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2027年の干支 丁未(ひのとひつじ)は、五行で火が土を生む組み合わせ

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櫛田神社の楼門の天井にある干支恵方盤。木の円盤の外周に十二支の動物の彫刻が並び、内側の輪に東西南北の文字、中心に矢印がある
櫛田神社(福岡市)の楼門の天井にある干支恵方盤(2010年7月撮影)。中心の矢印は毎年大晦日に新しい年の恵方へ回すので、写真の矢印は撮影した年の恵方を指している 写真: Jakub Hałun(CC BY-SA 4.0、Wikimedia Commons)

火が土を生むのは、火が木を焼き、焼けた木が灰になり、その灰が土だからです。蕭吉の『五行大義』が『白虎通』から引く説明で、2027年の干支、丁未(ひのとひつじ)は、火の弟の丁と土の未をこの順に組んだものです。前の年の丙午は、火と火が重なる組でした。

五行の相生で、丁の火が未の土を生む

丁は五行が火、陰陽が陰(弟)で、訓読みは「ひのと」です。未の五行は土です(どちらも国立国会図書館の電子展示会「日本の暦」の十干・十二支の表)。

五行の木・火・土・金・水は、木が火を生み、火が土を生み、土が金を生むという順でつながると考えられてきました。蕭吉の『五行大義』は巻二の「論相生」でこの順を説き、火が土を生む理由を『白虎通』から引いています。火は熱いので木を焼き、焼けた木は灰になり、その灰が土だ、という理屈です。丁の火と未の土は、この順でいえば生む側と生まれる側の並びに当たります。同じ巻二が引く『五行十雑』は丁を灰とし、土の支を説く所では、未の中に火が残っている(未中有餘火)としています。

同じ「論相生」には、河間献王の問いに温城の董君が答えた言葉も引かれていて、木が火を、火が土を生む順を挙げたうえで、春は生み、夏は長じ養い、秋は収め、冬は蔵する、と季節の役目を並べています。夏の役目は「長養」、育てて養うことです。『説文解字』が丁を夏の時期の字として説くのと、ここで重なります。

字の意味では、司馬遷の『史記』律書が丁を万物の「丁壮」、つまり物が盛んに育ってたくましくなったさまをいう字とし、劉熙の『釈名』も丁を「壮」の字で言い換えています。未のほうは、『史記』律書が万物がみな成って「滋味」をもつことをいう字とし、許慎は『説文解字』で未をまず「味」の字で説き、六月を滋味の時に当てました。

未を味と説く『史記』と『説文解字』に立てば、二つは盛んに育ったものが成って味をもつ段へ移る並びになります。火が土を生む説明も、木が灰に姿を変えて土になる、次の段へ移る話です。未を昧と説く本もあり、その読みは未の字義の節で扱います。

干支が60年で巡るなら、前の丁未の年に何があったかも並べられます。1967年は、8月8日にバンコクで東南アジア諸国連合(ASEAN)ができ、10月に宇宙条約が発効した年です(ASEAN の公式サイト、国連宇宙部)。1907年は米国の金融恐慌が連邦準備制度の設立につながり(米連邦準備制度の歴史のページ)、日本では義務教育が6年に延びました(文部科学省『学制百年史』)。1787年には9月17日に合衆国憲法が署名され(米国立公文書館)、江戸では松平定信が老中になっています(国立国会図書館)。もっとさかのぼると、1127年には金が北宋の徽宗と欽宗を北へ連れ去り、高宗が応天府で即位して南宋が始まりました(『宋史』)。107年には、倭国王の帥升らが後漢に生口160人を献じて謁見を願い出ています(『後漢書』東夷伝)。

ただ、これを丁未らしさとは読めません。2027年から60年ずつ紀元前9世紀までさかのぼって48回の丁未の年を並べると、新しい制度ができた年もあれば、王朝が倒れたり乱が起きたりした年もあります。丙午の側も同じで、1966年には国連総会が国際人権規約を採択し(国連人権高等弁務官事務所)、1906年には米国で食品と薬の連邦法ができました(米食品医薬品局の年表)。古い時代の記録は、王の死や改元、日食や災害を年ごとに書く中国の史書の本紀が中心なので、どの年を引いても似た並びになります。

