川崎市の藤子・F・不二雄ミュージアムは、一人の家族の願いから始まった館です。藤子・F・不二雄夫人の「藤本の作品を応援してくれた子どもたちへ恩返しをしたい」という思いから計画が生まれました。藤子・F・不二雄(本名は藤本弘)は1961年に川崎市生田に転居し、その後「オバケのQ太郎」(共著)「パーマン」「ドラえもん」を描きました。公式サイトは、川崎市文化賞を受賞するなど、川崎市とは深い縁がありました。
館は2026年9月3日に開館15周年を迎えました。その日の公式ブログは「15年分のありがとう」という題で、まず「応援してくださっているファンの皆様のおかげです」と礼を述べ、「藤子・F・不二雄先生の描いた作品の温かさやワクワクを大切に」していくとあります。結びは「これまでもこれからも。私たちは夢を未来につないでいきます。」でした。署名はなく、「私たち」という館の言葉です。
入館は日時指定の予約制で、チケットは公式サイトのオンラインチケットだけで売っています。入館料は大人・大学生1,000円、子ども(4歳以上)500円です。

原画で「発想の原点」をさぐる常設展示
常設展示は、原画を中心に藤子・F・不二雄の「発想の原点をさぐり」、まんが作りの面白さを紹介するものです。見てほしいのは、作品に込められた「やさしい思い」と「あたたかいまなざし」です。ブログの「温かさ」と同じ向きの言葉です。
1階の「展示室Ⅰ」は、まんが原画を中心にした展示室です。コミックスのカバー用に描き下ろしたカラー原画や資料も並び、壁の右側では1話分のお話をほぼ丸ごと原画で読めます。同じ1階の「先生の部屋」には、F先生が愛用した仕事机があり、頭上の大きな本棚と、好きだった恐竜のフィギュアも一緒に置かれています。
2階の「どうぶつたちの部屋」は、F先生の切り絵作品をもとにした動物のオブジェが並ぶ部屋で、奥の“どこでもドア”をくぐると「展示室Ⅱ」に入ります。「先生のにちようび」は、家庭人としてのF先生の思い出を集めたコーナーです。ここは、子どもたちに向けた父親としての愛情と、F先生のやさしさを感じてほしいコーナーです。

15周年の原画展
展示室Ⅱでは「藤子・F・不二雄ミュージアム 開館15周年記念 ドラえも~ん! 願いをかなえるひみつ道具展」を開いています。館の案内によると、藤子・F・不二雄の「ライフワークのひとつである『ドラえもん』から「ひみつ道具」に着目」した原画展で、話ごとに違う面白さと、先生の発想の幅を見せる展示です。前期に並ぶ原画には『ドラえもん誕生』や「ねむりの天才のび太」「雪男のアルバイト」があります。
会期は2026年7月1日から2027年6月20日まで(予定)で、前期(2026年7月1日〜2027年1月17日)と後期(2027年1月23日〜2027年6月20日、予定)で展示替えがあります。
2階の「Fシアター」は200インチスクリーンの映像展示室で、ここでしか観られない短編アニメを上映します。いまの作品は、館が15周年に合わせて用意した新作「ドラえもん&Fキャラオールスターズ ひみつ道具 しっちゃかめっちゃか大冒険」です。初回は10:20から、20分おきに1時間3回。鑑賞は入館時に渡されるキップで1人1回限りで、上映作品は不定期に変わります。
同じ2階の「みんなのひろば」には、F先生の作品を自由に読めるまんがコーナーと、未就学児向けのキッズスペース(保護者同伴)があります。3階の「はらっぱ」は芝生に包まれた屋上スペースで、土管やピー助のモニュメントなどのフォトスポットが点在しています。
チケットの買い方
入館料は大人・大学生1,000円、高校・中学生700円、子ども(4歳以上)500円です。3歳以下はチケット不要の無料。障がい者手帳を持つ人は本人と介助者1名まで無料になりますが、その場合もチケットの予約が要ります。来館時は手帳を見せる必要があり、海外発行の手帳は対象外です。障がい者アプリ「ミライロID」も使えます。
チケットは公式のオンラインチケットサイト(イーティックス)だけで売っていて、ミュージアム現地での購入はできません。当月16日〜末日分が毎月5日10:00発売、翌月1〜15日分が毎月20日10:00発売です。すでに予定枚数が終わっている回の販売はありません。
