「私はあなたを知らない/知っているのはあなたが遺したたった一枚の絵だ」。長野県上田市の無言館の館主・窪島誠一郎が、開館の日に、会ったことのない戦没画学生へ向けて書いた詩の2行です。上田駅から別所線で塩田町駅へ行き、そこから乗る塩田線のバスは1日4本で、無言館を出る最終は平日14時45分、休日15時30分と、閉館の17時より前です。
無言館は、日中戦争と太平洋戦争のさなかに絵筆をとり続けた画学生たちの遺作を集めた美術館で、正式な名前は「戦没画学生慰霊美術館 無言館」です。収蔵している画学生は130名。塩田町駅からは、歩いて30分か、塩田線のバスで10分と徒歩10分です。無言館と第二展示館に入れる全館共通券は一般1,000円で、休館は火曜(祝祭日の場合は開館)。
上田駅から塩田町駅へ
JR北陸新幹線としなの鉄道の上田駅で、上田電鉄別所線に乗り換えます。降りるのは塩田町駅で、館の案内では、駅から無言館まで歩いて30分です。

タクシーなら、塩田町駅から館までは車で10分です。館の案内では、タクシーは塩田町駅に呼ぶ必要があります。
車なら、館の案内では上信越道の上田菅平ICから約35分、長野道の岡谷ICから国道142号を通って約1時間です。
塩田線のバスと帰りの最終
塩田町駅からは、上田バスの塩田線(循環)で館の近くまで行けます。時刻表の題は「塩田循環線」です。館の案内では乗っている時間は10分で、「無言館入口」で降りて歩いて10分。バスの運賃は、時刻表では塩田町駅から無言館まで200円で、別所線の運賃は別にかかります。館は2025年12月12日のお知らせで、路線バスが通年で使えるようになり、冬季もこのバスに乗り継いで来館できると案内しています。ただし時刻表の注記では、12月31日から1月3日までは、バスが全面運休します。
本数は、館の公式サイトの交通・ご利用案内から開ける2026年3月14日改正の時刻表で確かめます。塩田町駅を出るバスは、平日が9時35分・10時20分・12時30分・13時35分、休日が8時50分・9時50分・12時35分・13時45分です。最初の便に乗り継げる別所線は、上田駅を平日は9時2分、休日は8時19分に出ます。
帰りは、時刻表の「無言館」の欄を見ます。無言館を出る最終の便から乗り継ぐ別所線は、上田駅に平日は15時23分、休日は16時8分に着きます。
入館料と休館日
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開館時間 | 9時〜17時(最終入館は閉館の30分前) |
| 休館日 | 火曜(祝祭日の場合は開館) |
| 全館共通券(無言館・第二展示館) | 一般1,000円、高校・大学生と障がい者800円、小・中学生100円 |
| 最寄り駅 | 上田電鉄別所線 塩田町駅 |
| 住所・電話 | 長野県上田市古安曽字山王山3462、0268-37-1650 |
障がい者の料金で入るときは障がい者手帳を用意します。小・中学生は1か所で払えば、ほかの館も見られます。「KAITA EPITAPH 残照館」が開くのは土日月だけです。
2026年に館で開かれたコンサートとライブの日は、作品を鑑賞できないとお知らせで案内されていました。出かける日を決めたら、公式サイトのお知らせを見ておくと確かです。館内で写真を撮れるかどうかは未確認です。バリアフリーの情報は、館に電話で問い合わせます。
作品に添えられた、画学生の出身と亡くなった場所
画学生の作品は、本館の無言館と、第二展示館「傷ついた画布のドーム」に並びます。収蔵品のページでは、作品ごとに描いた人の生まれた年と出身、学んだ学校、亡くなった年と場所、享年が添えられています。たとえば伊澤洋の『家族』には、1917年に栃木県で生まれ、東京美術学校(現・東京藝術大学)油画科に在学中に入隊し、1943年に東部ニューギニアで戦死、享年26歳とあります。第二展示館の欄には、入営の前日に作られた『自刻像』や、紙に描いた水彩も載っています。

第二展示館の中には「オリーヴの読書館」があり、約15,000冊を開架していて、無料で誰でも使えます。残照館の喫茶室「豆cafe enjyu」とともに、美術館に入らない人も立ち寄れます。

館主・窪島誠一郎が開館の日に書いた詩
無言館が開いたのは1997年5月2日です。その日の詩は、いまも公式サイトの「無言館について」のページに載っています。「私はあなたを知らない」で始まる2行は、詩の始めと終わりの近くで2度繰り返されます。そのあいだには、五十年たってようやく画学生たちが告げたかった言葉にたどりついたことへの詫びがあり、最後は、その絵に刻まれた生命の時間を知っているだけだ、と結ばれます。
館は、親族や知り合いに画学生がいた人に、遺作や遺品がなくても知らせてほしいと呼びかけています。知らせた人は、記念碑「記憶のパレット」への刻名を館と相談できます。
遺作の修復に使う絵繕い基金
窪島誠一郎は、開館して25年余りの時点で書いた寄付の呼びかけの中で、来館者数が開館時の半分にも満たない状態が続いていることを明かしています。画学生の遺作や遺品、戦地から家族に送られた絵葉書や手紙も、「きわめて深刻な劣化」を見せはじめているといいます。
館が設けた「絵繕い基金」は、画学生の作品の修復、複製化、保存環境の整備などに特化した基金で、寄付は銀行振込だけ、個人は1口5千円(1口に満たない額でも可)です。