大阪・関西万博のパナソニックグループパビリオン「ノモの国」のファサードと設備は、GREEN×EXPO 2027の会場でもう一度使われます。受け入れるのは東邦レオで、Village出展の1つとして「やさしくなりたい。STUDIO」を展開します。テーマは「8歳の大人」です。
「やさしくなりたい。STUDIO」とは
GREEN×EXPO協会は、Village出展12館の一つとして「やさしくなりたい。STUDIO」を紹介しています。会場を運営するこの協会の正式名称は、公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会です。紹介のページでは、「ノモの国」をリユースした建物で、テーマは「8歳の大人」だと説明しています。「大人も、子どもも、やさしくなりたい。」という言葉も添えられています。
東邦レオの特設サイトによると、グランドオープンは2027年3月19日の予定です。東邦レオはこの建物を、Village出展の区画「Urban GX Village」の中に建てます。
パナソニック「ノモの国」からの継承
東邦レオとパナソニック ホールディングスは、2025年7月29日にそれぞれ発表を出しました。「ノモの国」のファサード(鉄のフレーム約736個)と、照明40台、スピーカー12台、ミスト設備を、東邦レオがUrban GX Village内に建てるSTUDIO(当時は仮称)でリユースするという内容です。ファサードを設計したのは建築家の永山祐子氏です。
パナソニックグループは2025年9月4日、「ノモの国」の閉幕後の建築部材について、重量ベースで99%以上のリユース・リサイクル率を達成したと発表しました。対象はリサイクル鉄や銅、ファサードのフレーム、外構の舗装ブロックなどです。
「ノモの国」の館内の展示物(47万人以上が体験したもの)については、パナソニックグループが2025年12月22日、空港・自治体・学校・施設など別の移設先を決めたと発表しています。ファサードのリユースとは別の取り組みで、移設先にSTUDIOは含まれていません。
建築のコンセプト
東邦レオの特設サイトによると、STUDIOのコンセプトは「つよさより、やわらかさを。所有より、分かち合いを。完成より、育つことを。」です。しなやかな線材を編み込んだ構造につる植物を這わせる建築で、時間とともに葉が茂り、見た目が変わっていくとしています。
STUDIOは、雑誌AERA(朝日新聞出版)と小山薫堂氏による「やさしくなりたい。」プロジェクトと理念を共有しています。小山氏は同プロジェクトのスペシャルオーガナイザーを務めています。館内の具体的な展示物や体験の内容は、2026年9月時点で公表されていません。
大学との連携
2026年5月25日には、東邦レオが日本GXグループ株式会社、細目大学横断研究室と組んで「地域共創プログラム」を始めると発表しました。STUDIOを拠点に、地域の自然資本を政策・事業・市民参加へつなげることを狙いにしています。東邦レオの代表取締役社長・吉川稔氏、日本GXグループ共同代表・吉岡賢史氏、細目大学横断研究室代表・細目圭佑氏がそれぞれコメントを出しています。東邦レオの特設サイトによると、2026年5月27日にキックオフイベントを開催しています。
学校法人京都産業大学は2026年6月19日、東邦レオのVillage出展「やさしくなりたい。STUDIO」とのコラボレーションを発表しました。生命科学部(2027年4月に環境生命科学科へ名称変更予定)を中心に、情報理工学部、文化学部、アントレプレナーシップ学環、植物科学研究センター、生態系サービス研究センターが連携します。テーマは自然との対話です。STUDIO内の特別展示は2027年8月7日から20日まで、屋内展示ブース「花・緑出展(自然から学ぶ・体験する)」は同年8月7日から15日までの予定です。学生も展示準備や運営に参加するとしています。
発表の経緯
| 日付 | 発表内容 |
|---|---|
| 2025年7月29日 | 東邦レオ・パナソニックグループが「ノモの国」ファサード等のリユースを発表 |
| 2025年9月4日 | パナソニックグループが「ノモの国」建築部材のリユース・リサイクル率99%以上を発表 |
| 2025年12月22日 | パナソニックグループが「ノモの国」展示物の移設先(空港・自治体・学校・施設等)を発表 |
| 2026年5月25日 | 東邦レオ・日本GXグループ・細目大学横断研究室が地域共創プログラムの開始を発表 |
| 2026年5月27日 | キックオフイベントを開催(東邦レオ特設サイトによる) |
| 2026年6月19日 | 京都産業大学がSTUDIOとのコラボレーション出展を発表 |
| 2027年3月19日 | グランドオープン予定(東邦レオ特設サイトによる) |
パナソニックは建物のリユースと展示物の移設先を別々に発表しており、STUDIOに移るのは建物の外観と設備だけだと分かります。2026年5月以降は、大学や企業と組む発表が続いています。
編集部の考え
STUDIOは、建物の再利用に大学や企業との地域共創プログラムを加えた、続けていく取り組みとして組み立てられているのだと思います。京都産業大学のように会期の一部(2027年8月)だけ出展する形は、ほかのVillage出展にも広がるかもしれません。
大阪で「ノモの国」を見た人にとっては、同じ外観を横浜でもう一度見られる、分かりやすい引き継ぎ方だと思います。大阪・関西万博から横浜へ引き継がれるほかのものは、特集ページ「大阪・関西万博からの継承」で扱っています。
出展パビリオンの一覧は、特集ページ「出展パビリオン」にまとめています。
