タイ王国は2025年10月14日、GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)の公式参加契約を調印しました。場所は在東京タイ王国大使館、契約の相手はGREEN×EXPO協会(正式名称:公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会)です。協会の発表は同月15日でした。2027年は、1887年の「日タイ修好宣言」から140周年にあたる年です。タイにとっては、2029年に自国で開くコラート国際園芸博覧会へつながる参加でもあります。
基本情報
表は外務省の基礎データ(2026年1月21日時点)によります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | タイ王国(Kingdom of Thailand) |
| 面積 | 約51万平方キロメートル |
| 人口 | 6,605万人(2025年) |
| 首都 | バンコク |
| 民族 | 大多数がタイ族。ほかに華人、マレー族等 |
| 言語 | タイ語 |
| 宗教 | 仏教94%、イスラム教5% |
| 政体 | 立憲君主制 |
| 元首 | マハー・ワチラロンコン・プラワチラクラーオチャオユーフア国王陛下(ラーマ10世王、2016年10月即位) |
| 首相 | アヌティン・チャーンウィーラクン氏(2025年9月就任) |
| 外相 | シーハサック・プアンゲートゲーオ氏 |
日本との関係では、タイの在留邦人が70,421人、日本の在留タイ人が65,398人です(いずれも2024年)。訪日タイ人数は新型コロナウイルスの影響からの回復が進み、2024年は約105万人でした。両国は1887年の「日タイ修好宣言」以来の関係を持ち、2027年は国交樹立140周年にあたります。要人往来では、2025年5月にタイのマーリット外相(当時)が来日し、岩屋外務大臣と会談しました。政権交代後の同年12月にはシーハサック外相が来日し、茂木外務大臣とワーキングランチを行いました。

展示の公式情報
GREEN×EXPO協会の発表によると、調印式は2025年10月14日(火)15時30分、在東京タイ王国大使館で開かれました。調印したのは、タイ王国陳列区域政府委員のピラパン・コートン氏(農業・協同組合省農業普及局長)、GREEN×EXPO協会事務総長の河村正人氏、2027年国際園芸博覧会政府委員の越川和彦氏の3人です。駐日タイ王国特命全権大使のウィッチュ・ウェチャーチーワ氏が同席しました。
コートン氏は、タイパビリオンについて、味覚・香り・視覚・音を通じて心と体の調和を感じられる体験の場になると説明しています。公表されている建物のイメージは、タイ東北部の寺院建築「イサーン・シム」から着想を得たもので、暮らしと信仰に根ざした静けさを表現するとされています。屋内と屋外の空間を組み合わせた「インターナショナルガーデン」も計画に含まれています。ただし、これらは発表資料に「イメージ」と注記された段階のもので、具体的な展示物や規模は2026年9月時点で未発表です。
タイは、2029年11月10日から2030年2月28日まで、タイ東北部のナコンラチャシマー県(通称コラート県)で「2029年コラート国際園芸博覧会」を開く予定です。テーマは「自然と緑:緑の未来を描く」で、A1クラスの国際園芸博覧会としてBIE(博覧会国際事務局)の認定手続き中とされています。タイでのA1クラス開催は、ラーマ9世在位60周年にあたる2006年の北部チェンマイ県以来2回目です。協会は、今回の公式参加契約の締結を、GREEN×EXPO 2027からコラート博へと「絆を繋ぐ」節目と位置づけています。
予習のための文化
タイ国政府観光庁(TAT)の公式サイトによると、タイの国花は「ラーチャプルック」(ゴールデンシャワー)で、2001年10月26日に制定されました。開花期は3月から4月です。黄色い花は仏教と栄光を表すとされ、ラーマ9世が月曜日生まれだったことから「国王の花」とも呼ばれています。伝統的な住居は高床式で、多雨多湿の気候に合わせて屋根の勾配を急にしています。建築面積の40〜60%を広い濡れ縁が占めるのも特徴です。陶磁器(サンカローク焼、ベンジャロン焼)をはじめ、食文化にも中国からの影響が見られると紹介されています。

タイパビリオンの建物イメージが着想を得た「イサーン・シム」は、タイ東北部(イサーン地方)の寺院建築です。2029年のコラート博もこの地方で開かれます。同庁が公開しているイサーン地方の食文化紹介によると、この地方の料理は塩味が強く辛みがあり、甘みは控えめです。海に面していないため、川魚を発酵させた「プラーラー」を保存食として使う点が特徴とされています。代表的な料理として取り上げられているのは、青パパイヤのサラダ「ソムタム」、鶏の炭火焼き「ガイヤーン」、ハーブと炒り米で味付けしたひき肉のスパイシーサラダ「ラープ」、発酵させた酸味のあるソーセージ「サイクロー」、東北版のトムヤムスープと紹介される「トムセープ」です。タガメやアリの卵を食べる昆虫食の習慣もあるとされています。

編集部の考え
公表された建物のイメージはイサーン地方の寺院建築から着想を得ていて、2029年のコラート博も同じ地方で開かれます。タイパビリオンの発表は、単独の国紹介というより、コラート博へつなぐことを意識したものだと思います。イサーン地方の建築や食文化を先に知っておくと、2027年にパビリオンが公開されたとき、展示の中身をつかみやすくなりそうです。展示物や規模が発表されたら、この記事に書き加えます。
参加国全体の一覧は「参加国ガイド」にあります。会期や行き方、チケット、宿については「横浜花博 2027 のページ」をご覧ください。
