横浜トリエンナーレは、第9回の開催を決めた発表(2025年12月8日付)で、4つの目標の最後に「GREEN×EXPO 2027の理念を共有する」を置きました。本文には「第9回横浜トリエンナーレも会期を合わせ」とあり、花博の掲げる「自然との共生や幸福感を、新たな明日の風景として可視化していく」という理念に、一緒に取り組むとあります。
その会期は2027年4月23日(金)から9月12日(日)までの124日間です。花博(GREEN×EXPO 2027)は3月19日から9月26日までなので、トリエンナーレの会期はすべて花博の会期の中に入ります。
3年に一度の現代アートの国際展
横浜トリエンナーレは、横浜市で3年に一度開かれる現代アートの国際展です。2001年に始まり、第9回で27年目になります。この展覧会のモットーは一貫して「現代アートの良質な入門編」で、専門知識がなくても楽しめる作品を積極的に並べる方針です。4つの目標の前には、複雑な国際情勢や人工知能の台頭を挙げたうえで、「よりよい明日を生きようとするすべての人びとの営みに、アートを通して寄り添います」という一文があります。
目標の1つ目は「横浜という街に深く関わる」です。1859年の開港からさまざまな文化の波を受け止めてきた横浜は、いまは約13万人169か国籍の人が暮らす街で、一つの地域であると同時に世界と出会う場所でもあります。花博の年に街の中で開く展覧会として、その特性を生かすという方針です。
企画を統括するアーティスティック・ディレクターは、ルーマニア出身のコスミン・コスティナシュ氏とコロンビア出身のインティ・ゲレロ氏の二人組です。主な会場は横浜美術館で、市内で長く活動してきたアートの拠点と「密につなぎます」と発表は説明しています。美術館以外の会場の名前とチケットの料金は、2026年9月26日時点のプレスリリース一覧に発表がなく、未確認です。
| 催し | 会期 |
|---|---|
| 第9回横浜トリエンナーレ | 2027年4月23日〜9月12日 |
| GREEN×EXPO 2027(横浜花博) | 2027年3月19日〜9月26日 |
トリエンナーレの休場日は毎週木曜日です。ただし4月29日と9月9日の木曜日は開き、4月28日(水)は休みます。花博に合わせて日を組むときは、この木曜日を外してください。
前回の第8回は2024年3月15日から6月9日まで、横浜美術館のほか旧第一銀行横浜支店やBankART KAIKOなどを会場に開かれました。題は「野草:いま、ここで生きてる」でした。

会場の横浜美術館
会場の横浜美術館は1989年、みなとみらい21地区にできた最初の施設のひとつとして開館しました。建物は丹下健三の設計です。館は展覧会を「みる」、アトリエで「つくる」、美術図書室で「まなぶ」の三つを柱に活動してきたと自分を説明していて、所蔵作品は約1万5千点、アトリエなどでの教育普及プログラムは年間約400回、蔵書は24万冊です(いずれも2025年時点)。大規模な改修を終えてからは、「どんな人にも居場所がある」という考え方を事業の基本に据え、子どもたちのための展示やトーク、創作のプログラムに力を入れているといいます。
館長の蔵屋美香さんは、2026年3月付の挨拶でこう書いています。美術館は長く「アートを学ぶための場所」だと考えられてきたが、「アートはゴールではなく、むしろきっかけです」。アートを入口に新しいものに出会い、少しだけ生きる元気が湧く。そういう経験を持ち帰ってほしい、という文です。挨拶は、展示を見るのもよし、ただ座って行き交う人を眺めるのもよし、と続きます。入ってすぐのエントランスホール「グランドギャラリー」は無料で使え、色とりどりの椅子が置かれています。

みなとみらい駅からの行き方
最寄りはみなとみらい線(東急東横線直通)のみなとみらい駅です。3番出口からマークイズみなとみらいのグランドガレリアを通り、徒歩3分で着きます。みなとみらい線は横浜駅から2つ目で、横浜駅で乗り換えればみなとみらい駅まで約3分です。JRと市営地下鉄の桜木町駅からは、動く歩道を使って徒歩10分。渋谷からは東急東横線でみなとみらい駅まで約35分です。
車で行くなら、美術館の駐車場は157台で、最初の90分が500円、その後は30分ごとに250円です。障がい者手帳を見せると最初の90分が無料になります。ベビーカーや車椅子で通りやすい道順は、美術館のアクセスのページに載っています。
花博の会場は横浜・上瀬谷にあり、4つの駅からシャトルバスで向かいます。花博とトリエンナーレを別の日に回るなら、間の晩の宿は楽天トラベルのみなとみらい駅周辺のホテル・旅館の一覧PRで探せます。

同じ夏に開かれる越後妻有の芸術祭
新潟県の十日町市と津南町にまたがる越後妻有地域で開かれる「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、2027年に第10回展を開きます。会期は7月17日(土)から11月7日(日)までの85日間で、火曜と水曜が定休です(8月10日・11日、11月3日は開きます)。花博とは7月17日から9月26日まで、横浜トリエンナーレとは7月17日から9月12日まで会期が重なります。
この芸術祭は2000年に始まり、アートディレクターの北川フラムさんが総合ディレクターを務めています。基本理念は「人間は自然に内包される」で、理念の説明は、人間を自然の重要な一部と見たうえで、あくまでその一部にすぎないと念を押しています。作品はおよそ200の集落を手がかりに点在していて、約200の常設作品に加え、会期中に新作を公開すると芸術祭は説明しています。
編集部の考え
横浜トリエンナーレの主催者は会期を花博に合わせ、花博の理念を目標の一つに掲げました。花を見に横浜へ来る人の多くは、現代アートを見に来たわけではありません。その人たちに向けて、トリエンナーレは「良質な入門編」を、会場の美術館は「むしろきっかけ」を掲げています。花の博覧会の次に寄る展覧会として、身構えずに入れる場所を用意しようとしていると思います。
訂正(2026年9月19日): 大地の芸術祭2027の会期は2026年9月時点で確認できなかったと書いていましたが、公式サイトは2026年6月25日付ですでに会期を2027年7月17日から11月7日までと発表していました。