店に古河駅ビル1階の華のれんを挙げていて、営業時間は10:00〜20:00です。田村屋と野村甘露煮店の品は、それぞれの本店と通販で買えます。
| 店 | 所在地 | 営業時間と休み |
|---|---|---|
| 華のれん(ぬた屋の品) | 本町1-1-15、古河駅ビル1階 | 10:00〜20:00(店舗一覧に休みの記載なし) |
| ぬた屋本店 | 中央町3-8-5 | 9:00〜17:30、火曜定休(不定期で月・火の連休あり) |
| 田村屋本店 | 古河762-7(国道4号線沿い) | 8:30〜18:00、定休日なし(不定期の臨時休業あり) |
| 野村甘露煮店 | 本町4-3-14 | 8:30〜19:00、月曜定休 |
田村屋本店には駐車場があり、大型バスも止められます。ぬた屋の店舗一覧には、イオン古河店(旭町1-2-17)と道の駅 まくらがの里こが(大和田2623)も載っています。
素焼きにして煮詰める、正月の尾頭付き
古河市が文化庁に出した説明には、古河の鮒甘露煮は「一度素焼きにしてから煮詰める伝統的で特徴的なもので」とあり、骨までやわらかく、子どもから年配の人まで残さず食べられる、と続きます。文化庁の100年フードでは令和5年度に、伝統(江戸時代から続く郷土の料理部門)で認定されました。申請したのは古河市です。
広報古河の2024年2月号は、炭火で素焼きにした鮒を1匹ずつ大鍋に並べ、砂糖と水で長く煮てから、しょうゆや水あめなどを加えてさらに煮込む手順を載せています。同じ号には「現在は市内で鮒が取れなくなったため、素焼きにしたものを仕入れています」とあり、続けて、作り方は昔ながらの製法を受け継いでいるとあります。どの店の話かは号の中で特定されていません。ぬた屋の製造工程のページは、鮒を炭火でていねいに素焼きする工程から始まります。
市の説明では、尾頭付きは縁起物とされ、正月にはおせち料理の一品としても地元で食べられてきました。ぬた屋のトップページには、尾から頭まで付いた姿に、最初から最後まで全うする長寿の願いが込められている、とあります。
始まりの話は、市と店でそれぞれ違います。市の説明では、日光街道の宿場町だった江戸時代に、この地域で捕れた鮒の焼き魚が煮つけになり、旅人をもてなしたのが始まりと伝えられています。ぬた屋の話では、江戸末期に新潟県小千谷から古河の立て場茶屋の松村屋に嫁いだおつまさんが、馬方に鮒の煮付けを出し、出入りしていた野村安次郎が作り方を覚えました。安次郎は明治30年に川魚料理店を開き、古河ではあらいを俗にぬたと呼ぶので、屋号がぬた屋になったといいます。田村屋の由来のページには、明治時代初期の創業で、焼鮒を正月に煮る郷土の料理を創業者が改良して商品にし、今も四代目が製造販売を続けているとあります。野村甘露煮店の由来のページでは、古河宿の一膳飯屋が始めた鮒の煮付けに、明治になって野村家の父祖が味付けの改良を加えています。