博覧会の本は、大きく3種類に分かれます。1851年のロンドン万博から続く歴史をたどる通史、会場や建物を見に行く前に読むガイド、そして閉幕のあとに出る写真集や記録です。ここでは出版社の内容紹介で中身を確かめた7冊を、この3つの順に並べました。万博と花博の制度の違いは、国際博覧会の種類の記事に書いています。
なお、本の値段はここに書きません。版や在庫で変わるので、各書店のページで確かめてください。
| 書名 | 著者・編者 | 出版社 | 刊行 | ページ数 |
|---|---|---|---|---|
| 図説 万博の歴史 1851-1970 | 平野暁臣 | 小学館クリエイティブ | 2017年11月 | 160 |
| 博覧会の歴史 第1回ロンドン万博から2025年大阪・関西万博まで | あかつき教育図書 | あかつき教育図書 | 2024年2月 | 80 |
| 万国博覧会と人間の歴史 | 佐野真由子 編 | 思文閣出版 | 2015年10月 | 700超 |
| 太陽の塔ガイド | 平野暁臣 プロデュース | 小学館クリエイティブ | 2018年4月 | 64 |
| 2025年日本国際博覧会 大阪・関西万博 公式ガイドブック | JTBパブリッシング | JTBパブリッシング | 2025年3月19日 | 360 |
| 大阪・関西万博 写真集(ぴあMOOK) | ぴあ | ぴあ | 2025年9月11日 | 148 |
| 2025年大阪・関西万博 リングがつないだ世界 報道写真集 | 読売新聞大阪本社 | 読売新聞社 | 2025年10月7日 | 約180 |
刊行年月とページ数は各出版社の内容紹介と書店の書誌情報によります(2026年9月13日時点)。
通史を知る3冊
『図説 万博の歴史 1851-1970』(平野暁臣、小学館クリエイティブ、2017年、160ページ)は、ロンドン万博の水晶宮から1970年の大阪万博までを、約1,000点の写真と図版で見せる本です。出版社は、文章中心の既刊『万博の歴史』(2016年)と対になる「見る万博史」と説明しています。エッフェル塔や各時代の日本館のように、博覧会が残した建物を写真で追えるので、跡地を訪ねる前に開くと現地で見るものが分かります。
『博覧会の歴史 第1回ロンドン万博から2025年大阪・関西万博まで』(あかつき教育図書、2024年、80ページ)は、小学校中学年から中学生向けの学習図書です。1851年から2027年のベオグラード博まで、36の博覧会を写真とイラストで扱う3章構成で、第1章が万博のしくみ、第2章がこれまでの万博、第3章が2025年の大阪・関西万博とその先の予定です。子どもと一緒に横浜の花博へ行く前に、博覧会とは何かを話す材料になります。
『万国博覧会と人間の歴史』(佐野真由子 編、思文閣出版、2015年、700ページ超)は、研究者と行政や業界の関係者による共同研究の本です。博覧会に関わった人、会場になった場所、博覧会が生んだ仕事と社会の変化、パリやオスマン帝国、中国の万博の比較という4部構成です。通史というより、会場の空間や働いた人の側から万博を見る本なので、上の2冊を読んだあとに手を伸ばす順で良いと思います。
太陽の塔を見に行く前に
『太陽の塔ガイド』(平野暁臣 プロデュース、小学館クリエイティブ、2018年、64ページ)は、2018年3月に内部が公開された太陽の塔の見学ガイドです。館内展示の解説に加えて、「生命の樹」の再生と「地底の太陽」の復元の経緯、テーマ館の思想と岡本太郎の制作意図が載っています。内部観覧は事前予約制なので、予約の取り方は万博記念公園の記事を見てください。薄い本なので、往きの新幹線で読み終わる分量です。
大阪・関西万博を手元に残す3冊
『2025年日本国際博覧会 大阪・関西万博 公式ガイドブック』(JTBパブリッシング、2025年3月19日発売、360ページ)は、会期中の公式ガイドです。8人のプロデューサーによるシグネチャーパビリオン、3つのゾーンに分かれた海外パビリオン、日本館と企業館、イベントカレンダーが載っています。閉幕した今は、どの国がどこに出ていたかを引く記録として使えます。協会の発表では、英語版も同じ月に出ました。
『大阪・関西万博 写真集』(ぴあMOOK、2025年9月11日発売、148ページ)は、公式ライセンスの写真集です。大屋根リングや各国のパビリオン、来場者の様子が中心で、会期中に出た「大阪・関西万博ぴあ」の編集部が作りました。閉幕の約1か月前に出た本です。
『2025年大阪・関西万博 リングがつないだ世界 報道写真集』(読売新聞社、2025年10月7日発売、約180ページ)は、読売新聞のカメラマンが開幕前の夢洲から会期の終わりまでに撮った約820点を時系列で並べた本です。ブルーインパルスの飛行や夜の花火のほか、1970年の大阪万博と2005年の愛知万博の写真も載っています。大屋根リングの保存部や跡地の今については、夢洲のいまの記事で追っています。
GREEN×EXPO 2027の公式ガイドはまだ無い
2026年9月13日時点で、GREEN×EXPO協会の公式サイトに、公式ガイドブック刊行の発表は見当たりません。大阪・関西万博の公式ガイドブックは、開幕の約1か月前に発売されました。横浜の花博も同じような時期になる可能性はありますが、未確認です。発表があればこの記事に追記します。それまでの予習には、当サイトの会期・行き方・チケットのまとめが使えます。
編集部の考え
7冊のうち1冊だけ選ぶなら、『図説 万博の歴史 1851-1970』だと思います。理由は、博覧会が残した建物を写真で覚えておくと、跡地を歩いたときに何を見ているかが分かるからです。大阪・関西万博の3冊は、会場に行った人が自分の記憶を照らし合わせるための本で、行かなかった人には公式ガイドブックが一番役に立つと思います。子ども連れなら、あかつき教育図書の1冊を先に渡して、横浜の花博が「博覧会のひとつ」だと分かってから会場に向かう順を勧めます。
