前橋の焼きまんじゅうは、竹串に刺した饅頭に甘い味噌だれを塗ってあぶった食べ物です。文化庁の100年フードの紹介文には、饅頭といっても「餡が入っていないのがスタンダード」とあります。
店へ行く前に見ておきたいのは休みです。前橋観光コンベンション協会の「前橋まるごとガイド」に載る店は、休みが火曜・水曜・月曜に分かれています。原嶋屋総本家は火曜(祝日の場合は振替営業)が休みで前橋駅から徒歩30分、たなかや焼饅頭店 朝日町店は水曜休みで前橋駅から徒歩15分です。焼きまんじゅうは令和3年度に伝統の100年フード部門に認定され、申請したのはこの協会です。
餡なしの饅頭に味噌だれ
農林水産省の「うちの郷土料理」によれば、焼きまんじゅうは麹を使って発酵させる「酒まんじゅう」の方法で作られます。小麦粉やもち米にどぶろくを加えて発酵させ、蒸してまんじゅうにし、竹串に刺して味噌だれをつけてから焼き上げます。食べるときは串から一つずつ外し、箸で食べるのが一般的です。
協会による原嶋屋総本家の紹介では、白い素まんじゅうを長めの竹串に刺して焼き、味噌だれを何度も塗り重ねます。紹介文には、赤味噌やザラメを使う味噌だれが注目されがちだが「麹種で小麦を発酵させてつくる伝統的な生地こそがこだわり」とあります。焼き上がりは外側がかりっと、中はふんわりします。
餡なしが基本でも、文化庁の紹介文によれば店によって小豆餡や黒ごま餡の入ったものもあります。農林水産省によれば、沼田市や利根郡といった北部では、餡の入った甘い焼きまんじゅうも食べられています。
店ごとの休みと行き方
協会の焼きまんじゅう店10選の特集から、農産物直売所や道の駅などの売店を除いた6店です。
| 店 | 場所と行き方 | 営業時間 | 休み | 店で食べるか | ひとこと |
|---|---|---|---|---|---|
| 原嶋屋総本家 | 平和町。前橋駅から徒歩30分 | 10:30〜17:00 | 火曜(祝日の場合は振替営業) | 店内で食べられる。土日は店内では食べられない | 安政4年(1857年)創業。駐車場あり |
| たなかや焼饅頭店 朝日町店 | 朝日町、国道50号沿いの旧日赤病院の前。前橋駅から徒歩15分 | 10:00〜17:00 | 水曜 | — | 昭和10年創業。焼き饅頭200円、餡入り焼き饅頭300円。餡入りと餡なしを2つずつ串に刺した「ミックス」、黒ごま餡入りもある。駐車場6台 |
| 和田式焼きまんじゅう | 天川大島町。両毛線の天川大島駅から徒歩20分 | 10:00から売り切れ次第終了 | 月曜 | 持ち帰りのほか店内でも食べられる | 焼き加減で白・茶・黒の3種類。焼まんじゅう200円。駐車場なし |
| 千福食堂 | 荒子町 | 11:00〜16:00、17:00〜19:00 | 火曜 | 食堂を兼ねた店 | 餡なしは1串に5個、餡入りは4個。駐車場あり |
| 田中屋本店 | 下小出町、国道17号の交差点。関越自動車道の前橋ICから車で15分 | — | 月曜 | — | 焼いた饅頭に白ごまを振る。餡なしと餡入り。駐車場あり |
| 田中屋製菓 | 若宮町、旧才川町通り沿い。前橋ICから車で10分 | — | 水曜 | 持ち帰り専門 | 餡なしと餡入り。駐車場は道向かいに2台 |
表の「—」の欄、千福食堂と田中屋の2つの店の駅からの道のり、値段が1串か1個かは未確認です。
前橋駅から歩いて行けるのは、たなかや焼饅頭店 朝日町店と原嶋屋総本家です。和田式焼きまんじゅうは同じ両毛線の天川大島駅から歩きます。
原嶋屋総本家で焼きたてを店内で食べるなら、平日に行くことになります。協会の紹介は店内で焼きたてを勧めたうえで、「土日は混み合うため店内では召し上がれません」と添えています。
原嶋類蔵の伝承と竹串
始まりについては、資料によって言い切り方が違います。群馬県の広報誌「tsulunos PLUS」の2020年9月号で、県立歴史博物館の元職員の横田雅博さんは、ルーツは酒まんじゅうではないかと話しています。酒まんじゅうは冷めると固くなるので、農村では焼いて温め、みそをつけて食べていたという見方です。
商品としての始まりは伝承です。文化庁の紹介文によれば、江戸時代末期、原嶋屋総本家の初代・原嶋類蔵が今の焼きまんじゅうを生み、生糸や繭の取引でにぎわっていた前橋の市に売りに出したのが始まりと言われています。農林水産省によれば、当時の味噌は特に甘くなく、明治時代に黒蜜が輸入されてから今に近い味付けになったと言われています。前橋で商売繁盛を願う初市でも、焼きまんじゅうの屋台が並んだといいます。
竹串は、農林水産省が類蔵の当時から刺していたとする一方、横田さんは串刺しや餡入りが老舗の誕生や祭りの屋台での提供に伴って生まれたとし、諸説あると添えています。
持ち帰りと取り寄せ
家で焼いて食べる形のものは、店によって売り方が違います。原嶋屋総本家の焼きまんじゅう詰め合わせセットは、協会が家で焼きたてを楽しめる群馬土産として紹介しています。田中屋製菓は、もらった人が自分で焼いて食べる贈答用のまんじゅうを売っています。農林水産省の説明にも、まんじゅうと味噌だれ、はけ、竹串を詰め合わせたセットが土産として売られていたとあります。中に入るものの数や日持ちは、買う前に店で確かめてください。
協会の特集には、観光客向けに真空パックでたれも付いた土産があるとも書かれています。
JR前橋駅構内の物産館「前橋百貨」(9:00〜19:00)にあるのは、焼きまんじゅうそのものではなく、その味の焼き菓子です。おすすめ土産の一覧に焼きまんじゅうマフィン4個セットと上州名物焼きまんじゅうバームが載っています。協会の特集によれば、マフィンの販売は不定期です。
通販の品を一覧で見るなら、楽天市場で焼きまんじゅうを探すPRと、作り手も形もさまざまな品が並びます。焼いてあるか、たれが付いているかを見て選んでください。