名前は通し矢でも、お堂の縁を一昼夜に何本通すかを競った江戸時代の競技そのものではありません。今の大的大会は新成人が60メートル先の大的を射る弓道大会で、2027年は1月17日(日)、午前9時に奉射が始まります。観覧席はなく、一方通行で歩きながら見ます。
大会の正式な名前は三十三間堂大的全国大会です。寺は大会を楊枝のお加持と同じ日に行うと説明していて、2026年のその日は終日無料公開で、駐車場は閉鎖でした。大会の進行と観覧の決まりは主催の京都府弓道連盟と妙法院門跡の実施要項(第77回)で、2027年のお加持と拝観の時間は、寺のお知らせに出てから確かめます。
2027年の大会の一日
実施要項にある進行の予定です。
| 時刻 | 進行 |
|---|---|
| 8:10 | 開会式(妙法院門跡門主による射場のお加持を含む) |
| 8:30 | 矢渡 |
| 8:45 | デモンストレーション |
| 9:00 | 成人男子の部の奉射と競射、続いて成人女子の部 |
| 15:30 | 閉会式(表彰) |
開会式の射場のお加持は大会の式の一つで、寺の楊枝のお加持とは別の儀式です。2025年の主催の案内では、開会式は8時、観覧者の開門は午前9時で、それまでは会場に入れない決まりでした。奉射の開始も同じ9時なので、射場の見える所に着くまでの奉射は見られないこともある、と断っていました。閉会式の15時30分も予定で、2026年の大会は終わりが30分遅れたと、連盟の千田寿男会長が会報に書いています。
観覧席はなく、歩きながら見る
2027年の要項によると、会場は三十三間堂境内特設射場で、雪や小雨でも行われ、毎年非常に混雑します。応援に来る人はできるだけ少人数で、と要項は求めています。会場に行けない人には、YouTubeでのライブ配信が予定されています。京都新聞社が撮った行射の写真は、後日ウェブで販売されます。
撮影について、2027年の要項に観覧中の撮影を禁じる文はありません。あるのは、個人が撮った画像を配信するなら写った人の同意を得るなど肖像権に配慮すること、という注意です。撮れるかどうかは当日の会場の案内に従います。
2025年の主催の案内では、射場は本堂西側、観覧者の入口は南門で、立ち止まらずに歩きながら、選手の背中側から見る決まりでした。特定の選手が射る時間に合わせて見られるとは限らず、男子の決勝のあとの表彰式の間は観覧の列が一時止まる、とも書かれていました。この年は観覧しながらの写真・動画撮影も禁止で、ライブ配信は連盟のYouTubeチャンネルで行い、大会のあとにアーカイブ動画を公開する予定とされていました。第77回の観覧者向けの案内は、2026年10月24日の時点で連盟のサイトにまだ出ていません。
晴れ着で弓を引く新成人の世代
部は成人男子の部と成人女子の部です。出られるのは平成18年4月2日から平成19年4月1日までに生まれた初段以上の人で、寺も連盟もこの人たちを新成人と呼んでいます。成人女子で和服を着る人は、袴と襷を着けると要項で決まっています。寺は、この新成人の晴れ着姿での競技を京都の風物詩の一つとして紹介しています。
的は直径約1メートルの大的で、射距離は60メートル。連盟の紹介では、ふだんの近的(28メートル)の倍以上の遠さです。奉射は全員一手で、全部当てた人が射詰の決勝に進みます。連盟の紹介では、見どころは「限られた持ち時間の中で矢を放つ、静寂と緊張感にあふれた一瞬」です。
千田会長は2026年の大会のあと、「若返りも図りながら、この素晴らしい伝統行事を継承していきます」と会報に書きました。
楊枝のお加持と、その日の拝観
寺はお加持を「インド伝来の修法で、平安時代からの伝統をもつという当院最重の法要」と紹介しています。聖樹とされる楊枝(やなぎ)で、観音さまに祈願した法水を参拝者に注いで諸病を除くもので、「特に頭痛に効くと伝えられます」とあります。
2026年は1月18日(日)に開かれ、開堂は9時から16時まで(受付終了は15時30分)、当日は終日無料公開でした。ふだんの拝観料は一般600円です。
江戸時代の通し矢と本堂
文永3年(1266)に再建された今の本堂で行われた通し矢は、寺の説明では、お堂西縁の南端から120メートルの距離を射通し、その矢数を競ったものです。町衆に人気を博したのは、夕刻から翌日の同じ刻まで一昼夜に何本通るかを競う大矢数でした。慶長11年(1606)の浅岡平兵衛の試技から武芸者が栄誉をかけるものになり、尾張と紀州の二つの藩の功名争いで京都の名物行事になった、と寺は説明しています。最高記録は貞享3年(1686)4月、紀州の和佐大八郎による総矢13,053本、通し矢8,133本で、試技の年齢は18歳だったといいます。今の大会の60メートルは、この120メートルの半分の距離です。
京都駅からの行き方
京都駅前から市バス206系統(北大路バスターミナル行き)か208系統(泉涌寺・東福寺行き)に乗り、博物館三十三間堂前で降ります。寺の拝観案内によると、京都駅から市バスで約10分(時間帯や道路状況で変わります)、停留所から寺まではすぐです。京阪本線の七条駅からは、寺の案内で2番出口から徒歩約7分。
寺には約50台の駐車場がありますが、2026年の大会の日は混雑緩和と安全対策のため終日閉鎖され、寺はできるだけ公共の交通機関で来るよう求めていました。2027年の駐車場の扱いも、寺のお知らせで確かめます。