干支の跡がはっきり残っているのは、出来事より人のほうです。厚生労働省の人口動態統計では、丙午の1966年の出生数は1,360,974人で、前の年の1,823,697人より4分の1ほど少なく、丁未の1967年には1,935,647人に増えました。この時期の数は沖縄県を含みません。出生数の推移の図には、1966年のところに「ひのえうま」と注記があります。丙午の1906年も、出生数は前の年の1,452,770人から1,394,295人に減っています(厚生労働省「出生に関する統計」)。

もう一つの跡は呼び名です。朝鮮では、1547年に良才駅で文定王后の政治を批判する壁書が見つかり、官僚が死罪や流罪になった事件を、丁未士禍とも呼びます(国史編纂委員会)。1727年に英祖が老論の大臣を退けて少論を登用した件は丁未換局で、この名はその年が丁未年だったことから来ています(韓国学中央研究院の韓国民族文化大百科事典)。1907年7月24日に大韓帝国と日本が結んだ第三次日韓協約にも、丁未七条約という別名があります(同事典)。日本では、蘇我氏と物部氏が争い、物部守屋が亡くなった587年(八尾市)の戦いを、丁未(ていび)の乱とも呼びます(奈良県)。

丁の字義: 『説文解字』の「丁実」と『史記』の「丁壮」

許慎の『説文解字』は、夏の時期には万物がみな「丁実」になると丁を説明しています。育った物の中身が満ちてしっかりする、という語です。同じ項で許慎は、丁の字の形を人の心にかたどったものとし、十干の並びでは丙を承ける字と説きました。

司馬遷の『史記』律書は、南から吹く景風の所に十干の丙と丁を置き、丁は万物の「丁壮」をいう字だとします。景風の景は、陽の気の道が行き着くことだと説明されています。丁壮は、育ってたくましく壮んになったさまです。同じ所で、十二支のほうは午がここに当てられています。

班固の『漢書』律暦志は、十干を一字ずつ万物の育ちの段に当てて並べています。丙では「明炳」と明るく現れ、丁で「大盛」、大いに盛んになり、戊の「豊楙」で生い茂る、という順です。律暦志はこの十干と十二支の並びを、陰陽が施して物を化し、万物が終わってはまた始まる道筋として結んでいます。劉熙の『釈名』釈天は丁を「壮」の一字で言い換え、物の体がみな丁壮になると続けます。

未の字義: 「味」と読む『説文解字』と「昧」と読む『釈名』

丁と違って、未は本ごとに説明が分かれます。許慎は『説文解字』で未をまず「味」の字で説き、六月は「滋味」の時だと続けました。さらに、五行の上では木が未で老いるとし、字の形を木に枝葉が重なったさまと説いています。ここでの未は、十二支の五行の表で土に当てる見方とは別に、木の育ちの終わりの側に置かれています。

司馬遷の『史記』律書は、未を南の景風の次、西南の隅から吹く涼風の所に置き、六月に当てています。そのうえで、未は万物がみな成って滋味があることをいう字だとします。成って味がつく、という説明で、『説文解字』の味と同じ向きです。ただし同じ所で、六月の律の林鍾については、万物が死の気に就くことをいう、とも説いています。日本では南西の方角を、十二方位の未と申の間なので未申(ひつじさる)とも呼んでいました(国立国会図書館「日本の暦」)。

これに対して、班固の『漢書』律暦志の並びは未を「昧薆」とし、劉熙の『釈名』釈天は未を「昧」の字で説きます。昧は暗いという意味で、『釈名』は、日が真南を過ぎると傾き、暗い方へ向かうからだと理由を添えています。昧薆は、暗く覆われるさまです。律暦志の十二支の並びでは、巳で「已盛」と盛りが極まり、午で「咢布」と広がり、未で昧薆となって、申で「申堅」と固まります。未は、広がったものが固まる前の段に置かれています。

