根津美術館は、展覧会ごとに会期を区切り、会期と会期の間の展示替えの期間は休館します。観覧はオンラインの日時指定予約が前提です。
この館は、東武鉄道の社長などを務めた初代根津嘉一郎(1860〜1940)の古美術のコレクションを守り、見せるために、長男の二代嘉一郎が開きました。1941年に南青山の根津家の私邸の跡で開館し、1945年5月の空襲で建物の大部分を失いました。それでも、美術品を「衆とともに楽しむ」ことを願った先代の思いを受け継ぎ、翌年の秋には焼け跡のバラックで展覧会を再開しています。いまの所蔵品は、2025年3月末の時点で7,630件です。そのうち国宝が7件、重要文化財が93件あります。
会期と会期の間は休館になる決まり
よくある質問には、展示替えを頻繁にするわけが書いてあります。日本・東洋の古美術には紙や絹、漆のように傷みやすい素材が多く、光や温湿度の変化を抑えるために「展示期間を制限する必要があるのです」とあります。
2026年10月27日の時点では、特別展「舞楽装束」の会期中で、最終日は11月23日です。次の企画展「彫る漆」は12月5日に始まるので、その間の11月24日〜12月4日は決まりのうえでは展示替えの休館にあたります。公式サイトはこの間の休館を日付では示していません。
休館日は月曜日、展示替えの期間、年末年始です。月曜日が祝日のときは開館し、翌日の火曜日が休みになります。年末年始の休館の日付は、10月27日の時点でまだ公式サイトに出ていません。開館時間は10時〜17時で、入館は16時30分までです。
特別展「舞楽装束 受け継がれる染織の美」
10月24日(土)から11月23日(月・祝)までは、特別展「舞楽装束 受け継がれる染織の美」が展示室1・2で開かれています。舞楽は雅楽のうち舞を伴うもので、その装束は宮廷武官の制服を華やかに変えたものです。中国系の左方は赤、朝鮮半島系の右方は青を基調にしました。
高野山の天野社に伝わった装束、大阪・四天王寺の装束、それに約40年ぶりに公開される栃木・輪王寺の装束が並びます。輪王寺の装束は、三代将軍徳川家光が寛永13年(1636)の徳川家康二十一回忌の祭礼に合わせて作らせたものです。子どもが舞う「迦陵頻」は左方の舞なので赤い袍を着るのがふつうですが、輪王寺には赤と青の両方の袍が伝わっています。
四天王寺は天正4年(1576)の兵火で舞楽の道具を失い、豊臣家の寄進で立て直しました。応仁の乱のあとの混乱で雅楽は大きな打撃を受け、復興とともに装束のデザインも宮廷と主な寺社で似通っていきます。展覧会はその移り変わりを装束でたどり、案内は「時を超えて今日まで守り伝えられた舞楽を彩る装束の美をご堪能ください。」と結んでいます。舞を舞う子どもを描いた館蔵の「羅陵王図」も出ます。
同じ会期に、展示室5では墨の細い線を主にした白描画を集めた「白描の美」、展示室6では11月に茶室で炉を開くのに合わせて茶道具を取り合わせた「開炉―冬を迎える―」が開かれています。展示室3は小金銅仏と仏具の「仏教美術の魅力」、展示室4は「古代中国の青銅器」で、特別ケースには中国の乾隆帝が愛した宝飾時計が出ます。会期中の休館日は毎週月曜日ですが、最終日の11月23日(月・祝)は開館します。
この後は、企画展「彫る漆」が12月5日(土)から2027年1月17日(日)まで、企画展「根津美術館の仏像コレクション」が2027年1月30日(土)から3月28日(日)までの予定です。
オンラインの日時指定予約
観覧は、公式オンラインチケット(e-tix)での日時指定予約が前提です。特別展「舞楽装束」は一般1,600円、大学生以上の学生700円。障害者手帳を持つ人と同伴者1名は1,400円(学生500円)で、運転免許を返納して運転経歴証明書を持つ人も1,400円(学生500円)です。高校生以下は無料で予約も要りませんが、学生証を見せます。学生料金も学生証が要り、見せられなければ一般料金になります。
入館の時間枠は10:00〜11:00から1時間ごとに区切られ、最後の枠は16:00〜16:30です。支払いはクレジットカードかd払いで、チケットはスマートフォンの画面か、A4に印刷したQRコードで見せます。キャンセルは来館前日の23:59までで、手数料はかかりません。日時を変えたいときは、キャンセルしてから買い直します。
当日券は、日時指定の定員に空きがあるときだけ受付で売られ、料金は予約より一律200円高くなります。e-tixの案内には、混雑によっては当日券を売らないことがあるとも書いてあります。
企画展の料金は、予約で一般1,400円、学生600円です。ミュージアムショップとNEZUCAFÉ、庭園を使うにも入館料がかかります。展示室の中では写真を撮れません。
庭園とNEZUCAFÉ
本館は隈研吾氏の設計で2009年に建ち、地上2階・地下1階に6つの展示室があります。外に出ると、NEZUCAFÉと4棟の茶室を含む17,000㎡の庭園です。新しい本館を建てるときに主な園路を飛び石から石畳に改め、誰でも歩きやすくしています。
起伏や段差、池はそのままなので、車椅子やシルバーカーで回るときは介助する人の同伴が求められます。庭園の茶室には、茶席を使う人のほかは入れません。
館内は各階へエレベーターで行けて、車椅子でもベビーカーでも観覧できます。1階と地階の「だれでもトイレ」には、おむつ替えの場所とオストメイトの設備があります。
NEZUCAFÉは庭園の中にあり、営業は10時〜16時30分。ラストオーダーはフードが15時、ドリンクが16時で、予約は受けていません。NEZUブレンドコーヒーは800円です。ミュージアムショップには、館蔵の青銅器「双羊尊」をもとにしたマスコット「そんちゃん」のグッズがあり、入館券にもその姿が使われています。
表参道駅からの行き方
東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線の表参道駅で降ります。A5出口(階段)から徒歩8分、B4出口(階段とエスカレータ)から徒歩10分、B3出口(エレベータまたはエスカレータ)から徒歩10分です。都バスなら渋88(渋谷〜新橋駅前行)で「南青山6丁目」まで行き、そこから徒歩5分。駐車場は9台で、うち1台が身障者優先です。