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いもずいもは涼ヶ岡八幡神社の例大祭で2日間だけ振る舞われる里芋の吸物

伝統の100年フード · 令和3年度認定

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元禄8年(1695)に建てられた涼ヶ岡八幡神社の拝殿。入母屋造の屋根に唐破風の向拝が付く
涼ヶ岡八幡神社の拝殿(福島県相馬市)。本殿・幣殿・拝殿は国の重要文化財 写真: Bachstelze(CC BY-SA 3.0、Wikimedia Commons)

いもずいもは、福島県相馬市の涼ヶ岡八幡神社(すずみがおかはちまんじんじゃ)で、例大祭の2日間だけ振る舞われる里芋の吸物です。相馬市が文化庁に出した認定の文には、「里芋の吸物のことで芋吸物(いもすいもの)がなまった言葉です」とあります。食べると「一皮むけて良い知恵が出る、つまり野暮が抜けて頭が良くなる」と言い伝えられてきました。文化庁が、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を認定する100年フードに、令和3年度の伝統の100年フード部門で認定されています。

随身門で食券を買ってから休憩所へ

例大祭は毎年9月の第3金曜日が宵祭り、第3土曜日が本祭りです。もとは旧暦8月15日でしたが、今はこの日に固定されています。いもずいもを作って出すのは涼ヶ岡八幡神社敬神婦人会で、場所は境内の参詣者休憩所です。宵祭りは午前11時から午後7時まで、本祭りは午前10時から午後1時までが神社の案内の目安で、2026年の本祭りは12時30分までとなっていました。食券はいもずいも券とおでん券がどちらも300円、赤飯は500円で、随身門の受付で買ってから休憩所で食べる形です。

2026年は9月18日(金)と19日(土)に行われ、もう終わっています。2025年は9月19日と20日、2024年は9月20日と21日でした。宵祭りは午後5時の神事のあと、午後6時から神楽殿で民舞、ギター演奏、安木節、阿波踊りが奉納され、参道の竹灯ろうに火が入ります。本社本殿をはじめ主な社殿のライトアップは令和5年から始めたものです。神楽殿の回廊には、相馬市立八幡小学校の児童が夏休みに絵を描いた竹灯ろうが並びます。この展示は2016年に始まり、2026年の作品は74点でした。

本祭りでは午前9時の神事のあと、神楽殿で日本舞踊と、福島県重要無形民俗文化財の相馬宇多郷の神楽、オカリナ演奏が奉納されました。神楽を舞う涼ヶ岡八幡神社神楽保存会は、およそ40年休んでいた八幡の神楽を2015年に復活させた団体で、同じ年の例大祭で初めて披露しています。宵祭りの午前中には八幡幼稚園の園児と八幡小学校の児童が、低学年から順にいもずいもを食べに来ています。次の例大祭は、神社の決まりどおりなら2027年9月17日(金)・18日(土)に当たりますが、公式の日程はまだ出ていないので未確認です。市の相馬ふるさとの行事の一覧も、2027年は3月までしか載っていません。祭りの日以外に食べられる店や通販の有無も未確認です。

いもこじ会と野暮が抜ける言い伝え

旧暦8月15日は中秋の名月で、秋の収穫を感謝して里芋を供えることから芋名月とも呼ばれていました。江戸時代の終わりのころ、当時の相馬中村藩は二宮仕法を取り入れて、飢饉で疲弊した農村の立て直しを進めています。そのときに開かれた常会がいもこじ会でした。いもこじとは、水桶に芋を入れ、×の形に縛った2本の棒でこじまわして皮を取る作業のことで、村人が意見を出し合ってこじ回されるうちに良い知恵が出る、という意味で会の名になったといいます。神社の案内には、この会について「定かではありませんが里芋の入ったお汁を出していたとも言われています」とあります。野暮が抜けるという言い伝えは、この故事にちなんだものです。

いもずいもは、もとは鳥居前の佐藤商店や今田地区の菅野さんなど、個人が振る舞っていました。1965年(昭和40年)に涼ヶ岡八幡神社敬神婦人会が結成され、その人たちから作り方を教わって、翌1966年の例大祭から一般の参詣者に振る舞うようになりました。

元禄8年の社殿と保存修理

涼ヶ岡八幡神社は相馬市坪田字涼ヶ岡51にあり、建武2年(1335)に結城宗広が八幡宮を建てたのが始まりだと神社は説明しています。今の社殿は、相馬中村藩5代藩主の相馬昌胤が元禄7年(1694)から造営し、翌元禄8年(1695)に完成したものです。総欅材で、当時は相馬日光と称されました。本殿・幣殿・拝殿を含む現存する7棟は、2012年(平成24年)に国の重要文化財に指定されています。文化庁のデータベースでの名称は八幡神社で、本殿・幣殿・拝殿は権現造の形式、指定の日付は2012年7月9日です。

この7棟は令和5年度から9年度までの5か年計画で保存修理事業の途中にあり、2026年の例大祭の神事は本社の中では行えず、拝殿の前で斎行されました。修理の中で、摂社の若宮八幡宮が1521年から1550年ごろの建築で、福島県内では最古の神社本殿建築だと分かったことを、神社は2026年4月に発表しています。桜の名所でもあり、市の観光ページには約150本のソメイヨシノとあります。

相馬駅から神社まで

涼ヶ岡八幡神社の最寄りはJR常磐線の相馬駅です。相馬駅には仙台方面の下りと、原ノ町・いわき方面の上りが発着し、上りには品川行きの特急ひたちが3本あります。駅前から神社まではタクシーで10分、バスで11分です。バスは福島交通相馬営業所から車川経由原町駅前行きに乗り、八幡で降りると、バス停の北西に神社の駐車場と大鳥居があります。バスの運行本数は3本だけです。車なら常磐自動車道の相馬ICからおよそ5分で、大鳥居の南に無料の駐車場があります。

編集部の考え

いもずいもを作って出しているのは、涼ヶ岡八幡神社敬神婦人会です。会は1965年に結成され、鳥居前の佐藤商店や今田地区の菅野さんから作り方を教わって、翌1966年の例大祭から一般の参詣者に振る舞い始めました。2021年と2022年は新型コロナウイルスの感染対策で例大祭が神事だけに縮小され、いもずいもは中止になりました。2021年9月には会員40名が代わりに鳥居と参道、境内を清掃しています。2026年の宵祭りでは、午前10時に八幡幼稚園の園児が、10時20分からは八幡小学校の児童が低学年から順に食べに来ました。食券は300円で、随身門の受付で買って参詣者休憩所で食べます。

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