福岡市美術館は、大濠公園の中に1979年11月3日に開きました。使命の文には「人が美術を通して交流し、未来を創造する場となります」とあり、その前提として美術資料の収集・保存・調査研究・展示公開・教育普及を続けることを挙げています。来た人がまず目にするのは、その収集の成果を見せるコレクション展で、一般200円です。
館が活動の最初に挙げるのは「紀元前の考古資料から現代美術まで」の幅広いコレクションを活かした展覧会で、所蔵は16,000点を超えます。ダリ、ミロ、ウォーホルの20世紀の作品、旧福岡藩主黒田家の什宝、松永安左エ門旧蔵の茶道具、東光院の仏教美術資料があり、重要文化財も含みます。収集の第1号は1974年に購入したラファエル・コランの《海辺にて》で、黒田清輝に影響を与えた画家だから、という位置づけです。時代も地域もこれだけ幅のあるコレクションを市民とともに集めてきた美術館は、日本では唯一といってよい、と館は見ています。展示のほかに、市民が創作の成果を発表する場を貸し、子どもから高齢者までを相手にした教育普及のプログラムも続けています。
コレクション展は一般200円
観覧料は、コレクション展と企画展が一般200円、高大生150円、中学生以下は無料です。特別展は展覧会ごとに料金が違います。20名以上の団体は一般150円、高大生100円。障害者手帳を持つ人と介護者1名、福岡市・北九州市・熊本市・鹿児島市に住む65歳以上の人は、展示室の入口で証明書を見せると無料になります。観覧券はクレジットカード、電子マネー、QRコード決済でも買え、コレクション展示室の券はオンラインでも売っています。
2026年10月15日の時点でこの料金で見られるのは、1階の東光院仏教美術室の「東光院のみほとけ」(2027年3月31日まで)、生誕150年の「詩と絵の旅人―吉田博」(2階の近現代美術室A、12月20日まで)、古美術企画展示室の「肥前のやきもの」と「仙厓展 後期展示」(11月29日まで)などです。吉田博は、館が収集方針の最初に置く九州出身の近代洋画家の一人です。企画展の「山内光枝展 潮ノ記」(2階の近現代美術室B、12月20日まで)も同じ料金です。
特別展「インド更紗 世界をめぐる物語」は12月20日まで
特別展「インド更紗 世界をめぐる物語」は、10月17日(土)から12月20日(日)まで、2階の特別展示室で開かれています。木綿に茜や藍で堅牢な染めを施す技術はインドで生まれ、その布がヨーロッパ、東南アジア、日本へ渡って変わっていく姿を、ロンドン在住のカルン・タカール氏のコレクションでたどる展覧会です。タカール氏は1960年生まれで、1982年からアジアとアフリカの染織品を集めてきました。「私はこのコレクションの束の間の守り人にすぎません」と語り、博物館への寄贈や貸出を続けている人です。
観覧料は一般1,700円、高大生1,100円、中学生以下無料で、20名以上の団体は一般1,600円、高大生1,000円です。前売券(一般1,600円、高大生1,000円)は、ミュージアムショップとARTNEチケットオンラインで10月16日(金)に販売を終えました。特別展の券でコレクション展も見られるかは、公式の案内に記載がなく未確認です。図録(B5変型、168ページ、3,500円)は館のミュージアムショップで売っていて、館のオンライン通販では扱っていません。
金・土曜の夜間開館は10月31日まで
開館は9時30分から17時30分で、入館は閉館の30分前までです。7月から10月の金・土曜日は20時まで開いていて、今年は7月3日(金)に始まりました。10月の最後の土曜日は31日なので、2026年の夜間開館は10月31日(土)が最後です。11月に入ると金・土曜も17時30分で閉まります。
休館日は月曜日で、月曜日が祝日・振替休日のときはその後の最初の平日が休みです。11月は、23日(月・祝)が開館して24日(火)が休館です。年末年始は12月28日から1月4日まで休みます。
大濠公園駅からの行き方
地下鉄空港線の大濠公園駅(福岡市美術館口)の3・6番出口から徒歩10分です。博多駅から大濠公園駅まで約10分、天神駅から約5分、福岡空港駅から約15分。七隈線なら六本松駅の2番出口から徒歩10分で、博多駅から約13分、天神南駅から約8分です。
西鉄バスは、博多バスターミナルの2のりばから13番で「福岡市美術館東口」まで行くと徒歩3分です。天神からも13番と140番が同じ停留所に止まります。快速は福岡市美術館東口に止まりません。車なら館の駐車場は普通車26台で1時間200円、週末と祝日は混むので、館は公共の交通機関を勧めています。
建物は前川國男の設計で、赤茶色の外壁は常滑焼の窯で焼いた磁器質タイルです。「エスプラナード」と呼ぶ広い広場とロビーを通ってから展示室に着く配置です。老朽化のため2016年9月1日から約2年半休館し、2019年3月21日のリニューアルでは大濠公園側の西側に新しいアプローチを設けました。レストランとカフェもこのときに充実させています。改修の目的は、いろいろな人を受け入れて交流が生まれる、より開かれた美術館になることでした。
館内の撮影とロッカー、子ども連れの設備
コレクション展示室には写真を撮れる場所があり、撮影禁止の表示がある展示室や作品は撮れません。動画、フラッシュ、三脚や自撮り棒は使えません。特別展示室とギャラリーの撮影の可否は展覧会ごとに違い、各展覧会の問い合わせ先で確かめます。
手荷物はコインリターン式のロッカーに入れます(1階のミュージアムショップ横、2階ロビー、2階レストラン前)。展示室で使える筆記用具は鉛筆だけで、飲食はカフェなど指定の場所に限ります。
使命の行動の一つに、すべての人が安全に安心して過ごせる環境を整えることを挙げています。すべての入口にスロープがあり、車いすとベビーカーは1階総合案内で無料で借りられます。エレベーターは1台、みんなのトイレは1階総合案内の後方と2階チケットカウンターの後方にあります。授乳室はキッズスペース「森のたね」の中で、おむつの交換は館内すべてのトイレでできます。「森のたね」はアーティストのオーギカナエが、館の所蔵品を遊べるオブジェにして作った空間です。発達障がいのある人向けに、館までの道のりと館内の様子を写真で示した「ソーシャルガイド」のPDFも公式サイトにあります。
カフェ「アクアム」は9時から19時(7月から10月の金・土曜日は20時まで)、レストラン「プルヌス」は火〜金曜が11時から20時30分、土・日・祝日が9時30分から20時30分で、どちらもホテルニューオータニ博多の運営です。1階のミュージアムショップは火〜金曜が11時から17時30分、土・日・祝日が9時30分から17時30分で、特別展の図録はここで買います。
訂正(2026年10月19日): 「特別展『インド更紗 世界をめぐる物語』は12月20日まで」で、前売券は10月16日(金)まで買える、初日の10月17日(土)にトークイベントがあると書いていましたが、前売の販売は10月16日で終わり、トークイベントも済んでいました。