京都国立博物館の平常展示「名品ギャラリー」は、一般700円で平成知新館の展示をすべて見られます。ただ、年中開いている展示ではありません。2026年の秋は、10月6日から11月29日までが特別展「源氏物語 王朝のかがやき」の会期で、名品ギャラリーが次に始まるのは12月22日です。特別展の会期中に、名品ギャラリーだけを見ることはできません。
展示室には、京博が持つ館蔵品と、寺社などから預かっている寄託品が取り交ぜて並びます。館は展示室での撮影を断っていて、その理由に作品の保護と観覧の環境、それに「所蔵者意向尊重」を挙げています。持ち主が館の外にいる作品も、同じ部屋に出ているからです。
2026年度の料金と開館時間
| 期間 | 見られるもの | 一般 | 大学生 | 開館時間 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年10月6日〜11月29日 | 特別展「源氏物語 王朝のかがやき」 | 2,200円(前売・団体2,000円) | 1,200円(同1,000円) | 9:00〜17:30 |
| 2026年12月1日〜12月20日 | 庭園と屋外展示のみ | 300円 | 150円 | 9:30〜17:00 |
| 2026年12月22日〜12月27日、2027年1月2日〜3月22日 | 名品ギャラリー | 700円 | 350円 | 9:30〜17:00 |
名品ギャラリーと庭園のみの期間は入館が16:30まで、特別展は17:00までです。金曜日はどの期間も20:00まで開いています(入館は19:30まで)。休館日は月曜日で、祝日・休日に当たるときは開館し、翌火曜日が休みになります。年末年始は2026年12月28日から2027年1月1日まで休館です。特別展の前売券の販売は10月5日で終わりました。料金と日程は、2026年10月6日時点の公式サイトによります。
無料になる人は、期間によって変わります。名品ギャラリーと庭園のみの期間は、高校生以下と満18歳未満、満70歳以上が無料で、年齢の分かるものを見せます。特別展では高校生も700円(前売・団体500円)かかり、無料は中学生以下です。特別展の観覧料の案内には、満70歳以上の無料が書かれていません。障害者手帳などを見せた人と介護者1名は、どの期間も無料です。
京都駅からは市バス、京阪なら七条駅から徒歩7分
JR京都駅からは、D2のりばから市バス206・208号系統に乗り、「博物館三十三間堂前」で降りればすぐです。京都駅八条口からは、プリンセスラインバスの京都女子大学前行きで「東山七条」へ行き、そこから徒歩1分。歩くなら、京都駅から七条通を東へ20分です。
館が最寄り駅に挙げるのは、京阪の七条駅と、JR・近鉄の京都駅です。七条駅からは東へ徒歩7分。JRの京都駅からは、奈良線で東福寺駅まで行き、京阪に乗り換えて七条駅へ出る道もあります。阪急なら京都河原町駅で降りて京阪の祇園四条駅から、近鉄なら丹波橋駅で京阪に乗り換えて、どちらも七条駅まで乗ります。阪急で来た場合は、四条河原町から市バス207号系統で「東山七条」まで行き、徒歩3分という道もあります。
表門(西門)は現在使えません。入口は七条通りに面した南門で、植物を持っていたらここで預けます。

遠くから来て開館の9時30分に合わせるなら、前の晩の宿は楽天トラベルの京都駅周辺のホテル・旅館の一覧PRで探せます。京都駅の近くなら、D2のりばの市バスで館の前まで出られます。
展示は平成知新館で、明治古都館はいま閉じています
平成知新館は2014年9月に開館した展示館で、設計は谷口吉生です。ニューヨーク近代美術館の新館や東京国立博物館の法隆寺宝物館を手がけた建築家で、展示室全体が免震構造で守られています。陶磁・考古・絵画・書跡・工芸・彫刻と分野ごとに展示室が分かれ、名品ギャラリーも特別展もこの建物で開きます。

明治古都館は、宮内省内匠寮の技師だった片山東熊の設計で、1895年10月に竣工し、1897年5月1日に「帝国京都博物館」として開館しました。1969年には、表門や札売場、袖塀とともに重要文化財に指定されています。いまは免震改修などの基本計画を進めるため展示を行っておらず、ふだんは公開していません。玄関ホールと中央ホールは、公式サイトのVR映像で見られます。
撮影と持ち込みの決まり
撮影は、特別展でフォトスポットを設けた場合を除いて、展示室では断っています。メモは鉛筆だけで、ペンやシャープペンシルは使えません。鉛筆は館で貸してくれます。飲食物は展示館に持ち込めず、水と無糖のお茶やコーヒーだけは展示室の外の休憩用ベンチで飲めます。大きな荷物は、平成知新館の1階と地下1階にある100円返却式のコインロッカーへ。車椅子とベビーカーは、数に限りがありますが無料で借りられます。
館の成り立ちと、預かった作品を守る設備
京博の始まりは、1889年5月に帝国京都博物館の設置が官制で定められたことです。京博は、京都に伝えられた文化財を守り、未来に伝えるために1897年に開館しました。1900年に京都帝室博物館と改称し、1924年には京都市に下賜されて恩賜京都博物館に。国に移って京都国立博物館になったのは1952年です。いまの目的は、文化財保護法に定める有形文化財を集めて保管し、公開しながら調査研究することです。
館蔵品データベースでは、9,000件を超える作品の情報と、21,000点以上の画像を検索できます。ただし、寄託者から預かっている作品、つまり所蔵者が館以外の作品は、このデータベースでは公開していません。国立文化財機構の令和6年度の年報によると、館の所蔵品は9,078件(うち国宝29件、重要文化財207件)、預かっている寄託品は6,767件で、この年度に新しく預かったのが276件です。
展示の入れ替えは、素材の弱さに合わせています。紙や絹でできた東アジアの美術品は光で傷みやすく、長く展示できません。そのため絵画と書跡ではほぼ毎月、工芸品では6週間程度、陶磁・考古・彫刻ではおおむね3か月おきに作品を替えています。展示室が暗いのも、照明と温湿度を文化財に合わせているためです。植物や飲食物を持ち込めないのは、虫やカビのもとになるからだと館は説明しています。
1980年7月には、文化財保存修理所が業務を始めました。建造物を除く有形文化財の保存修理や模写、模造にあたる民間の修理技術者に、安全な環境と設備を提供する施設で、館はこれを機に、修理した文化財の資料集めと調査研究を続けています。修理所は公開していません。
編集部の考え
寺社から見ると、作品を京博に預けるのは、持ち主のままで作品をこの環境に置くことです。照明と温湿度を文化財に合わせた展示室があり、平成知新館は展示室全体が免震構造で、館には民間の修理技術者が作業する修理所もあります。手放さずに守れることが、預ける側の大きな理由なのだと思います。
名品ギャラリーの700円で見られるのは、そうして預かった作品も含む展示です。寄託品はデータベースで探せないので、目当ての仏画や絵巻があるなら、行く前に公式サイトの展示一覧で出ているかを確かめてください。
2026年の秋に三十三間堂の近くで半日あるなら、11月29日までは特別展の2,200円、12月1日から12月20日までは庭園と屋外展示だけで300円です。名品ギャラリーを700円で見たい人は、12月22日以降に日を合わせることになります。館は周辺の社寺にも足をのばして、「作品が伝えられてきた場所を訪ねてみてください」と勧めています。