「裸衆は魚、陸側は漁師で必ず陸側が勝つと聞いています。」大磯の左義長の保存会の会長だった二梃木政義さんが、2024年の町の広報に寄せた文の一節です。北浜海岸でサイト9基が燃える横で行う綱引きのことで、2027年の日付は2026年10月24日の時点でまだ発表されていませんが、点火は2024年から2026年まで、どの年も18時30分からでした。
日付と点火の時刻
2024年から2026年の日付は、2024年が1月14日(日)、2025年が1月12日(日)、2026年が1月17日(土)でした。点火の時刻は、3年とも町の広報誌の告知に載っていました。観光協会のパンフレット(令和6年版)には、左義長の日は暦の上では1月14日で、日程は年によって変わり、平日にあたる年はその前の祝日に行われる場合が多い、とあります。2026年の1月17日(土)のように、この形に当てはまらない年もあります。2027年の確かな日付は、町の広報誌と、町の観光のページ「大磯の左義長」に出るのを待つことになります。
当日の浜
2025年の当日、北下町の大北地区では、朝6時からヤンナゴッコに使うソリの準備とお仮屋の解体が始まりました(大磯町郷土資料館のブログ)。オンベ竹を降ろして浜まで運び、サイトを組み立てていき、お昼ごろには9つの地区すべてでサイト立てが終わっています。
サイトはオンベ竹を中心に正月飾りなどを詰め、わらで巻いて仕上げ、高さは7〜8mになります。その年の恵方の方角が火の点け口で、9基に一斉に火が入ります。集まった人は、竹の竿の先に付けた団子をこの火で焼いて食べます。この団子を食べると風邪をひかない、燃やした書き初めが高く舞い上がると腕が上がる、と町は伝えています。2024年は、NPO法人大磯だいすき倶楽部が当日の15時から、国道1号線の「大磯駅入り口」信号角で団子を売る立ち寄り処を開く予定でした(観光協会のパンフレット)。
必ず陸方が勝つヤンナゴッコ
サイトが燃え上がるころ、子の神・大北・長者町の3地区のサイトの海側で、ふんどし姿の若い衆がヤンナゴッコと呼ばれる綱引きを始めます。悪霊や疫病神を押し込めたという藁縄の仮宮をソリに載せて海に引き入れ、海の側の浜方と陸方とで引き合います。3回引き合ったあと、仮宮は岸で踏み壊されます。2018年の広報の予定では、点火が18時30分頃、ヤンナゴッコが19時00分頃でした。
町の説明でも、勝つのは必ず陸方です。観光協会のパンフレットの説明では、海に入る浜方の若衆は魚とされ、それを引き上げて豊漁を願うので陸方が勝ちます。同じパンフレットは、ヤンナゴッコを近くで撮るなら膝までの長靴があるとよいと勧めています。綱引きのあと、ソリは地区の中を曳かれていきます。郷土資料館のブログでは、2025年の大北地区で社に着いて終わったのが20時前後でした(点火の時刻とは別の年の記録です)。
大磯駅から北浜海岸へ
町の案内は、電車なら JR東海道線の大磯駅で降りるよう書いています。北浜海岸へは大磯駅から徒歩10分と、観光協会のパンフレットの地図にあります。
横浜からは東海道線の下りで乗り換えなしです。JR東日本の今の時刻表では、土曜・休日運転の普通列車が横浜を17時05分に出て、大磯に17時43分に着きます。帰りの上りは、土曜・休日の時刻表で最後が大磯23時26分発の品川行きです。2027年1月の行事の日にこのダイヤのままかは未確認で、ダイヤ改正で変わることがあります。
見物と車で行くとき
芦川博昭さん(2018年当時の大磯町左義長保存会の会長)は町の広報で、大磯の左義長は一般の人に開かれた祭りだとして、「他の地域の方も、町外の方も、ぜひ参加してください。」と呼びかけていました。作業の側から加わる道もあり、2024年の広報は、祭りの作業を手伝うボランティア「左義長応縁団」を募っていました(問い合わせは東光院)。観覧料や予約については、町と観光協会のページに案内が見当たりません。見物の場所の決まりと当日の交通規制も案内がなく、未確認です。
車の場合、町営の大磯港の駐車場は第一が114台、第二が239台で、10月から3月は午前4時から午後10時まで開いています(出庫は24時間可能)。普通自動車は1時間310円、1日の上限は1,040円です。町役場の駐車場も土日祝日に有料で開けていますが、通常は午後5時に閉門で、18時30分の点火より前に閉まります。利用時間を超えて駐車すると、別途5,000円が加算されます。大磯駅前と大磯漁港の周辺は、大磯警察署が違法駐車の取り締まりの重点地域にしています。
行事の日までの3日間
どんど焼きは全国にありますが、大磯の違いは伝統行事がいくつも付いていることだと芦川さんは話していて、町の広報には「ただ公園でお団子を焼くというのとは、少し違うんですね。」という言葉が載っています。
左義長の前の3日間、下町の通りに木造のお仮屋(オカリヤ)が建ち、子どもたちがこもって過ごします。2026年は1月14日から16日がその期間でした。町の人はセエノカミサン(道祖神)を参って歩き、7か所を回ることを七所参り(ナナトコマイリ)と呼びます。町の文化財の案内によると、今は1か所増えて、「七所参って八所(やあとこ)せ」とはやします。
祭りの始まりについて、町は目一つ小僧という疫病神の言い伝えを紹介しています。目一つ小僧から人々の行いを書いた帳面を預かった道祖神が、自分の家ごと帳面を焼いてしまい、それが始まりだといわれています。
国の重要無形民俗文化財
大磯の左義長は1997年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。町はこの行事をセエトバレエ、ドンドヤキとも呼ぶと紹介しています。出かける前の問い合わせ先は、駅前観光案内所(大磯町観光協会、0463-61-3300)と大磯町生涯学習課(0463-61-4100)です。