「太鼓を打たなくても、太鼓の音が聞こえてくるような浮き方の人」。勝山左義長ばやし保存会は、いちばん上手い打ち手をこう書いています。勝山では櫓の上で太鼓を打つことを「浮く」と呼び、決まった打ち方はありません。
2027年の日付
勝山左義長ばやし保存会のサイトには、2027年は2月27日(土)・28日(日)とあります。市と実行委員会の2027年の開催情報は、2026年10月24日の時点でまだ出ていません。市は開催日を2月の最終土曜日・日曜日と案内していますが、2026年の回は2月21日(土)・22日(日)で、2月の最後の土曜日より1週前の週末でした。日付は市の発表で確かめてから宿や列車を決めるのが確実です。
時刻も2027年の分は発表前です。2026年のチラシと広報かつやまでは、次のとおりでした。この記事の時刻は、どれも2026年の値です。
| 日 | 時刻 | 行事と場所 |
|---|---|---|
| 21日(土) | 13:00 | 一番太鼓(上後区の櫓) |
| 22日(日) | 10:00 | 子どもばやしコンクール(上後区から審査員が各櫓を回る) |
| 22日(日) | 19:45ごろ | 御神火送り(神明神社を出発) |
| 22日(日) | 20:00 | どんど焼き点火(弁天緑地) |
1日だけ行くなら、2026年の流れでは、土曜は午後の一番太鼓から櫓の囃子が始まり、日曜は午前から子どもばやしコンクールの審査員が櫓を回って、夜のどんど焼きで終わりました。
櫓の上で太鼓を「浮く」
左義長櫓は総檜作りの拝殿造りで、大きいものは幅約4メートル、高さ約6メートルあります。太鼓は2階の舞台で打たれます。市の説明では、史料に櫓が出てくるのは明和元年(1764年)で、そのときは5か所でした。数はその後に増え、いまは12基です。
太鼓は長胴太鼓を床にじかに平らに置き、そこに人が客へ背を向けて腰掛けます。保存会によると、座る重みで太鼓の長い響きを抑え、遠くまで届く低音にしているそうです。リズムを刻む地打ちの横で、大太鼓の担い手が身振りをまじえて自由に打ちます。バチは一尺(約30センチ)までの短いもので、狭い櫓で人が座る太鼓を打つのに向くと保存会は書いています。
櫓で赤い長襦袢を着られるのは、一人前として青年会に認められた証だと市は説明しています。打ち手はもとは襦袢を着た男の役でしたが、保存会によると、近ごろは子どもや女性の打ち手も多くなりました。囃子唄は、蝶よ花よと始まるだいづるのほか、御大典、金毘羅舟々、四調目、戦友などです。
祭りは、その年の当番区の櫓の一番太鼓から始まります。市の説明では、一番太鼓が鳴るまでほかの櫓は左義長を始められません。そのあとは12地区の櫓で浮き太鼓が続きますが、各櫓に休憩の時間があり、2026年のチラシは当日の地区ごとのスケジュールを見るよう案内していました。
見物の決まりも2026年のチラシにあります。櫓の近くでは櫓の関係者の指示に従い、脚立を立てて人の通りをふさがないこと、むやみに櫓へ近づいたり演者に声を掛けたりしないことです。会場でのドローンの撮影は禁止でした。
短冊と作り物の通り
通りの上には、町内ごとに決めた3〜4色の短冊が吊られます。市の説明では、色は藩から受けた火消しの飾り纏の色がもとだと伝わります。市の観光パンフレットでは、沢地区の北山謙治さんが、全地区民に呼び掛けて約6000枚を作る短冊作りの時間を「皆で祭りを準備する喜びや楽しさ、絆を実感できるひと時」と話していました。通りには、臼や笊などの古い生活用具で干支にちなむ形を作った作り物と、世相を風刺した川柳に絵を添えた行燈も並びます。
どんど焼き
日曜日の夕方になると、松と竹で組んだ各地区の御神体が、九頭竜川の河川敷の弁天緑地へ運ばれます。神明神社で採った火を松明で運び、2026年は午後8時に一斉に点けました。市のどんど焼きの説明には「後片付けも無事すんだ事を感謝する左義長本来の神事です」とあります。五穀豊穣と鎮火を願って神を送り、2日間の行事が終わります。
しめ縄・書初め・おふだは、どんど焼きで燃やしてもらえます。2026年の受付は、21日が午後1時から午後6時、22日が午前9時から午後3時で、勝山郵便局前の本部テントか各地区の御神体へ持ち込みました。広報はかがみもちと門松を持ち込めないものに挙げ、チラシには人形や門松はどんど焼きで燃やせないとありました。プラスチックや金物、だいだいなどの生ものは先に外すよう広報が求めていました。
勝山駅への行き方と帰りの列車
東京からは北陸新幹線で福井駅まで、2026年3月のダイヤ改正後で最速2時間49分です。福井駅では新幹線の2階のホームから1階のJRの改札を出て、えちぜん鉄道福井駅の2階のホームへ移ります。えちぜん鉄道は10分程度の余裕を見るよう案内しています。
福井から勝山までは勝山永平寺線で、昼間は53分、運賃は820円です。土・日・祝日に使える一日フリーきっぷは大人1,200円、こども600円で、往復なら普通運賃より安くなります。祭り会場の町なかと弁天緑地は、勝山駅から歩いて5分ほどです。2026年は歩くほかに、勝山駅裏と本部前を結ぶ無料のシャトルバスが30分おきに走り、最終は両日とも17時53分でした。
帰りは時刻表で決めておきます。2026年4月1日改正のダイヤで、勝山発の最終は21時57分、福井着22時52分です。その前は20時49分発でした。どんど焼きの点火を見てから帰るなら、最終の列車に乗るつもりで考えておくのが無難です。2027年2月の時刻はダイヤ改正で変わることがあります。雪にも気をつけます。冬の勝山は雪が深く、2026年1月の寒波では勝山駅に約75センチの雪が積もり、えちぜん鉄道は早朝と夜の一部の列車を計画運休しました。
車で行く場合、2026年は市役所などに無料駐車場がありましたが、例年とても混むとして公共交通の利用を勧めていました。町なかでは21日と22日の午前8時から午後10時まで車両通行止めの道があり、一部の道は20日から23日の正午まで止めていました。
由来と文化財の指定
市の説明では、左義長は小笠原氏が藩主として入ってから300年以上続き、もとは旧暦1月14日の小正月の行事でした。史料に初めて出てくるのは寛延元年(1748年)です。いまの2月の週末の開催は、見物客と主催者の便を考えて移したものです。勝山左義長は平成20年2月22日に福井県指定無形民俗文化財になりました(福井県指定第368号)。
問い合わせは勝山左義長まつり実行委員会事務局(勝山市未来創造課内、電話0779-88-8114)です。