花巻のわんこそばは、ほぼ同じ値段でも、ふたを閉めるまで食べられる品と20分で終わる品があります。嘉司屋の3,900円の品(2027年1月4日から4,000円)は時間も杯数も区切らず、金婚亭の3,960円の品は20分間の食べ放題です。4店の料金は、山猫軒駅前店の12杯付きのセット1,800円から、天ぷらと小鉢が付く金婚亭の贅沢わんこそば4,620円まで開きがあります。
花巻の4店で食べる
花巻観光協会は大会の頁で、市内のわんこそば提供店にやぶ屋、嘉司屋、金婚亭、山猫軒駅前店を挙げています。花巻へは、東北新幹線の新花巻駅、東北本線の花巻駅、いわて花巻空港から入れます。山猫軒駅前店は新花巻駅の真向かいにあり、やぶ屋花巻総本店は花巻駅から徒歩10分です。嘉司屋はJR花巻駅から車で約6分、金婚亭はJR新花巻駅から車で10分のところにあります。
| 店 | 料金(中学生以上) | わんこそばを出す時間 | 休み |
|---|---|---|---|
| 嘉司屋 | 3,900円(時間・杯数の制限なし)。2027年1月4日から4,000円 | 昼の部11:00〜15:00(L.O.14:00)。わんこそばは昼の部だけ | 火曜・水曜(祝日・連休は問い合わせ) |
| やぶ屋花巻総本店 | 4,300円(税込) | 平日10:00〜17:00(L.O.16:30)。定休日の前日は15:00まで | 月曜(祝日の際は火曜) |
| 金婚亭 | 花巻わんこそば3,960円(20分間食べ放題)、贅沢わんこそば4,620円(天ぷら・小鉢付き、20分間食べ放題)、体験わんこそば2,310円(24杯限定・焼おにぎり付き) | レストラン10:30〜13:30 | 元旦 |
| 山猫軒駅前店 | 上わんこ3,300円、並わんこ2,800円、わんこそばセット1,800円(12杯) | 10:00〜16:00 | 12月31日・1月1日 |
料金と時間は各店の公式の表示(山猫軒駅前店は花巻観光協会の頁)によるもので、協会の頁には値段の違う店もあるので、出かける前に店の公式で確かめてください。
子どもの料金は、嘉司屋が小学生2,900円・幼児1,700円、やぶ屋が小学生3,300円・未就学児1,300円です。嘉司屋は2027年1月4日から、中学生以上が4,000円、小学生が3,000円、幼児が1,800円になります。薬味は店が添えます。やぶ屋の大人のわんこそばには刺身、塩辛、なめこおろし、漬物、とろろ、ねぎ、権八、削り節、海苔が付き、嘉司屋は大人と小学生に8品、幼児に5品を出します。やぶ屋の未就学児の分には薬味が付かず、同伴者と分ける形です。
予約の仕方も店で違います。嘉司屋は電話(0198-22-3322)で受け、できれば前日までに予約してほしいと頼んでいます。当日の飛び入りでも食べられますが、待つことも断られることもあり、連休や夏休み、お盆、花巻まつりの時期は予約していても待つことがあります。わんこそばを頼まない人が一緒のときは、人数によって別の席に案内されることもあります。支払いは現金かPayPayで、クレジットカードは使えません。金婚亭のレストランは完全予約制で、電話は0198-26-2250です。わんこそばは2日前までに予約します。山猫軒は予約と問い合わせを電話だけで受けていて(駅前店のレストランは0198-31-2013)、時期や時間帯によっては席の予約を受けられないことがあります。やぶ屋花巻総本店の電話は0198-24-1011です。
1人で頼めるかも分かれます。嘉司屋はできるだけ2名以上を頼んでいますが、1人で来た場合や事情しだいでは1人でも受けます。やぶ屋のわんこそばは基本2名からで、1人のときや事情があるときは相談に応じます。金婚亭のわんこそばは2人以上からです。
ふたを閉めるまで続く食べ方
花巻観光協会の大会の頁によると、わんこそばは、給仕が次々に入れる一口そばに好みの薬味を加えて食べ、満腹になった客が椀にふたを閉めるまで続きます。基本は無制限の食べ放題で、金婚亭の案内には、ふたをするのが「もう、たくさん」の合図だとあります。ただ、時間や杯数で区切る品もあり、どこで終わるかは上の表のとおり店と品で違います。
1杯の量と、杯数の数え方
1杯の量は、大会と店とで違います。花巻観光協会の大会の頁によると、わんこそば全日本大会のそばは1杯10gにそろえてあり、わんこ15〜20杯でかけそば1杯程度です。やぶ屋花巻総本店の頁では、店で出すわんこそばは1杯約20gで、こちらは10杯でかけそば1杯分になります。
食べた杯数の数え方も、店によって分かれます。やぶ屋では1グループに給仕が1人付き(最大8名まで)、食べ終えた椀が目の前に積み重なっていきます。金婚亭も最後に積み重なった椀を数えるやり方で、客は裃風のエプロンを着け、殿様の役になって食べます。嘉司屋は椀を重ねず、昔ながらのマッチ棒で数えます。やぶ屋ではわんこそばを頼んだ人全員に大食い証明書が付き、100杯以上食べると横綱記念手形も出ます。
満腹ならふたを閉める
やぶ屋のわんこそばの頁には「本来はおもてなしの食文化です」とあります。嘉司屋はわんこそばの頁で、客の食べるペースを見ながら少しずつそばを湯がくよう心がけているとし、大会のような早食いは勧めていません。店主の2026年7月5日のお知らせには、わんこそばは杯数を競う料理ではなく「ご自身のペースでゆっくりと、楽しく味わっていただくおもてなしの料理です」とあり、満腹を感じたら早めにふたを閉めるよう頼んでいます。子どもについては、保護者がふだんの食事の量を考えて声をかけてほしい、という頼みも添えてあります。
南部の殿様の言い伝えと全日本大会
わんこそばは令和3年度、文化庁が地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を認定する100年フードの、伝統の部門に入りました。申請したのは元祖わんこそば全日本大会運営委員会です。その申請文では、歴史は400年程昔にさかのぼります。南部家第27世利直公が江戸へ上る途中で花巻に立ち寄った折、郷土名産のそばを差し上げると何度もおかわりをしたと伝えられ、そばを椀に盛って出したことから、わんこそばと呼ばれるようになったといわれています。花巻城に泊まった折の話にする店も、地元の農民が椀に小分けして勧めたのが始まりとする店もあり、伝え方は店によって違います。
全日本大会は、花巻観光協会の頁によると、昭和32年12月にわんこそばを花巻名物として広めようと企画されたのが始まりです。今は毎年2月11日(わんこそば記念日)に開かれ、相撲になぞらえて、食べる人を食士、一番食べた人を横綱と呼びます。大会の最高記録は第58回の258杯で、5分間で食べた数です。