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高知の藁焼きカツオのたたき、帯屋町で食べて仁井田や久礼で自分であぶる

伝統の100年フード · 令和3年度認定 郷土料理百選

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黒い丼のご飯の上に、皮目に焼き色の付いたカツオのたたきの切り身が並び、大葉と輪切りのレモン、おろし生姜が添えてある。脇の小皿にはたれ
高知県で撮影されたカツオのたたき丼(2024年10月) 写真: ノボホショコロトソ(CC BY 4.0、Wikimedia Commons)

「切る時は思い切り厚めに」「ニンニクはたっぷり」。高知のカツオのたたきが文化庁の「100年フード」に選ばれたとき、高知カツオ県民会議が申請の文に並べた家ごとの食べ方です。節の表面を藁の強い火で一気にあぶる料理で、高知市の帯屋町には店頭でわら焼きの炎が上がる店が、仁井田と中土佐町久礼には自分で焼ける所があります(久礼は前日までに2名から予約)。

農林水産省の「にっぽん伝統食図鑑」によれば、生の魚を細かく刻む「タタキ」とは別の料理で、“焼き切り”とも呼ばれます。あぶったあとはまな板の上で塩を振ってたたき、1.5〜2cmほどの厚めに切って、スライスしたにんにくと薬味をたっぷり添えます。

藁の強い火で表面をあぶる

同じ図鑑によれば、あぶるのは皮だけではなく節の表面全体で、焼き過ぎれば焼き魚になり、焼きが足りなければ生臭さが残るため、繊細な焼きが要ります。同じ省の「うちの郷土料理」には「カツオのかたい皮は火であぶることで食べやすくなり、風味も豊かになる」とあり、風味を出すには藁であぶるのが良いものの、一般の家庭ではガスの火であぶることが多いそうです。

なぜ藁なのかを、久礼大正町市場の田中鮮魚店は町の歴史から説明しています。昔の久礼の港は四万十の山々で焼いた木炭の出荷港で、町じゅうに藁で編んだ炭俵があり、それを燃やしてタタキを焼いていたそうです。店のページには「藁は火力が強く、カツオの表面だけを一気に焦がすタタキには最適。」とあります。

塩で食べるか、たれで食べるか

「にっぽん伝統食図鑑」によれば、塩やタレを振って食べるのは土佐だけに見られる特徴で、県南西部の足摺半島には今も塩たたきの伝承が残っています。

かける合わせ酢も地域で違います。同じ図鑑によれば、県中央部は醤油と醸造酢の二杯酢、県西部は醤油を主にしてみりんなどを合わせ、県東部では醤油を柚子酢で割ったもの、山間部では三杯酢です。「うちの郷土料理」によれば、薬味の種類や量は各地でまちまちでも、にんにくだけは必ず使います。高知カツオ県民会議の申請の文には、厚めの切り方とたっぷりのニンニクのほかに、「たれはしょうゆベース」「たれを使わず塩を振る」も挙がっています。

春の上りカツオと秋の下りカツオ

高知県の「高知の魚の種類」によれば旬は3月中旬〜5月と9月〜11月で、春に黒潮に乗って北上してくる上りカツオ(初ガツオ)は脂が少なく、秋に北から戻ってくる下りカツオ(戻りガツオ)は脂がのっています。10月下旬のいまは秋の旬の中ですが、久礼の田中鮮魚店は、10月に入っても鰹の入荷が安定しないとお知らせに出しています。「うちの郷土料理」によれば、冬の一時期を除けば1年中食べられている魚で、たたきには脂ののった秋の下りカツオが最適だとされ、新緑のころの初カツオも人気があります。

帯屋町の店で食べる

中心部の帯屋町でカツオのたたきを品書きに出している店には、高知県の「土佐のたたき店検索」に載っている次のような所があります。値段と営業時間もこの店検索のものです。

  • 土佐ノ國 二十四万石(帯屋町1-2-2)は「わら焼き かつおタタキ(本・塩)」が1,380円(税込)。店頭でわら焼きの炎が上がる様子を見られ、予約なしでも入れます。営業は11:00〜22:45で、休みは元日です。
  • 居酒屋 こたろう(帯屋町2丁目4-5、大橋通り商店街西入口)は、粗塩を振った鰹をわらで焼く「鰹の塩たたき」が1,500円(税込)。営業は平日が15:00〜21:00、金・土は23:00までで、日曜と祝日は休みです。
  • 菊寿し本店(帯屋町1-7-19)は、鰹の生・漬け・タタキの三種にぎりに、タタキを細巻にした元祖土佐巻を合わせた「鰹づくし」が1,380円(税込)。営業は11:00〜21:00(日曜は20:00まで)で、水曜が定休です。近くの菊寿し 帯屋町店(帯屋町1-7-14)には「鰹のタタキ丼」(1,380円、税込)があります。

帯屋町から離れた高知市仁井田には、自分で焼いて食べられる土佐タタキ道場があります。朝どれの鰹を一人ずつ自分で焼く「体験付 鰹タタキ定食」が1,200円(税込)で、焼きたてをまず塩とワサビで、そのあと野菜とポン酢で食べる出し方です。営業は10:30〜15:00で、定休日はなく、カツオがなくなり次第閉店します。

