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trip-jp博覧会からミュージアム、寺社仏閣まで 横浜花博 2027 開幕まで 164日

神奈川県立金沢文庫の観覧料と休館日

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生垣と木立に囲まれた神奈川県立金沢文庫の建物外観。銅板葺きの大きな屋根と横長の窓が続く平屋づくり
神奈川県立金沢文庫(2025年4月撮影) 写真: Aspere(CC0、Wikimedia Commons)

神奈川県立金沢文庫の学芸課長、道津綾乃さんは、新人のころに尊敬する先輩から聞いた言葉を、館の学芸員紹介のページに書いています。「心残りは称名寺の仏典全てに目を通せなかったこと」。その10年後、道津さんは称名寺の文献資料をすべて国宝にするための仕事を任され、仏教学者や歴史学者の友人の力も借りて、2016年に国宝指定用の目録を仕上げました。2023年に目録を伴う『称名寺大蔵経』(臨川書店)を出したところで、先輩の言葉が、館として称名寺の仏典の全体像を示せなかった後悔だったと気づいたといいます。文章は「先輩を超えるには、まだ時間がかかりそうです」で終わっています。

称名寺の国宝を預かる館

金沢文庫は、鎌倉時代に金沢北条氏が営んだ武家の文庫に起源をもつ歴史博物館です。館の基本方針には、この文庫は「最古の武家文庫といわれています」とあります。文庫長の向坂卓也さんは挨拶の文に、県立金沢文庫は「現在2万点を超える国宝をはじめとした多数の文化財をお預かりしております」と書きました。国宝「称名寺聖教・金沢文庫文書」は隣の称名寺の所蔵で、館はそれを保管し、調べ、展覧会や講座で公開しています。

館は昭和5年(1930)に神奈川県の施設として再興され、2030年に開館100周年を迎えます。向坂さんはそこへ向けて、二つの「伝える」を挙げています。文化財をより良い状態で次の世代へ伝えることと、文化財から引き出した知見を展覧会や講演会で伝えることです。そのうえで、時に「文庫さん」と親しみを込めて呼ばれるように、これからも親しまれる施設でありたいとしています。

調べる仕事はまだ途中です。仏教学が専門の学芸員、櫻井唯さんは、1万6千点を超える称名寺聖教のうち、展示にも研究にも一度も使われないまま、値打ちのはっきりしていない資料がまだ多いと書いています。

北条実時の文庫から博物館へ

始まりは、北条実時が武蔵国久良岐郡六浦荘金沢(いまの横浜市金沢区)の邸宅に造った文庫です。館は建治元年(1275)ごろの創設と考えています。蔵書は政治・文学・歴史にわたり、子の顕時、孫の貞顕、曾孫の貞将へ受け継がれました。元弘3年(1333)に金沢北条氏が鎌倉幕府とともに滅びたあとは、隣の菩提寺の称名寺が蔵書を管理してきました。称名寺は、横浜市金沢区のページによると1258年ごろに実時が建てた寺です。

実時の生きた時代を扱う本では、本郷和人の『北条氏の時代』PRが Audible で聴けます。朗読は田尻浩章で、8 時間 28 分です。

称名寺の阿字ヶ池にかかる朱色の反橋と平橋。池に橋と金堂が映り込んでいる称名寺の仁王門。二層の楼門で、銅板葺きの屋根が反り返っている
称名寺の阿字ヶ池にかかる反橋・平橋(左、2022年撮影)と仁王門(右、2011年撮影)写真: 左 Suicasmo(CC BY-SA 4.0、Wikimedia Commons)、右 Takashi.koike(CC BY 4.0、Wikimedia Commons)

称名寺聖教は僧侶たちが集め、書き残してきた仏教の典籍で、ほかに現存しない本や現存最古の写本も含みます。金沢文庫文書は金沢北条氏の一族や僧侶の手紙など約4千通で、要らなくなった手紙の裏に僧侶が仏典を写したものが多く含まれます。この二つは2016年に国宝になりました。実時が称名寺に寄進した宋版一切経(重要文化財)も約3500帖が残ります。運慶晩年の作の大威徳明王像も館が保管していますが、見られるのは展覧会で展示されたときだけです。