丁未を育ちから実りへの組み合わせと読むのは味の説明のほうで、昧の説明に立てば、未は盛りを過ぎて傾く段の字になります。

「えと」は兄(え)と弟(と)のこと

古代中国の陰陽説と五行説を合わせた陰陽五行説は、やがて十干に当てはめられました。日本では陰と陽を兄(え)と弟(と)に見たてて、「兄弟(えと)」と呼ぶようになりました(国立国会図書館「日本の暦」)。十干は、もとは日を順に10日のまとまりで数えるための呼び名で、10日を一旬と呼び、上旬・中旬・下旬の3つで1か月になります。十二支も、もとは12か月の順番を示す符号で、動物はのちに結びつけられました(国立天文台のこよみ用語解説)。

丁未の読みは、国立国会図書館の六十干支の表で訓読みが「ひのとひつじ」、音読みが「ていび」です。国立天文台の用語解説の表は、弟(と)と十二支の読みの間に習慣で「の」を入れて「ひのとのひつじ」と読みます。

五行兄弟
木甲(きのえ)乙(きのと)
火丙(ひのえ)丁(ひのと)
土戊(つちのえ)己(つちのと)
金庚(かのえ)辛(かのと)
水壬(みずのえ)癸(みずのと)

1967年生まれが2027年に迎える還暦

六十干支は古く中国から伝わり、数字の代わりに長い年数や日数を表すのに使われてきました。1番の甲子は「こうし」「かっし」「きのえね」と読みます。十干と十二支は甲子、乙丑、丙寅と一つずつ同時に進み、甲・丙・戊・庚・壬の兄の干には子・寅・辰・午・申・戌が、乙・丁・己・辛・癸の弟の干には丑・卯・巳・未・酉・亥が組み合わされるので、組み合わせは60通りです。表の最後の癸亥の次は、最初の甲子に戻って繰り返します。国立国会図書館の六十干支の表で、丙午は43番、丁未はその次の44番です。国立天文台の用語解説には「60年で干支が一回りするため、60歳になることを還暦を迎えるという」とあり、1967年に生まれた人には2027年がその年に当たります。

奈良文化財研究所のブログが紹介する文祢麻呂の銅板墓誌(国宝)は、亡くなった年を「慶雲四年歳次丁未」と刻み、同じページは慶雲4年を707年と読んでいます。707年から60年ずつ数えると、1967年と2027年も丁未の年です。

2027年の恵方は北北西、節分は2月3日

2027年の恵方は北北西です。恵方は陰陽道で歳徳神のいる方角で、その年の干で決まり、丁と壬の年は亥と子の間の壬の方位、北北西になります(国立国会図書館のレファレンス協同データベースに載る、名古屋市鶴舞中央図書館の回答)。歳徳神は牛頭天王の后で八将神の母とされ、この神のいる方位が恵方、あきの方などと呼ばれます(国立国会図書館「日本の暦」)。方位は北から時計回りに子、丑、寅と12に分けるので、亥と子の間は北から少し西に寄った方角です(国立国会図書館「日本の暦」)。同じ回答は、恵方の別の呼び名に明きの方、吉方、兄方、得方を挙げ、その年の干は『暦日大鑑』や『21世紀暦』で確かめられると案内しています。

国立天文台が2026年2月2日に発表した令和9年(2027年)の暦要項では、立春が2月4日、節分が2月3日です。節分は季節の分かれ目のことで、もとは四季それぞれにありましたが、のちに春についてだけ言うようになりました。いまの節分は立春の前日を指します(国立国会図書館「日本の暦」)。

福岡市の櫛田神社では、楼門の天井に博多人形師が作った干支恵方盤が吊り下げられています。福岡県の観光サイト「クロスロードふくおか」の紹介では、円盤の外側に十二支の彫刻、内側に東西南北の方位があり、中心の矢印は毎年大晦日に新しい年の恵方へ回されます。

令和9年用の年賀切手は未(羊)

