鉄道で横浜の花博やミュージアムへ行く準備は、スマートフォンの乗換案内でほとんど足ります。それでも紙の本が役に立つ場面が3つあります。乗り継ぎを前後にずらして比べるとき、乗る路線の成り立ちを知ってから車窓を見たいとき、降りた先で建物を歩いて見るときです。ここでは、出版社の内容紹介で中身を確かめた6冊を、この3つの場面に分けて並べました。本の値段はここに書きません。版や在庫で変わるので、各書店のページで確かめてください。
| 書名 | 著者・編者 | 出版社 | 刊行 | ページ数 |
|---|---|---|---|---|
| JTB時刻表 2026年9月号 | JTB時刻表編集部 | JTBパブリッシング | 2026年8月25日(毎月刊) | 1,080 |
| 旅鉄BOOKS045 新 青春18きっぷの教科書 | 「旅と鉄道」編集部 | 天夢人 | 2021年5月 | 160 |
| 青春18きっぷで楽しむおとなの鉄道旅行(だいわ文庫) | 小林克己 | 大和書房 | 2015年7月 | 231 |
| 神奈川県の鉄道 昭和〜平成の全路線 | 杉﨑行恭 | アルファベータブックス | 2017年9月 | 96 |
| 横濱建築 記憶をつなぐ建物と暮らし | 中井邦夫 監修 | トゥーヴァージンズ | 2024年3月 | 192 |
| おかえり、ヨコハマ | 横浜美術館 編 | torch press | 2025年2月 | 288 |
刊行年月とページ数は各出版社の内容紹介と書店の書誌情報によります(2026年9月13日時点)。
乗り継ぎを比べる:JTB時刻表
『JTB時刻表』(JTBパブリッシング)は毎月出る総合時刻表で、2026年9月号は8月25日発売、B5判1,080ページです。鉄道の時刻に加えて、バス・航空・船の時刻、観光列車、JRのおトクなきっぷ、駅弁の情報が載っています。9月号の巻頭特集は「一度は降りたい 個性派駅」で、建物や設備に特徴のある駅の紹介です。10月号は9月18日発売の予定で、9月13日時点では中身が公開されていません。
紙の時刻表の使いどころは、乗換案内が出す1本の答えを、1本前や1本後とずらして見比べるときです。横浜駅や新横浜駅から乗り換えなしで乗れる特急は別の記事にまとめていますが、その先の乗り継ぎを自分で組みたい人は、時刻表の1ページで前後の列車が一度に見えます。
青春18きっぷで行く人へ:入門書2冊と、変わった決まり
青春18きっぷの決まりは2024年冬に変わりました。 JR東日本の2024年10月24日の発表によると、連続する3日間用と連続する5日間用の2種類になり、自動改札機が使えるようになりました。ここで紹介する2冊はどちらも変更前に出た本なので、きっぷの使い方の部分は最新の案内で読み替えてください。路線の紹介と乗り継ぎの考え方は、今も使えます。
『旅鉄BOOKS045 新 青春18きっぷの教科書』(「旅と鉄道」編集部、天夢人、2021年、160ページ)は、きっぷの基本、1日でどこまで行けるかの目安、東海道本線などの幹線の乗り継ぎ、モデル旅程、駅の近くの立ち寄り先という構成です。横浜から西へ普通列車で行くときの、熱海や静岡での乗り継ぎの考え方が分かります。
『青春18きっぷで楽しむおとなの鉄道旅行』(小林克己、だいわ文庫、2015年、231ページ)は文庫サイズの読み物です。列車の中で読む本として持ちやすい大きさですが、刊行が古いので、決まりと料金は本のとおりではありません。
乗る路線の成り立ちを知る:神奈川県の鉄道
『神奈川県の鉄道 昭和〜平成の全路線』(杉﨑行恭、アルファベータブックス、2017年、96ページ)は、県内の現役路線と廃線を合わせて52路線を対象に、路線ごとの歴史と昭和中期から平成の写真を収めた本です。花博の会場最寄りは相鉄線の瀬谷駅・三ツ境駅と、JR横浜線の十日市場駅です。相鉄線がどう延びてきたか、横浜線が何のために出来たかを知ってから乗ると、車窓の見え方が変わります。相鉄の車両については相鉄線の車両ガイドに書いています。この本は版元の公式ページを直接確認できず、書店の書誌情報で中身を確かめました。
降りた先で歩く:横浜の建物と美術館の本
『横濱建築 記憶をつなぐ建物と暮らし』(中井邦夫 監修、トゥーヴァージンズ、2024年、192ページ)は、開港、関東大震災、空襲、接収と返還という横浜の歴史を背景に、震災後の「防火帯建築」を手がかりに50軒以上の建物を紹介するガイドです。ホテルニューグランドのような有名な建物から、バー、銭湯、映画館、パン屋、米店、崎陽軒本店まで扱い、元町・中華街、関内・桜木町、南区などエリア別に分かれています。関内駅や桜木町駅で降りて歩く日の本です。山手の西洋館は7館の半日コースにまとめています。
『おかえり、ヨコハマ』(横浜美術館 編、torch press、2025年、288ページ)は、2025年2月8日から6月2日まで開かれた横浜美術館のリニューアルオープン記念展の公式図録です。「横浜」と「多様性」を手がかりに同館のコレクションを見直し、開港以前の横浜に住んだ人、女性、子ども、さまざまなルーツを持つ人に目を向けた全8章の構成で、日英併記です。展覧会は終わっていますが、横浜美術館のコレクションの読み方として残ります。美術館の回り方は横浜美術館・神奈川近代文学館・大佛次郎記念館の記事を見てください。
編集部の考え
6冊のうち最初に買うなら、JTB時刻表の最新号だと思います。1か月で古くなる本ですが、花博へ行く月の号を1冊持っておくと、行きと帰りの乗り継ぎを自分で組み替えられます。青春18きっぷの2冊は、決まりが変わったあとの改訂版が出るまでは、路線の紹介として読む本です。改訂版の発表があれば追記します。横浜の建物の本は、花博の帰りに1駅降りて歩く日を作る人に向いています。