特別展の予定

展覧会会期一般の観覧料
柴田コレクション受贈記念特別展 国宝でたのしむ仏教美術―奇珍異宝の世界―2026年9月18日(金)〜11月8日(日)500円
湛睿―国宝を繋いだ称名寺長老―2026年11月20日(金)〜2027年1月17日(日)400円

柴田コレクション展は、柴田芳明氏から仏教美術を中心とするコレクションの一部を寄贈されたのを記念する展覧会です。鎌倉時代の阿弥陀二十五菩薩来迎図などを、国宝「称名寺聖教」といった称名寺ゆかりの文化財と並べています。20歳未満・学生は300円、65歳以上は200円、高校生は100円です。

湛睿展は、館の成り立ちと重なる展覧会です。昭和5年の開館からまもなく称名寺で大量の中世写本が見つかり、訪れた仏教学者たちが多くの写本に「湛睿」の名を見つけたところから、この僧の研究が始まりました。湛睿は鎌倉幕府が滅びたあとの動乱期に称名寺三世長老を務めた人です。会期中には櫻井さんが初回を受け持つ全5回の連続講演会「「聖教」を読む」もあり、申し込みが要ります。

どちらの展覧会も、土曜・日曜・祝日の午後2時と午後3時にボランティアの展示解説があり、会期中に一部の展示替えがあります。

観覧料と休館日

常設展の料金はありません。企画展の観覧料は20歳以上250円、65歳以上100円、20歳未満・学生150円、高校生100円で、特別展の会期中は上の表のように展覧会ごとの料金になります。中学生以下と、授業の一環で来る高校生は無料です。障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳(「ミライロID」の画面でも可)を見せると、本人と介助者1名が無料になります。図書閲覧室だけの利用も無料です。団体料金は20名以上から。65歳以上は運転免許証など年齢の分かるもの、学生は学生証を受付で見せます。

開館は9時から16時30分で、入館は16時までです。休館日は毎週月曜日(祝日なら開館)、祝日の翌日(土曜・日曜なら開館)、年末年始(12月28日〜1月4日)と、展示替えの期間です。柴田コレクション展の会期中は、月曜日のほかに9月24日(木)、10月13日(火)、11月4日(水)が休みで、10月12日(月・祝)は開きます。9月21日は台風の接近で臨時休館になりました。出かける日は館の開館日カレンダーで確かめてください。

入館料はクレジットカード(Visa、MasterCard)、交通系電子マネー、PayPayやd払いでも払えます。講演会の参加費は現金だけです。館内の喫茶室「View」は、館の案内に「こだわりのあるコーヒーと食事にも定評のある」とあります。展示室で写真を撮ってよいかは、公式サイトで確かめられず未確認です。

10名以上のグループなら、事前に申し込むと学芸員の展示解説が頼めます。申し込みは希望日の2か月前からで、回答までに2週間ほどかかります。担当の学芸員は指名できません。

金沢文庫駅からの行き方

最寄りは京急の金沢文庫駅で、快特なら品川駅から33分、横浜駅から16分です。東口から徒歩約12分で、東口を出て右手のアーケードを抜け、バス停「金沢文庫」の角を左へ、ゆるい上り坂を600mほど歩きます。クリーニング店の手前を左に入った突き当たりが金沢文庫です。

シーサイドラインの海の公園南口駅からは徒歩約10分で、JR根岸線の新杉田駅から乗り継げます。この駅は無人駅で、ハンドル型電動車いすは使えません。

称名寺の金堂。入母屋造の本瓦葺きで、正面に3つの扉が並ぶ称名寺の赤門。朱塗りの薬医門で、瓦葺きの屋根を持つ
称名寺の金堂(左)と赤門(右、いずれも2011年撮影)写真: 左右とも Takashi.koike(CC BY 4.0、Wikimedia Commons)

駐車場は障がい者用だけで、一般の車は周りのコインパーキングを使います。館の周りは道幅が狭く、大きな車は入れないことがあります。原付・自転車の駐輪場は無料で、屋外に5台分です。

編集部の考え

金沢文庫の展覧会は、預かっている文化財を調べる仕事の途中経過を見せる場です。11月からの湛睿展は、昭和5年の開館直後に写本が見つかって一人の僧の研究が始まった経緯を、そのまま展示にしています。まだ研究に使われていない資料が残っていると書いた学芸員が、その講演会の初回に立ちます。常設なら無料、特別展でも一般500円で、その仕事の手前まで近づけます。

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