日本郵便が2026年11月2日に発行する令和9年用の年賀郵便切手は、川崎巨泉(1877〜1942)が描いた郷土玩具の絵(おもちゃ絵)から、来年の干支の未にちなむものを採っています。額面は110円(のり式)と85円(シール式)です。寄付金付お年玉付の年賀切手(113円と88円、寄付金3円を含む。のり式)は、未(羊)を型染めの風合いを取り入れたイラストで描いています。

前の年の丙午: 丙と午の字義

丙は明るく現れる字です。許慎の『説文解字』は丙を南方に位置する字とし、万物が成って「炳然」と明らかになる時で、陰の気が起こり始め、陽の気が欠けようとする段だと説きました。字の形は、乙を承けて人の肩にかたどったものです。『釈名』は丙を「炳」の字で言い換えて、物が生じて明らかになり、みなはっきり見えるさまとし、『史記』律書は陽の道が著しく明らかになることとします。

午は陰と陽が交わる字です(『史記』律書)。陰の気が下から上って陽と逆らうさま(『釈名』)、五月に陰の気が陽に逆らい、地を冒して出てくること(『説文解字』)とも説かれます。『釈名』はさらに、午を易の離の卦に当て、離は麗く(つく)ことで、物がみな陽の気についてよく茂る、と添えています。

2026年に世界で起きたこと10件(10月31日まで)

10月31日までに、各国の政府や裁判所、国際機関、大会の主催団体が公式に発表した出来事から、暮らしや国どうしの関係を変えたもの、年をまたいで続いた戦い、世界中が同じものを見た催し、何十年ぶりの出来事を選びました(11月と12月の分は入っていません)。

日付出来事分野
2月6〜22日第25回オリンピック冬季競技大会(ミラノ・コルティナ)。日本のメダルは金5・銀7・銅12の計24個(日本オリンピック委員会)スポーツ
2月20日米連邦最高裁判所が、国際緊急経済権限法は大統領に関税を課す権限を与えていないと判断通商
2月28日米国とイスラエルがイランを攻撃し、イランが中東の複数の国へ報復の攻撃。国連の安全保障理事会が緊急会合を開く(国連ニュース)国際
3月ホルムズ海峡のタンカーの通航が制限され、国際エネルギー機関(IEA)は世界の石油供給の「史上最大の途絶」としたエネルギー
4月1〜10日NASAのアルテミスIIが4人の宇宙飛行士を乗せて月を回り、地球に戻る。NASAは半世紀あまりぶりに月へ向かった宇宙飛行士としている宇宙
4月12日ハンガリーの総選挙で、2010年から議会の多数を握ってきたオルバン首相の連立が敗れ、マジャル氏が首相に就いた(欧州安全保障協力機構、欧州委員会)政治
5月17日世界保健機関(WHO)が、コンゴ民主共和国とウガンダのエボラ(ブンディブギョウイルス)の流行を、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態と判定。前日までに、コンゴ民主共和国のイトゥリ州で確定8人・疑い246人・疑いの死者80人、ウガンダの首都カンパラで確定2人保健
6月米国とイランが即時の停戦とホルムズ海峡の再開で合意(国連ニュース、6月14日)。7月に戦闘が再び起き、6月の合意による暫定の停戦が破れた(同、7月15日)国際
8月欧州のコペルニクス気候変動サービスが、8月は観測史上もっとも暑い月に並んだと発表。9月3日には世界気象機関(WMO)が、エルニーニョ現象が今後数か月で非常に強くなる見通しを出した気象
1〜10月年をまたいで戦いが続いた。ガザでは2025年10月の停戦のあともイスラエルの攻撃が続き、2026年10月12日までに1,493人が死亡(国連人道問題調整事務所)。10月30日には国連人権高等弁務官事務所が、イスラエルが軍の展開をガザの70%の土地に広げるとしていると伝えた。スーダンでは10月の最初の3週間にドローン攻撃で306人以上が死亡し、ウクライナでは1〜6月に民間人1,396人が死亡した(同事務所)国際

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