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小布施丸なすおやき:輪切りのなすに味噌をはさみ、小麦粉の皮で包んで蒸す

近代の100年フード · 令和6年度認定 郷土料理百選

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瓦屋根の平屋で、入口の上に「小布施駅」の木の看板が掛かる長野電鉄小布施駅の駅舎。手前に駐輪の自転車と花壇、右に駅前の道が写っている
長野電鉄長野線の小布施駅(2009年8月撮影) 写真: くろふね(CC BY 3.0、Wikimedia Commons)

長野県の北信地域では、8月14日の朝、仏前におやきを供えます。小布施町では、その具に巾着の形をした小布施丸なすを使ってきました。奥信濃のお盆は1月遅れの8月で、仏様へのお供えにも客のもてなしにも小布施丸なすのおやきは必需品だと、「おいしい信州ふーど」図鑑にあります。

輪切りの丸なすと味噌

このおやきを文化庁の「100年フード」に申請したのは小布施丸なす保存会です。保存会が書いた認定の文には、「輪切りにした小布施丸なすの間に味噌をはさみ」、これを丸ごと小麦粉の皮で包んで蒸した料理だとあります。なすのほうは、肉質がきめ細かくて煮崩れしにくく、ほのかに甘い特有の風味を持つというのが保存会の説明です。

なすのおやきは、土地によって作り方が分かれます。長野県の観光サイトの記事では、長ナスの栽培が主流の地域は刻みナスの焼きおやきが一般的で、丸ナスの収穫量が多かった地域では、輪切りに味噌をはさんだ蒸かしおやきが作られてきました。小布施丸なすは大きいものでソフトボールほどになり、やや扁平な巾着型をしています。

100年フードは、文化庁が地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を認定する取り組みで、小布施丸なすおやきは令和6年度に近代の100年フード部門で認定されました。小布施丸なすは、それより前の平成19年に、長野県が認定する信州の伝統野菜に選ばれています。保存会は、このおやきを明治時代から地域で受け継がれている食文化として申請しました。

家で作るときの手がかりは、農林水産省「うちの郷土料理」の長野県の「おやき」の項にあります。材料は中力粉と丸なすと味噌で、なすを1.5cmの厚さの輪切りにして切れ目に甘味噌をはさみ、生地で包んでフライパンで両面を焼いたあと、15分ほど蒸します。

栽培が減ったなすと保存会

小布施丸なすは、明治初期に町内で育種されたなすがルーツと言われています。町内を中心に盛んに栽培されましたが、昭和30年代ごろから栽培面積が少しずつ減っていきました。そこで平成24年に、このなすを次代に残すことを目的にした「小布施丸なす研究会」が発足し、いまは「小布施丸なす保存会」に名前を変えて活動しています。ここまでは、長野県が令和5年9月に出した文書にある経緯です。

研究会ができた年の様子は、「長野県のおいしい食べ方」の2012年8月の記事に残っています。構成員は生産者12名と飲食店経営者の計19組で、種を取って苗を作る人、その苗からなすを実らせる人、なすで料理を作る人が入っていました。苗が売られているのを知って栽培を始めた生産者は、同じ記事で「採れたナスを食べた感動は忘れられません」と話しています。

小布施の町なかのおやきの店

小布施文化観光協会のサイトに、おやきの店として信濃製菓(喜六さんのおやき)が載っています。場所は国道403号線沿い、中町南交差点の近くで、住所は小布施町大字小布施1111-2。先代の和菓子職人の喜六さんが長野市若穂綿内で始めたおやき屋を守り、小布施町に支店を出した店です。

おやきは、かぼちゃ、小倉あん、にら、野沢菜、丸なすなどがあり、なかでも丸なすは全体の4割にのぼる人気商品だそうです。丸なすの生地には砂糖、上新粉、もち粉を使い、冷めても硬くならないようにしているとあります。営業時間は10:00〜17:00、定休日は水曜日と木曜日で、祝祭日は営業します。全国発送も受け付けていて、クール便で届き、冷凍庫で1か月はもつそうです。

観光協会の紹介文は具を「丸なす」と書くだけで、小布施丸なすを使うか、輪切りにして味噌をはさむ作りかは、そのページからは分かりません。認定された料理と同じものか、一年を通して置いているかは未確認なので、行く前に店(電話026-285-0930)に確かめてください。

丸なすが出る時期

生の小布施丸なすは、小布施屋がオンラインショップで予約販売をしています。そこにある栽培の暦では、畑に植え付けるのが5月中旬、収穫は7月中旬からで、8月10日ごろにピークを迎え、10月中旬まで続きます。2026年は例年より収穫が2週間ほど遅れ、約2.8kg(約8〜12個)の箱の申込期限は9月21日でした。「おいしい信州ふーど」図鑑には収穫時期は7月〜9月とあり、売り手の小布施屋の暦では、それより1か月ほど後ろの10月中旬までです。

小布施では昔から田楽やおやきの具にしてきたなすで、油との相性がよいことから、カレーの具やフライにも使われます。2012年8月の記事では、町内の農産物直売所などで売られていました。小布施屋が運営する農産物直売所「ろくさん」は小布施町大字中松496-1にあり、営業時間は9:30〜16:30で、ふだんは無休ですが、冬季間は木曜日が定休で営業時間も変わる場合があり、年末年始は休みです。丸なすが並ぶ日は直売所(電話026-242-6600)に確かめてください。

小布施駅まで長野電鉄で

小布施駅は長野電鉄の駅です。長野電鉄の運賃表(令和7年12月1日改定)では、長野駅から小布施駅までが17.5km、普通乗車券は870円です。

土曜日・日曜日・祝日(1月1日を除く)と指定日には、観光案内列車「特急ゆけむり〜のんびり号〜」が走ります。下りは長野駅を13:08に出て、小布施駅で約19分停まり、14:00に湯田中へ向かいます。乗るには乗車券のほかに特急券(大人100円、小人50円)が要り、車内販売にはおやき(各種)200円がありますが、具に丸なすがあるかは未確認です。普通列車とふだんの特急の時刻は、長野電鉄の時刻表で確かめてください。

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