本文へ移動
trip-jp博覧会からミュージアム、寺社仏閣まで 横浜花博 2027 開幕まで 142日

山梨のほうとうは麺を下茹でせずに具と煮る:甲府と河口湖の店、取り寄せ

伝統の100年フード · 令和4年度認定 郷土料理百選

ラベルは文化庁・農林水産省の一覧をもとに当サイトが付けています。trip-jp.com はどの事業とも関係ありません。

広告を含みます 本記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。リンク経由で予約・購入されると、当サイトに報酬が支払われることがあります。

本文の価格・時刻・日程は2026年10月16日時点の公式発表に基づきます。予約の直前に各公式サイトで最新情報を確認してください。

黒い鉄鍋に入ったほうとう。味噌仕立ての汁に、幅広の麺、かぼちゃ、ぜんまいなどの山菜、ねぎが入り、中央に千切りのにんじんがのっている
山梨県の小作で撮影されたほうとう。鉄鍋に野菜と幅広の麺が入っている。 写真: Jungle(CC BY-SA 3.0、Wikimedia Commons)

ほうとうは、小麦粉を練って幅広に切った麺を、かぼちゃなどの野菜と味噌仕立ての汁で煮込んだ山梨県の料理です。麺は茹でてから鍋に入れるのではなく、打ったものをそのまま具と一緒に煮ます。家庭では大鍋で作り、店では一人分ずつ鉄鍋で出すことが多い、と農林水産省のにっぽん伝統食図鑑にあります。

文化庁が、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を認定する100年フードの令和4年度の認定で、山梨県のほうとうは伝統の100年フード部門に入りました。申請したのは、たべるじゃん//ほうとう推進協議会です。協議会が文化庁に出した文には「手打ちした麺を下茹でせずに具材と一緒にその煮込む調理方法は」とあり、手間がかからず一品で満足できる家庭料理だった、と続きます。

塩を使わない麺が、汁にとろみを付ける

麺の作り方は、小麦粉にぬるま湯を少しずつ加えてこね、もち状にまとめて、打ち粉をしながら薄くのばし、約1cmの幅に切る。にっぽん伝統食図鑑はそう説明します。打つときに塩を使わないか、使っても少しなので、あらかじめ茹でて塩分を抜く必要がありません。その代わりコシは強くなく、煮崩れたかぼちゃとよくからみます。打ち粉が付いたまま煮るので汁には粘りが出て冷めにくく、冬は食べる機会が増えます。

具は好みでよく、うちの郷土料理の材料は、じゃがいも、かぼちゃ、大根、人参、白菜、しいたけ、長ねぎ、油揚げに、煮干しのだしと味噌です。かぼちゃは特によく使われ、うまいもんだよ かぼちゃのほうとう、という言い回しが図鑑にも県立図書館の資料にも出てきます。峡南地域では「のしいれ」「のしこみ」とも呼ばれます。同じ生地からは、富士川町十谷地区で正月などに神様に供える「みみ」と、甲府市などで夏に食べる、やや細い麺を茹でて冷水でしめ醤油のつゆで食べる「おざら」も作られます。

1815年の旅行記と、信玄の陣中食の話

協議会の文では、起源は諸説あり、武田信玄が陣中食にしたとも言われていて、古いものでは800年代に遡ります。そのうえで「文献に登場するのは1815年の旅行記」と置いています。にっぽん伝統食図鑑では、ほうとうは餺飥の記述で平安時代に中国から伝えられたとされ、はじめは各地にあったものが稲作の広がりとともに消え、山梨の郷土料理として残ったと言われています。信玄が考案した陣中食とする説はあるが、文献の上では甲斐の名物として江戸時代以降に多く出てくる、というのが図鑑の整理です。

山梨は土地の約8割が山間部で、富士山の溶岩地層もあって稲作に向かず、古くから小麦を作って米に代わる主食としてほうとうを打ってきました。だから、ほうとうを打つことは花嫁修業の第一歩ともされてきた、と図鑑にあります。山梨県立図書館が2024年3月に出した調べ方の案内によると、山梨県史 民俗編(2003年)には、県民の日常食だったほうとうが戦後に観光食となって甲州名物になった経緯が、信玄由来伝説の成立との関わりから述べられています。同じ案内には、県内で昭和40年代からほうとうが商品化され、観光客向けに土産用も売られるようになった、ともあります。