入館時間は1日7回で、10:00から16:00まで毎時ちょうどに始まる60分間の枠に分かれています。指定時間から60分以内に来館する決まりですが、滞在時間そのものに制限はなく、閉館まで館にいられます。入れ替え制ではありません。その回に空きがあれば、入館開始時刻から45分まで当日券も買えます。開館時間は10:00〜18:00(入館締切17:00)、休館日は毎週火曜日、年末年始(火曜特別開館・臨時休館あり)です。行く日は公式サイトの開館カレンダーで確かめてください。
チケットの受取方法は2種類です。二次元バーコード受取は手数料0円で、クレジットカード(VISA・MASTER・JCB・AMEX)かd払いで払います。セブン-イレブン発券は店頭発券手数料150円/枚と代金収納手数料220円/申込がかかり、支払いは店頭での代金引換です。
キャンセルは来館日の3日前まで可能で、キャンセル手数料はかかりません。それを過ぎるとキャンセルも払い戻しもできません。日時を変えたいときは、いったんキャンセルして買い直す扱いになります(セブン-イレブン店頭支払を除く)。急病や自然災害、交通障害でどうしても来館日を変えたいときは、来館前に電話(0570-055-245、9:30〜18:00)で相談できます。
登戸駅からの行き方
ミュージアムに駐車場はなく、車での来館はすすめられていません。最寄り駅は小田急線・JR南武線の登戸駅で、新宿駅・渋谷駅から最短約15分です。
登戸駅からは、ミュージアムへの直行シャトルバス(有料)が約10〜15分間隔で運行しています。所要時間は約9分。運賃はICカード・現金とも大人220円・小児110円の市内均一で、全国交通系ICカード10種が使えます。バスは開館日に合わせて走ります。
このほか、小田急線の向ヶ丘遊園駅、JR南武線の宿河原駅からも徒歩でアクセスできると公式サイトは案内しています。歩く分数は書かれていません。
遠くから来て朝10:00の入館枠に合わせるなら、前の晩の宿は楽天トラベルの登戸駅周辺のホテル・旅館の一覧PRで探せます。小田急線とJR南武線の登戸駅のまわりの宿がまとまっています。
館内で気をつけること
ミュージアム内ではベビーカーを利用できず、専用の置き場で預かる決まりです。館は、接触などの事故を防ぐためとして、だっこひもの利用をすすめています。授乳室は2階キッズスペースのそばにあり、長椅子とおむつ替え台2台、給湯器を備えています。離乳食はここかカフェで食べられます。車椅子はレンタル2台があり、予約はできないのでスタッフに申し出ます。多目的トイレは1階と2階にあります。
展示エリアの撮影は、2026年7月1日から決まりが変わりました。撮影できるのは受付、展示室Ⅰ、ヒストリーロード、先生の部屋、どうぶつたちの部屋で、撮影禁止マークのある展示は撮影できません。展示室Ⅱ(エントランス部を除く)と先生のにちようびは撮影できず、Fシアター内も禁止です。フラッシュと動画撮影は使えず、原画を覆う大きな機材、自撮り棒、三脚も持ち込めません。予告なく撮影できるエリアが変わることがあります。他の来館者への配慮が求められ、商業目的での撮影は一切お断りとされています。
飲食物の持ち込みは基本的にできませんが、フタ付きのペットボトルや水筒は持ち込めます。展示室で聴く音声ガイドは、館内のQRコードを読み取り、毎日変わる「今日のカギ」を入力して聴きます。Fシアター用の字幕メガネも無料の先着予約制です。支払いは現金・クレジットカード・電子マネーが使えますが、館内にATMはありません。再入館はできず、ペットの同伴もできません(介助犬・盲導犬・聴導犬を除く)。
編集部の考え
藤子・F・不二雄が「ドラえもん」を描いたのは、川崎市生田に移ってからのことでした。その川崎市の館は、原画を中心に据え、仕事机や家での父親の姿まで展示しています。キャラクターに会いに行く場所としてだけでなく、描いた人の机と原画を見に行く館として紹介したいと思います。