落合陽一氏と日本フィルハーモニー交響楽団のプロジェクト第 10 回「離見する音楽会」が、2026 年 11 月 23 日(月・祝)に横浜能楽堂で開かれます。同じプログラムを 14 時と 17 時の 2 回。会場は 2024 年 1 月から改修で休館し、2026 年 6 月 28 日に再開館した能舞台です。
2018 年に始まったこのシリーズは、2025 年の第 9 回を大阪・関西万博の会場で「null²する音楽会」として開き、主催者はその歩みが落合氏のパビリオン null² の世界観につながったと説明しています。第 10 回はオーケストラをコンサートホールから能舞台へ移し、シリーズで最も小さい室内楽の編成で演奏します。事実は READYFOR の公演ページ、横浜市と横浜能楽堂の案内から拾い、数字は 2026 年 9 月 13 日時点のものです。null² がどこへ向かうかは、前の記事で整理しています。
早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公演名 | 落合陽一×日本フィルハーモニー交響楽団プロジェクト VOL.10「離見する音楽会」 |
| 日時 | 2026 年 11 月 23 日(月・祝)第 1 部 14 時開演(13 時 30 分開場)、第 2 部 17 時開演(16 時 30 分開場)。同一プログラム |
| 会場 | 横浜能楽堂(横浜市西区紅葉ケ丘 27-2、掃部山公園内。客席 486 席) |
| 演出 | 落合陽一 |
| 出演 | 梅若紀彰(シテ方観世流、能楽監修)、梅若景英、日本フィルのメンバー(田野倉雅秋 ソロ・コンサートマスターほか) |
| 主催 | 公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団(令和 8 年度日本博補助事業) |
| クラウドファンディング | READYFOR、2026 年 9 月 1 日公開、11 月 30 日 23 時まで。目標 500 万円(All in 方式) |
| 支援状況 | 9 月 13 日時点で 378 万 4,000 円、128 人 |
| 最寄り駅 | JR・市営地下鉄 桜木町駅から徒歩 12 分、みなとみらい駅から徒歩 20 分 |
何をする公演か
主催者の説明では、これまでのシリーズは伝統音楽をオーケストラの側へ招いてきましたが、今回は日本フィルの奏者が能舞台の側へ入ります。能舞台は客席に向かって演奏する場所として作られていないので、「客席に向けて演奏する」という前提そのものを問い直す、というのが落合氏の趣旨です。
題の「離見」は世阿弥の『花鏡』にある「離見の見」から取られています。演者が自分の舞を客席から、さらにその外から眺め直す眼差しのことで、落合氏はこれを、AI とデータに観察される時代に人がどう自分を見つめ直すかという問いに重ねています。落合氏の文章には「AIが私を見ている.データが私を計算している.」(READYFOR の公演ページ、落合氏の Statement)とあります。
出演は、演出の落合氏、能楽監修と出演を兼ねるシテ方観世流の梅若紀彰氏(重要無形文化財保持者)、梅若景英氏、そして日本フィルのメンバーです。企画協力に大倉源次郎氏の名があります。曲目は洋楽と能楽が交互に並び、映像演出が付きます。
- ドビュッシー(冨田勲編)「月の光」(4 チャンネルのシンセサイザー音源)
- 能楽「井筒」より
- J.S. バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタ第 2 番より「グラーヴェ」
- ドホナーニ 弦楽三重奏のためのセレナードより第 3 楽章
- 能楽「嵐山」より
- 武満徹「エア」
- 能楽「山姥」より
- ペルト「スンマ」(弦楽四重奏と舞)
- ラヴェル 弦楽四重奏曲より
主催者はプログラムを「月」「夜」「花」「風」「彩」の順に一つの流れとして編んだと説明しています。
チケットとクラウドファンディングのコース
READYFOR のクラウドファンディングは 2026 年 9 月 1 日に始まり、11 月 30 日 23 時までです。目標は 500 万円で、届かなくても実施する All in 方式。資金は公演の開催経費に充てると説明されています。チケット付きのコースは 11 月 5 日 23 時 59 分までに READYFOR への着金を済ませる必要があります。席は一般発売に先立つ良席とされ、座席は選べません。9 月 13 日時点の主なコースは次のとおりです。
| 金額 | 内容 |
|---|---|
| 5,000 円 | 公演パンフレットとロゴステッカー |
| 8,000 円 / 12,000 円 | T シャツ(半袖 / 長袖。L のみ) |
| 10,000 円 | A 席(14 時または 17 時)。9 月 13 日時点で申し込めない表示 |
| 15,000 円 | A 席と T シャツ |
| 20,000 円 | S 席(14 時または 17 時) |
| 25,000 円 | S 席と T シャツ |
| 30,000 円 | 公演前日の横浜ガイドツアー(チケット購入者限定) |
| 50,000 円 | ゲネプロ見学と SS 席(14 時)と T シャツ。9 月 13 日時点で申し込めない表示 |
| 100,000 円 | SS 席(17 時)、T シャツ、null²ⁿ の鑑賞、関係者の打ち上げ |
| 150,000 円 | 応援コース |
| 3,000 円〜500,000 円 | 寄付コース(日本フィルへの寄付として税額控除の対象) |
日本フィル・サービスセンターと各プレイガイドでも販売すると案内されていて、READYFOR の価格とは異なるとしています。一般販売の価格と発売日は 9 月 13 日時点で確認できていません。分かったら表に足します。未就学児は入場できません。
READYFOR のページによると、シリーズのクラウドファンディングに参加した人は累計で 2,000 人を超えています。主催者はこの取り組みをチケット収入だけでは続けにくい事業と位置づけ、毎回支援を募っています。
横浜能楽堂への行き方と、公演がない日の見学
横浜能楽堂は桜木町駅から徒歩 12 分、みなとみらい駅から徒歩 20 分。掃部山公園の中にあります。本舞台は明治 8 年に建てられた旧染井能舞台で、天井の脱落対策を含む大規模改修のため 2024 年 1 月から休館し、2026 年 6 月 28 日に再開館しました。
本舞台を使わない日は、9 時から 18 時(最終入場 17 時 30 分)まで館内を見学できます。予約不要、無料で、ロビー、能面や能装束の展示廊、2 階から本舞台を眺められます。公演のチケットが取れなくても、能舞台そのものは見に行けます。
編集部の考え
null² の続きを追う人にとって、2026 年の秋は横浜に 2 つの予定が並びます。10 月 14 日にランドマークプラザで null²ⁿ が開き、11 月 23 日に能楽堂でこの公演があります。みなとみらい駅からランドマークプラザは徒歩 3 分、能楽堂は徒歩 20 分なので、同じ日に両方を回れる距離です。
公演は 486 席が 2 回で、席の総数は 1,000 に届きません。READYFOR の A 席がすでに申し込めない表示になっていることを見ると、行くつもりなら一般販売の案内を待つより、9 月のうちに READYFOR で席を押さえるほうが確実だと思います。10 万円のコースに null²ⁿ の鑑賞が含まれているのは、2 つの企画が同じ人の手で続いていることの表れです。
落合氏の関わる企画は、横浜花博の会期(2027 年 3 月 19 日から 9 月 26 日)に会場へ置かれる null⁴ まで続きます。能楽堂の公演は、その前に横浜で落合氏の演出を見られる機会です。一般販売の日程とクラウドファンディングの結果は、分かった時点で本文と基準日を直します。