家で食べる回数が減り、店で食べる機会が増えた

協議会の文の後半は、いまの話です。核家族化が進み、食の多様化とあいまって、郷土料理と言われながらほうとうを食べる頻度は減ってきました。一方で飲食店で食べる機会は増え、伝統的なほうとうのほかに、若者やビーガン・ベジタリアン、海外から来た人に向けたアレンジ料理も出ています。にっぽん伝統食図鑑では、家庭でいま作るときは製麺会社の真空パックの生麺や乾麺を使うことが多く、県内にはほうとう鍋を出す店がたくさんあって、県外からも多くの人が訪れます。

笛吹市で麺を店内で手打ちしている江戸屋商店のページには、年配の人が「昔は毎晩、おほうとうをでっかい鍋で煮込んで食ったもんだ」と懐かしむ、とあります。江戸屋の麺は粉の計量から延しと切りまで手作業なので、一日に作れる数に限りがあります。

甲府駅から歩ける店と、河口湖からバスで行く店

やまなし観光推進機構の特集(情報は2026年3月時点)に、甲府・勝沼・富士五湖の店が載っています。甲府市では、ちよだが甲府駅南口から徒歩3分で、1941年創業、注文を受けてから作るので出来上がりまで約30分かかります。シャトレーゼホテル談露館は甲府駅から徒歩8分で、レストラン錦でほうとうを出しています。甲府駅はJR中央本線の駅で、特急あずさ・かいじが止まります。

甲州市の皆吉は勝沼ぶどう郷駅・塩山駅から車で10分、明治10年築の古民家が店です。皆吉のページによると、味噌は麦麹を使って約2年熟成させた自家製で、だしは利尻昆布やさば、いわし、あごで毎朝とっています。同じ甲州市の信玄館は塩山駅から車で10分、恵林寺の隣にあり、おみやげ用のほうとう(2人前)500円を売っています。笛吹市の江戸屋商店ほうとう処は石和温泉駅から車で15分で、ほうとうは下ごしらえの状態で出て、客がテーブルで煮込みを仕上げます。

富士河口湖町の店は、富士急行線の河口湖駅からバスに乗ります。河口湖駅は富士山麓電気鉄道の終着駅で、JR直通の特急富士回遊も着きます。ほうとう蔵 歩成 河口湖店は河口湖駅からバスで10分、ほうとう不動 河口湖北本店はバスで15分です。御坂峠の天下茶屋は昭和9年の秋に開いた茶屋で、河口湖駅から富士急バスの天下茶屋行きで約30分、終点で降ります。天下茶屋の案内では、このバスは午前中に数本しかなく、冬季は運休します。店も冬期は天候により休みます。昭和13年9月に井伏鱒二に連れられて来た太宰治にほうとうを出したら機嫌を損ねたが、先代が甲州の郷土料理だと説明すると安心して食べ、好物になったようだ、という話が天下茶屋の歴史のページに残っています。2階の太宰治文学記念室は4月上旬〜12月上旬だけ開き、茶屋を利用した客は無料で見られます。

営業日と営業時間は店ごとに違い、機構の特集も各店に直接確かめるよう案内しています。

取り寄せと、家で作るなら

にっぽん伝統食図鑑には、製麺会社の生麺を真空パックにしたものや乾麺、スープとセットにしたものが商品化され、スーパーや道の駅、インターネットで買える、とあります。信玄館のおみやげ用のほうとうは2人前500円です。行く前に品を見ておくなら、楽天市場で山梨のほうとうを探すPRとAmazonの検索結果PRで、生麺と乾麺、味噌付きのセットがどんな形で売られているかを一覧で見られます。

家で作るなら、農林水産省のうちの郷土料理「ほうとう 山梨県」に5人分の作り方があります。小麦粉400gをぬるま湯でこねて寝かせ、煮干しのだしで硬い野菜から煮て、麺は1cm位の幅に切って味噌の半分と一緒に入れ、透き通ってきたら残りの味噌で味を調え、ねぎを入れて火を止めて蓋をし、2、3分蒸らす、という順です。

編集部の考え

山梨のほうとうは、家で作って食べる料理から、店で食べたり製麺会社の麺で作ったりする料理に移ってきました。申請したたべるじゃん//ほうとう推進協議会が文化庁に出した文では、核家族化と食の多様化で家でほうとうを食べる頻度が減り、飲食店で食べる機会が増え、ビーガン・ベジタリアンや海外から来た人に向けたアレンジも出ています。農林水産省のにっぽん伝統食図鑑では、家庭でいま作るときは製麺会社の真空パックの生麺や乾麺を使うことが多く、山梨県立図書館の案内によると、県内でのほうとうの商品化は昭和40年代に始まり、観光客向けの土産用も売られるようになりました。その中で笛吹市の江戸屋商店は麺を全て店内で手打ちしていて、一日に作れる数に限りがあります。

ランダムに探す 押すと読みものを 1 本選びます

メニュー

English