値段と営業時間は、行く前に店に確かめてください。

帯屋町への目印には、同じ町内のひろめ市場(帯屋町二丁目3-1)が使えます。路面電車なら大橋通で降りて徒歩2分、JR高知駅からは車で5分です。

高知龍馬空港から高知駅バスターミナルまでは、連絡バス「スマイルライナー」で約25分、運賃は900円です(知寄町・知寄町二丁目で乗り降りする区間を除く)。飛行機の出発時刻に合わせて走るバスではありませんが、到着が遅れたときはバスの出発を遅らせる場合があります。

久礼の大正町市場

中土佐町の久礼大正町市場は、全長40mほどの路地に果物屋や鮮魚店が並ぶ、100年以上の歴史を持つ市場です。なかとさ観光協会のページの見出しは「カツオ大好き高知県民が食べにくる市場」。JR土佐久礼駅から徒歩5分で、営業は10時〜15時ころ、店によって違い、水曜が定休の店が多いそうです。

大正時代の初期から市場に店を構える田中鮮魚店は、店のページによれば、久礼の漁港で午前6時に揚がったカツオをさばいて刺身やタタキにし、すぐに店頭に並べています。

久礼では、田中鮮魚店と黒潮工房が、自分で藁の火にカツオをかざす体験を受け付けています。どちらも予約制なので、実施しているかどうかは予約のときに確かめてください。

  • 田中鮮魚店(久礼大正町市場内)の藁焼きタタキ体験は、ごはん・みそ汁・タタキの食事1人前が付いて2,000円です。前日までの予約制で2名から受け付け、当日の参加はできません。さばく体験はなく、GWやお盆の時期は受けられない場合があります。店は水曜が定休で、10月の休みはこの定休日だけの予定です。
  • 中土佐町久礼の黒潮工房は、10:00〜14:00に体験を受け付けています(第2木曜休み、1〜20人で要予約)。初級は節取りしたカツオを藁で焼く体験でカツオ料金+800円、中級はさばくところからでカツオ料金+1,500円です。中土佐ICから車で7分。

黒潮工房の体験の期間は4月〜10月と案内されているので、10月23日の時点で受けられるのは今月の末までです。

冷凍か冷蔵かで選ぶ取り寄せ

取り寄せのたたきは、冷凍して届く品と、冷凍せずに冷蔵で届く品に分かれます。冷凍の品は日持ちと解凍の仕方まで店のページに書かれていますが、冷凍しない品の日持ちと保存の仕方は未確認です。

店と品冷凍か冷蔵か量日持ち・届く日価格(税込)
池澤鮮魚「藁焼き鰹たたき Sセット」冷凍していない生約3人前(1〜2節)通常は発送から1〜3日以内に届く4,990円
田中鮮魚店「土佐沖鰹藁焼きタタキ」冷蔵(冷凍しない)約300g・約600g・約1.2kg関東・長野は翌日午後〜、四国・中国・関西は翌日午前中〜店のショップページで確認
土佐佐賀産直出荷組合「土佐沖一本釣り 藁焼き鰹たたき」冷凍約650g(3〜5節)、タレ付き賞味期限90日5,600円(10月23日の時点は入荷待ち。送料は決済時に計算)

池澤鮮魚は、荒天や水揚げの状況によって希望の日に届けられない場合があると断っています。田中鮮魚店のお知らせによれば、入荷が安定しない一番の理由は漁に出るための餌が足りずに出港できていないことで、発送に時間がかかったり、到着日を変えてもらったりする場合があります。9月1日からは、セットのタレが1個80ccから45ccになりました。

土佐佐賀産直出荷組合の品は10月23日の時点で入荷待ちで、入荷してから発送されます。土佐沖で獲れた鰹をその日のうちにタタキにしてアルコールブライン凍結で冷凍したもので、この品の解凍後の案内では、袋のまま解凍し、厚さ約1cmに切って、玉ねぎやにんにくなどの薬味と盛り付けます。1人前は約60gの目安です。

ほかの店の品は、カツオのたたきを楽天市場で探すPRと、カツオのたたきの名前で売られている品の一覧を見られます。

かつおの支出が全国一の高知市

総務省統計局の家計調査では、高知市のかつおの1世帯当たり年間支出金額は2023〜2025年平均で7,530円、全国平均1,682円の4.5倍で、都道府県庁所在市と政令指定都市の中で全国一です(二人以上の世帯)。買った量ではなく、使った金額での比べです。

「100年フード」に選ばれたのは令和3年度で、受けたのは有識者特別賞です。申請した高知カツオ県民会議は、「高知に、そして日本にカツオを取り戻す」ために立ち上がった会です。申請の文には、江戸後期に高知城下から約20km離れた宇佐の港で揚がったカツオを男たちが担ぎ、休まず走って城下へ届けた話があり、文はそれを「人力高速輸送システム」と呼んでいます。

県民会議の会長の山崎道生さんは、2019年(令和元年)12月の挨拶を「カツオが減っています。」と始め、「高知の沿岸で言えば20年前の半分以下しか取れなくなっています」と続けました。

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